九谷焼窯元・上出長右衛門窯
これが九谷焼といったらイメージが変わる人もいるのでは?九谷焼含む、多くの陶器はお年寄りが好むもの、博物館などで崇高に展示されているもの、のイメージがあったけれど、これを見ると思わず「ほしい…」と思ってしまう。この九谷焼の窯元・上出さんは、今まで九谷焼に描かれていた笛吹にいろいろなものを持たせた。ラジカセからドラム、DJをさせたりカセットテープをもっている笛吹もいる。ほかにも、ワンちゃん柄のお皿や「走る急須(非売品。ほしい。)」など、「え?どういうこと?」と思わず目を引くデザインでファンをつかんだ。彼らの作品がさらに世に広まったのは、ロックバンドサカナクションの山口一郎さんが彼の作品に目をつけたこともある。私もそのひとり。もともとサカナクションの音楽が好きだったのが、山口さんがInstagramで上出さんの作品について紹介してくれていたのをきっかけに興味をもった。今は100円ショップでも茶碗や湯飲みは売っているし、ちゃんと機能もする。彼の作品は確かに安くはないので手軽に購入はできないけれど、作る過程を知ったり作品に込められている想いを知ればつい買ってしまうような魅力がある。需要が衰退していて存続をも危ぶまれる伝統文化は、ただ崇高なものとして展示されるのではなく、人々の日常に取り入れられてこそ、需要につながる。身近で普段の生活になじみがあると、その作品の良さを使いながら実感できるし、使い捨てではなく大切に使おうという意識になる。そんな大切なことを学ばされたきっかけを作ってくれた上出さんがもっと広まればいいなと思う。