活字大好き本のむし 綾乃の本のつぶやきブログ -81ページ目

活字大好き本のむし 綾乃の本のつぶやきブログ

本を読むのがとにかく大好きです。
そんな好きな本の感想などを字数にとらわれず、つぶやいていくブログです。


初読みの作家さんなんで、タイトルに惹かれて読み始めたのですが凄く素敵な本でした。


3年の交際を経て結婚を前提に、同棲間近だったITエンジニアの亀井戸とペットショップ店員の美鶴。
ある日、万引き犯を捕まえようとして、投げられた美鶴は頭に怪我を負い、
3年分の記憶を失ってしまいます。

病院に駆けつけた亀井戸を待っていたのは、自分のことを忘れ怯える美鶴とストーカーと勘違いする家族たち。
突然現れた見知らぬ男性に戸惑いと恐怖を感じてる美鶴に対して亀井戸は、自分も中学生の時に川で溺れ記憶を無くしたことの経験と、記憶を無くしまった美鶴の混乱や彼女だったらどうするかを考え、何も言わずに病院を去ってしまいます。

それでもどうしても美鶴を諦めきれない亀井戸は、その後飼い犬のライスをだしに、犬飼と名前を偽ってペットショップの仕事に復帰した美鶴の前に現われ、出逢いからやり直そうとするのですが、これの方がちょっとストーカーぽかった(^^;;

名前を偽っているとは知らず、優しく接してくれる彼に徐々に心を開いていき、出会った頃からやり直せる?と思ったら。
ペットショップの先輩から告白され、亀井戸の嘘をバラされたり。
彼を忘れてしまった罪悪感に捕らわれ、元の関係に戻ろうとする美鶴に戸惑い傷つけあったり。
忘れられない初恋の人がいたことを知った亀井戸は、美鶴を大切に思うがあまり離れようとし、お互いを気遣うあまりすれ違ってしまう2人に、どこかもどかしさを感じてしまいました。

それでも色んな紆余曲折がありながら、亀井戸の風邪をきっかけにして、これからはお互いに思ったことを相手に伝えて行くことを約束、新しい関係を築き始めた2人に少しだけホッとしました(^^;;

新たな関係をきづき始めた2人は、ライスの散歩を兼ねて花火大会にいくのですが、途中でゲリラ豪雨に見舞われた2人は、お互いの昔話をしはじめます。

亀井戸は同じような嵐の日、自分が溺れたのはこの川だったこと、美鶴も小学生の頃に同じように、家族に内緒で橋の下で世話をしていた犬を助けようとして嵐の日に増水した川で溺れ、よく河川敷で話をしていた中学生の男の子に助けられ、その人が初恋の人であったこと。

美鶴がずっと感じていた違和感、2人同時に昔の記憶を思い出した時につながった現在と過去。
子供の頃から続く想いと奇跡のような再会。
お互いがお互いを忘れても、共有する思い出と初恋。
そして、一生に一度だろう出逢い。
こういう素敵な一生に一度の恋と、お互いを想い合いあえる人に出逢えたことが、ちょっと羨ましかったです。

パンとライス母子が縁となり結ばれた2人は、たとえ美鶴の3年分の記憶が戻らなくても、奇跡のような出逢いを大切に、これからも幸せでいられるだろうと思えるラストでした(*˘︶˘*).。.:*♡


10年分の『   』は、最後まで明言されませんでしたので、この本を読んだ人が感じた言葉を当て嵌めるような気がしました。

個人的には、10年間ずっと忘れずにいてくれた美鶴に対しての『ありがとう』の言葉が1番合っているのかな(^^)

人によっては『感謝の気持ち』だったり『好き』、『愛してる』だったりするのかな? とも思います。

お互いを想いあう愛に溢れ、優しく心暖まる爽やかなお話でした。
今年1番の恋愛小説。

 

 

内容紹介

彼女の秘密を知った時、きっとあなたは涙する。
「誰、ですか……あなた……」
叩きつけるような豪雨の日、僕の彼女、美鶴の記憶がなくなった。
しかも、失った記憶は――3年。
それは、ただの3年ではなく、僕たちが出会い、関係を積み重ねてきた大切な時間だった。
僕を知らない美鶴とどう接すればいいのか? 僕たちはまた関係をやり直せるのか?
混乱しながらも彼女を支えようと決めた最中、美鶴には僕と出会う前から心に残っている人がいると知り――。

 

KADOKAWA (2018/5/16)