人と旅行をするときのリズムがわかってきた。相手が起きる時間を聞いて、その1時間10分前に起きればバタつかない。まあ、1時間前でもいいのだが、10分というのはプラスαの心の余裕だ。
私は髪が長くて、量が多くて、髪質がキシキシ・ゴワゴワしているなので、髪を乾かし切るのに時間がかかる。他人にはわかりにくい苦労なのだが、地味にしんどい。
ふつうの人の洗髪が「ハンドタオルを洗って乾かす」くらいの手間だとすると、私の洗髪は「じゅうたんを洗って乾かす」レベルの手間なのだ。
準備でバタバタして「ちょっと待って、ちょっと待って」と言わないためには、1時間10分前行動がスムーズなのである。
寝ている彼を気遣いながら、浴槽に湯を溜めて髪を洗う。ドライヤーに「しーっ」と言いながら髪を乾かす。スキンケアをして、メイクをして、タオルの数がちゃんと揃っているか確認して、荷物を整えて、忘れ物がないかチェックして、そこまである程度できた時に、彼がむっくりと起きた。完璧。
チェックアウト後、歩いて阪急梅田本店へ。ここの地下1階には「スナックパーク」なる立ち食い天国がある。ガッツリ系から小腹満たしまで、幅広いメニュー設定となっている。
きょうはここで阪神名物「いか焼き」を食べたかったのだ。北陸の催事にも出店していたのだが、10枚単位での販売でとても食べきれそうになかったので、本場で1枚食べようと思っていた。いか焼きの生地に卵を混ぜて焼き上げたのが「デラバン」である。デラックス版の略らしい。
私はほかに明石焼をチョイス。ほっちゃほちゃで、期待通りのおいしさだった。
彼はちょっと目を離した隙に「トラボール」なるお酒を持って、にやにやしながらやってきた。ウイスキーをジンジャービアで割ったハイボールらしい。
軽く小腹を満たしたのち、大阪から京都へ。京都駅ビルで電車の中で食べるものを物色する。ここで気になったのが豆狸(まめだ)の「いなりずし」。これまで寿司と言えば「海鮮」と思い込んでいたのだが、店頭で見た「いなりずし」が、どうにもこうにも美味しそうなのである。私たちはこのいなりずしを軸に、それぞれコロッケや、お菓子や、お酒など、電車の中も天国になるよう買い物を済ませ、サンダーバードに乗り込んだ。
スーツケースの上に置いた袋に「電車の中で食べるものたち」
さて、いなりずし。こんなに美味しいものだとは再発見だ。これまでいなりは、寿司詰め合わせの中の「はずれキャラ」だと思っていたのだが、「そんな風に思っていた自分よ、大馬鹿者め」と、𠮟りつけたい。
特に「いなり」に特化したお店のいなりだったからか、その味付けもバリエーションに富んでおり、だからといってどれも外すことなく完璧な美味しさを確立している。
「はぁ~ おいひぃ~」と、唸りながら食べた。
いなりの後は、スナックタイム
ゆっくりしたいところだが、敦賀駅で乗り換え。北陸新幹線が敦賀まで開業してから初めて関西方面に来た。乗り換えは少々面倒だが、やむを得まい。
敦賀駅で北陸新幹線を待っていると、虹が見えた。穏やかな旅だったなぁ…と改めて思う。食べたいものを食べて、気になることはやってみて(主に変なガチャなど)、互いの息遣いや疲れ具合などを気にしつつ、マナーを守って旅をする。彼といると私はとても楽だ。そして彼も楽そうだ。(たぶん・・・)
いなりずしで食欲に火がついた私は、新幹線の中でコロッケにも手をつけようとした。彼は「それはおうちに帰ってから、トースターで温めた方がおいしいよ」と言ったが、私は「冷たくてもいいが。今食べたいが」と言って、トリュフ香る6種のきのこのクリームコロッケをたいらげた。(おわり)










































































