大きな音

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夕方、ガタガタと大きな音が
外から聞こえてきました。

なんだ?

何度も続きました。

ガチャンガチャンと、叩き壊すような音も。

ハッとして、外へ出ました。

やっぱり…

うちの玄関前に大きなトラックが止まっていました。
お隣の家から、あらゆる物が外に出され
次から次へと壊されながら積み込まれていました。


少し前に、庭の木々も
ヴィーンヴィーンという、けたたましい音と共に全て切られ。

生前、奥さんが大事に大事に手入れしていた
あの庭は見る姿もなくなってしまった。

やり切れない気持ちのまま、
ロードレース練習からお腹を空かせて帰ってくる次男を思いながら、夕飯の準備を。

「ただいま〜」の声と共に
「ママ、凄い音がするね。」と、
外のことを知っているか?と私に確認しているかのようでした。

ガタンガタンと大きな音がする度に
ガチャンガチャンと壊す音がする度に

「クリスマスはキラキラキレイなの見せてくれたのに、なんかさみしいね…」と次男。

しばらくして、夕飯も完成した頃。
旦那さんも帰宅。
外の様子を、
いよいよ始まったと確認して…。


家族で囲むご飯の時間。

お隣の奥さんは、
私が一宮へ嫁に来て、
子供を産み育てる中で、
家族に似た存在の人でした。

時には母のように諭してくれて
時には親戚のおばさんのように頼りになって
時には子供のように楽しいことをして
時には、私の息子達の友達のような存在で

家族って
夫婦って
子供って
子育てって

植物のこと
美味しいもののこと
いっぱいいっぱい話をした

もう何年も経って
まだ私の中にやり切れない気持ちがあるのは
ちゃんとサヨナラを言ってないからだ…と、
今更、わかる。

奥さんが、奥さんなりに大事にしてきたもの。

家族が壊れてしまうのに
あまり時間はかからなかった気がする。

「答えは後で出るからね。」

家族として向き合って
夫婦として向き合って
子供と向き合って

自分自身と向き合って

その答えは後で出る。

だから、私もご飯を作る。
ちょっと手をかけて、
奥さんみたいにご飯を作る。

レンコンと人参と、みじん切りにして。
鶏胸肉をミンチにして。
レンコンハンバーグを作って。




大根は片栗粉をまぶして揚げる。




顔を見て、「美味しいね」って伝えあう。


もう、何も残らなくなってしまうの?って
悲しくなった時。
旦那さんが言った。

「うちのモッコウバラだけが残ったね」

すごくあったかい気持ちが戻ってきた気がした。

「空の上から見てるかな?」次男が言った。

見てるよ、きっと。

これからも、うちの庭で咲くモッコウバラも
ちゃんと見ててくれる。

私も大切なものを大事にしていく。

「答えは後で出るから」♪