燕のいる駅
=======================================================土田英生セレクションvol.2 「燕のいる駅」2012年 5月18日(金)~27日(日) 三鷹市芸術文化センター ほか作・演出=土田英生 出演= 酒井美紀 内田滋 千葉雅子 土屋裕一 尾方宣久/中島ひろ子/久ヶ沢徹 舞台美術:柴田隆弘照明:葛西健一音響:堂岡俊弘衣裳:今村あずさ(SING KEN KEN)演出助手:陶山浩乃舞台監督:藤田有紀彦宣伝美術:西山英和・大塚美枝(PROPELLER.)制作:本郷麻衣・森川健太(三鷹市芸術文化振興財団)プロデューサー:垣脇純子・森元隆樹(三鷹市芸術文化振興財団)企画・製作:キューカンバー・(公財)三鷹市芸術文化振興財団=======================================================ビターな土田英生作品にヒリヒリ痺れながらも一縷の希望を感じられて少し救われる。初演は1997年だそうだが、今の日本をそのまま描いているかのようで驚く。(以下ちょっとネタばれあるかも?)劇場に入ってまず目を奪われるのは、客席の上部にせり出している、むき出しになった工場にあるようなパイプ。柴田隆弘さんのリアルで緻密な舞台美術は、それが作りものであることを忘れさせるくらい本物感があって素晴らしい。個人的にはいつもスクエアの舞台美術を楽しませていただいている美術家さん。舞台は駅舎なのに、なぜパイプ?想起させるものは・・・言わずもがなだろう。使われていた曲は歌声や曲の感じからしてハンバートハンバートだろう。知らない曲だった。なんという曲なんだろうか?ハンバート特有の、ちょっと異世界を漂っているような不思議な音楽が、お芝居の内容に合っていて心に残った。久ヶ沢徹さんの独特の存在感が、哀しくていとおしくて、よかった。真田役の土屋裕一さん、今まで見た中で一番素敵だったな。真田は最初登場したときは異様な人に見えたけど、話が進むにつれ実は一番マトモな人なんじゃないか、って思えてくる見せ方は土田さんの得意とするところで、それを土屋さんがとても自然に演じていた。千葉雅子さんのキャラには和まされる。千葉さんの間の取り方はちょっと落語っぽくて、テンポがよくて心地よい。どうでもいいことで申し訳ないけれど、内田滋さん演じたローレンコ次郎くんを、脳内で勝手に「老連虎 次郎」と変換してた…。