スコアの活用方法について
いつもご覧いただきありがとうございます。
トランペット奏者 / ピアノ弾きの末廣亜耶乃(すえひろあやの)です。
吹奏楽に熱心な学校の生徒さんがSNSで
顧問はスコアを見るようにしよう!とよく言ってくるけど、何をどう見れば良いのかぶっちゃけ分からない
と嘆いているのを偶然目にしました。
これ、言いづらいだろうけど同じことを思ってる人って結構いるんだろうな、と思ったので、何をどう見れば良いのかを記事にしたいと思います。
あくまでも自分の楽譜は少しは読める状態だけど、スコアの活用が初心者、という人向けのスコア活用方法です。
①同じ楽器の別のパートが何をやってるのかをチェックする。
トランペットであれば3パートくらいに分かれていることが多いですが、1stがメロディーで他はいつもそのハモリ!なんてことはなく、全く違う役割のこともあったりお休みの箇所が違ったりすることもあります。
逆にバシッと揃うところもあります。
そうしたことをスコアから読み取れる知識として知っておけると、リハーサルの時によりスムーズに音楽表現の部分で練習が進められ、息のあった良い演奏にたどり着くまでが早くなります。
※なぜ同じ楽器に限定しているかというと、スコアの場合は楽器ごとにキーが違う記載方法でまとめられていることが多く、別の楽器が何の音かが分からない問題で混乱するからです。まずはキーが分かりきっている自分の楽器からチェックすることが簡単です。
②自分と同じ動きをしているっぽい他の楽器を探してみる
敢えて「同じ音の楽器」と書かなかったのは、先程挙げた楽器ごとにキーが違う問題があるからです。
キーの理解と正確な音の把握は初心者には厳しいので、もっとスコアに慣れてからで全然問題ないと思います。
はっきりしたキーは分からなくても、リズムやアーティキレーション記号、音符の上下の動きの感じで「同じ動きっぽいかどうか」までは理解できると思います。
そのお仲間がいるのかどうか、いたらどの楽器がそれっぽいのかがわかると、合奏の時にちゃんと耳を向けられるようになるので音を合わせあうことがしやすくなります。
③自分の演奏する箇所の動きの仲間と思われる前後の別の楽器の動きを探してみる
吹く楽器全般そうだと思いますが、最初から最後まで休みなくずーっとメロディーを演奏し続ける曲って少ないです。
休みが挟まったり、別の楽器にメロディーが移ったり、伴奏の役割の音が入ってきたり、、、と役割が変化します。
自分の演奏する場所だけで内容が完結するのではなく、別の楽器の音楽を自分が引き継いでいたり、自分のメロディーを吹き終わったら他の楽器にバトンパスしたり、ということがよくあるので、その役割がどこにありそうか、、、を探してみます。
これは最初難しさがあるとは思いますが、自分なりの予想を立てて、合奏で音を出した時に予想通りだったかどうか、ということを色々な曲で試していくうちにレベルアップするものなので大丈夫です。
前後のつながりが見えた方が、特に合奏中に自分の音のイメージが掴みやすくなります。
④全体のリズムやアーティキレーション記号をチェックしてみる
もしかしたら③よりも簡単かも?
特定のパートだけでなく全体像を自分の分かる範囲の知識と照らし合わせてチェックしてみます。
例えば全員同じ長さで音を伸ばす場所を見つけたとしたら、そこは同じテイストで伸ばして同じタイミングで切るとかっこいいところ。
全員で動きがバラバラしている場所を見つけたとしたら、リズムを周りの音に左右されずに吹き切れるように練習した方が良いところ。
全員で揃ってフォルテと書いてあるなら、そこは音のスピード感を揃えてバシッと大きな音で。
スラーやスタッカートがそれぞれの楽器ごとに異なる表記で入り乱れているなら、なんとなくの感覚で合わせようとせず、まずは自分の役割になるスラーやスタッカートを的確に守って吹けるようにする。
1つ、2つでも何か発見があると、こうしたことをヒントに楽曲の全体像に予想を立てながら集中的な表現をイメージさせたチャレンジが可能になってきます。
「こうしたら良いのかも」という表現のヒントになるようなアイディアがあれば、どんどん試して表現してみることが大切です。
私が思うのはこれら4つ。
それ以上は最初からいきなり出来るようにとしなくて大丈夫で、この4つをクリアしている一歩先に進んでいる人たちの力を借りれば良い部分だと思います。
予想が当たったり外れたり、意見が人と合ったり合わなかったり、色々とあるとは思いますが、少し楽譜の読み方を知ってる、という状態で最初からパーフェクトな人っていません。
慣れないなりに今大切にしている楽曲を通してスコアに触れるチャレンジを少しずつしていくことが大切です。
それが自分なりの着眼点や音楽のポイント的なものを豊かに育てて、みんなとよりスムーズにシェアすることにつながります。
悩みのある方への参考になれば幸いです。
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