心の底から「男」を愛したことはある。
愛だったのか恋だったのかはよく分からない。
けれど尊敬があったし、子宮が動く感覚も
心臓が燃える思いもした。
私は女性で恋愛対象は男性だと思う。
ただ「女」であることに囚われたくない
と感じる時がある。
一方で自分が持つ偏見やハラスメントを含む言葉を
発したことに気がついた時、とても動揺する。
人を傷つけてしまうかもしれない
傷つけたかもしれないことに心を痛める。
謝ったところで余計に傷つけるのではないかと
どうしていいか分からなくなる。
私は単に男性だというだけでからかうような
馬鹿にした態度をとってしまう時がある。
若い頃の両親はお互いを尊敬して
いなかったように感じる。
そういう感覚がべとりとこびりついている。
自分のことは棚に上げ
自分が気にしているからきっと
人の内にある偏見がとても気になってしまう。
ある人が、自分の職場で新入社員の半分が
女性だった年があるという話題で
「会社はよく雇ったなと思いました」
「ちゃんと働いてくれればいいのですが」
と発言しておられた。私にはその方の
背景が分からないので、発言の中身よりも
平気で発言している様子が嫌だった。
私は嫌われたくなくて自分の意見も言えなかった。
数時間の会話の内、ほんの一言二言だった。
それくらいのこと我慢しなければ。
イチイチ目くじらを立ててはいられない。
でもきっとこの嫌だという冷たい感覚は
私の心の中で静かに広がり
いつか心臓を氷で覆うのだと分かる。
私がもっと自分に自信があって
自分自身は理想に近く、差別も偏見もないと
胸を張って言えるようになったら
どんな相手をも導いたり意見をすり合わせたり
できるようになるのだろうか。
まずは自分の中の偏見をなくさなければ。
いつか解放される時が来るのだろうか。
私はとにかく自分に自信がない。
_________________________________________
映画 Moulin Rouge より
One Day I’ll Fly Away
written by Joe Sample and Will Jennings
I follow the night.
Can’t stand the light.
When will I begin to live again.
One day I’ll fly away.
Leave all this to yesterday.
What more could your love do for me.
When will love be through with me.
Why live life from dream to dream.
And dread the day when dreaming ends.