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yamaguchi のできるかな。

未来の自分へ教えてあげたい馬鹿さ加減。

日曜日の朝。


小窓から差し込む

優しい光を浴びながら


同居人がゆったりと眺めているのは


競馬新聞。


yamaguchi のできるかな。


私たちはのんびり

競馬場に向かった。


久々の遠出に

うきうき行楽気分ではあるが

初夏の景色を楽しむゆとりはない。


データの見方を習う。


yamaguchi のできるかな。


はじめての競馬場。


片手に安酒。

耳には赤鉛筆。

鼻を赤くしたおっさんが

野次を飛ばしているような場所。


という

イメージは

一瞬で覆された。


綺麗だし広くて気持ちがいいのだ。


yamaguchi のできるかな。


マークシートになってる

用紙の書き方も教わって。


yamaguchi のできるかな。


馬券の買い方も覚えた。


yamaguchi のできるかな。


色々な予想の仕方があることも知る。


yamaguchi のできるかな。


馬が走りだした。


意外と走るの遅いもんだな。


と、応援しかけたら練習だった。


yamaguchi のできるかな。


レース前に

グルグル歩く馬を見てると

馬にも性格があるのがわかる。


やる気満々の馬よりも。


やる気なさそーな

馬の気持ちに共感を覚える。


yamaguchi のできるかな。


レースが終わって

不要になった競馬新聞は。


尻の下に敷くと良い。


yamaguchi のできるかな。


一度くらいは

当たるだろうから、と。


ソフトクリームやフランクフルト

お好み焼きは奮発して2枚も買った。


競馬より散財。


yamaguchi のできるかな。


結果全敗。


ふたりともこんな感じ。


yamaguchi のできるかな。


100円玉握りしめて

馬を応援するのは面白かった。


競馬のスリルは。


100円玉の枚数によって増してゆくのだろう。


私がムキになって

競馬に熱中することは


まぁないとは思うが。


3度当たったガリガリ君に

腹をこわすほどつぎこんで

負けが続いているくらいだから


過信は禁物。


勝ってたら危ない。


負けて良かった。


が。


楽しかったね。

また遊びにこようね。

ウマ可愛いかったね。


などと、何度も繰り返し

負けたくせに終始ゴキゲンだった私。


ニコニコ喜ぶ私に

同居人も嬉しそうに笑い


勝つともっと面白いよ。


と、ポツリと言った。


我々の住む杜の都に


競馬場がなくて良かった。


燃費の悪い車で2時間走って

わざわざ負けに行く必要はない。


シャトルバスが出ている。


ってことは


一応記憶にとどめておく。


yamaguchi のできるかな。


競馬場をあとにして


涼しい顔してスタスタと先をゆく

ピンと伸びた同居人の背中を追った。


でも良く見ると。


同居人の影は


猫背だ。


アラほらサッサー DASH!