本・資料の概要

 

 

 

「子どもの才能は3歳、7歳、10歳で決まる!脳を鍛える10の方法」

林成之

幻冬舎

2010年12月31日

 

脳神経学の専門家が、子どもの脳の発達過程から、どのように子供と接すればよいかを解説。

専門用語は出てくるけど、分かりやすく書いてあるので読みやすい。

Q&A形式で書かれている部分は具体的なアドバイスがあって役立つ。

 

おすすめ度:★★★★★

内容:★★★☆☆

読みやすさ:★★★★☆

 

この本・資料を読んだ理由

英語教育やモンテッソーリ教育の本を読んで、

子供の成長に合わせて接することが大事だと学んだのですが、

「そもそも成長=脳の発達ってどうなってるんだろう?」と興味が湧いたので読んでみました。

 

この本・資料から学んだこと

〇育脳において大切なのは、脳のしくみにもとづき、「脳の本能を磨き」「心を育み」「機能を発達させる」ことを一体に考えて取り組むことであるといえます。そして、これこそまさに「社会の中で自分の才能を十分に発揮し、よい人間関係を築き、充実した幸せな人生を送る」ための子どもの脳の育て方である

〇脳神経細胞が集まり、組織を成すことによって生まれるのが「自己保存(好き嫌い、興味、危険性などを判断する働きの基盤となる)」「統一・一貫性(正誤、区別、バランスを取る、筋道を通す、一貫性が保てないことを避けたがる)」「自我(主体性を持って報酬を得ようとする、自ら達成しようとする)」 という3つの本能

〇本能は、前向きに働くこともあれば、後ろ向きに作用することもある。後ろ向きに作用する本能が重なると、理屈抜きで非常に強いネガティブな反応を起こしてしまう。子どもが強い拒絶反応を示すときは、状況をよく観察し、脳のどの本能が過剰反応しているかを考えてみること。原因を取り除くためには、①共感して子どもの仲間になること、②自分の経験を踏まえた対処法を例示すること、③子どもが「大丈夫だ」と思える環境をつくること、④自我の本能が生む自尊心を刺激すること、⑤最終的に子ども自身に「やってみる!」と言わせて自己報酬神経群を働かせること――の五段階が大事

〇脳の思考力を存分に発揮するには、子どもに時間をかけてじっくり考える習慣を身につけさせなくてはならない

〇子どもが才能を発揮できるようにするために、意識して鍛えるべきポイントは、「空間認知能(空間の中で位置や形などを認識する知能)」。積み木やブロックなどで遊んだり(逆に粘土は不向き)、はだしで遊ばせるとよい。

〇0~3歳までの3年間は脳神経細胞が増え続けるが、脳神経細胞数は3~4歳ごろにピークを迎え、その後、7歳ごろまでの間は減少する。間引き現象が終息すると、7~10歳以降、脳は脳神経細胞間の情報伝達回路を発達させていく過程に入り、やっと「大人の脳」になっていく

〇知識の詰め込みや難度の高い問題を解かせることは、デメリットのほうが大きい

〇脳の神経回路のベースがつくられる3~7歳の間は、脳にとって悪い習慣をやめ、よい習慣を身につけるという「脳の基礎づくり」にこそ注力すべき。目先の成果にとらわれて、知識をつけさせたり、無理に難しい問題を解かせたりすることはあまり意味がない

〇7~10歳以降の脳は、どんどん勉強してよい時期。ただし、同時に自己報酬神経群が発達していくタイミングでもあることに留意。自己報酬神経群は、「自分がやってやろうと思ったことを成し遂げること」に喜びを感じるので、親が先回りして「○○しなさい」などと指示をすると非常に嫌がるようになる。親が先回りをやめ、子どもに「自分からやりたいと思い、自分で成し遂げる」という経験を積ませ、子どもが自分から「ああしたい、こうしたい」と口にするようなコミュニケーションを心がける

〇育脳のステップは、①0~3歳で、脳の本能を磨き、「心が伝わる脳」を育てる、②3~7歳で、脳にとって悪い習慣をやめ、「勉強やスポーツができる脳」のベースを育てる、③7~10歳で、自ら学ぶ「本当に頭がよい脳」を育てる、④10 歳以降は、よい習慣を存分に活かし、「才能を発揮する脳」を伸ばしていく

〇育脳のポイントは、

 ・物事に興味を持ち、好きになる力をつける(プラスのレッテルをはることで脳の機能を十分に活かす)

 ・学校の先生など指導者を好きになる

 ・どんな話も一生懸命に聞く習慣を身につけさせる

 ・損得を抜きにして全力投球する素直な性格を育む

 ・否定的な言葉を聞かせないようにする

 ・子どもが難しいことに取り組む際は、課題や目標を明確にし、それをどう乗り越えて達成するかに集中させる

 ・目標に向かって一気に駆け上がる

 ・だいたいわかった」などと物事を中途半端にしない

 ・重要なことは復習し、繰り返し考える(効率は度外視する)

 ・自分のミスや失敗を認める

 ・人を尊敬する力をつける(親自身が他人を尊敬する力を身につけること)

 ・類似問題”〟 で判断力を磨く

〇0~3歳からぜひやっておきたいのは、子どもの耳を鍛えること。集中してものを聞く習慣がつくと、人の話にきちんと耳を傾けられるようになるので、「感動して聞く力」のベースが育まれるし、音に瞬時に反応できるのでスポーツに必要な反射神経がよくなる。耳を鍛えるには、「音階をきちんと聞き分ける」というトレーニングが有効

〇人間力を高めるには、小さいころにお母さんが赤ちゃんをかわいがることが非常に重要。たくさん愛情を注がれることで自己肯定感が育まれる

〇叱るときは、まずは子どもに共感を示し、なぜダメなのか、叱られるのかの理由を明確に説明すること。危険な行為に対して本気で叱るときは命がけのつもりで言わなければならない。しょっちゅう「ダメ!」と言っていると、子どもは「ダメ!」と言われることが当たり前になり、聞き流すようになってしまう

〇習いごとは、子どもが興味を持つものをやらせるのが第一。そのうえでお勧めなのは水泳やお絵描き。どのようなことにチャレンジさせるにしても、「お母さんと一緒に楽しむ工夫」を取り入れることが大切。

〇3~7歳はの時期は、「勉強やスポーツができる脳」の基礎固めを目指し、脳の機能や本能、心を鍛える際の妨げとなる「脳に悪い習慣」をやめることに力を注ぐ。「脳に悪い習慣」とは、

 ・物事に興味を持てない、感動しない

 ・無理、できない、大変など否定的な言葉を使う

 ・よく「後でやるよ」と言う

 ・集中できず、途中で違うことを考える

 ・だいたいできたところでやめる

 ・人の話を聞き流す

 ・人をバカにする、尊敬できない

 ・学んだことを確認しない

 ・自分が失敗したことを素直に言えない

 ・損得を考えて手を抜く

〇3~7歳の脳は、まだまだ発達途上で、心と本能のギャップが生じやすい。子どもがそのギャップにうまく対応できず、口ごもったり泣いたりしている時に、大人がむやみに責め立ててはいけない

〇子どもを叱るときは父親と母親で役割分担をし、片方が叱ったらもう片方は逃げ道になること

〇小さい頃から本を読んであげること

〇子どもに対して尊敬の念を持って親が接すること

〇子どもが自分から「やりたい」と言ったことは、きちんと続けさせること

〇7~10歳以降は、本格的に学習に励んでよい時期だが、子どもには絶対に「勉強しなさい!」と言わないこと。子ども自身がみずから勉強しないと脳がうまく働かない

〇この時期には、物事に取り組むときの順番を決める力を育ててあげるとよい

〇親が先回りせず子どもを後ろから見守るようにするため、親のいる居間などで勉強させるのはやめたほうがよい

〇大人は子どもがどんなに悪いことをしても、「ダメな子だ」というレッテルをはるべきではない。「一度は悪いことをしたけれど、あなたならこの難しい前提条件のもとでも立ち直ってよい子になれる」と言い続け、できたことをほめ、敬意を払って自尊心を高めてあげるべき。大人が正しい育脳を行い、悪い習慣を取り除くように導けば、どんな子もすばらしい子どもに育てられる

 

この本・資料から取り入れたいこと

〇0~3歳までは、たくさん子どもと接して愛情を注ぎ、かわいがる。裸足でたくさん歩かせたり、外遊びをしたり、音楽を聞かせたりする。
〇叱るときは、なぜ叱るのかを明確に伝える。子どもに共感を伝えるのを忘れない
〇3~7歳までは、本を読み聞かせたり、水泳を習わせたりする
〇子どもに尊敬の念を持って接する
〇子ども自身の「やりたい」気持ちを育み、尊重する。一度始めたことはやり通すようにする
〇7~10歳までは、できるだけ親が「勉強しなさい」と言わずに、自らやるように仕向ける工夫をする