小さな発見を楽しむ日常と、パーツ選びのこだわり
最近、稲沢市に行く機会があって、改めて「地元の穏やかさっていいな」と感じた。尾張大國霊神社、通称「国府宮」のあたりを歩くと、空気がどこか澄んでいて、歴史がゆっくり流れているように思える。あの楼門の前で深呼吸すると、不思議と肩の力が抜ける。帰り道、ふらりと立ち寄った食堂で食べた「稲沢カレー」が意外と本格的で、スパイスの香りが鼻に抜ける瞬間がたまらなかった。ルーが少し甘めで、地元野菜の優しい味わいが口いっぱいに広がる。思わずおかわりしそうになったけれど、午後から予定があったので我慢。それでも、「次はあの店の別メニューを試そう」と頭の中で計画を立ててしまう。稲沢といえば、祖父江町のイチョウ並木も印象的だった。一面が黄金色に染まる道を歩くと、時間が止まったような感覚になる。風が吹くたびに銀杏の葉が舞い落ちて、足元でカサカサと音を立てる。スマホを取り出して写真を撮ろうかと思ったけれど、やめた。あの瞬間の空気感は、レンズ越しよりも、自分の目で焼きつけた方がずっといい。実は最近、趣味の整備にもハマっていて、家のガレージでちょこちょこいじっている。工具の音やオイルの匂いって、どこか落ち着く。気になるパーツを探す時間も楽しいけれど、ネットで見つけた掘り出し物の中古パーツをどう再生するか考えるのがまた面白い。ちょっとした錆を落として磨く作業は、まるで古い楽器を手入れしているような気分になる。新品を買うのもいいけど、使い込まれた部品に手を加えて再び動かす瞬間の喜びは格別。ある日、友人が「古いパーツって捨てるのもったいないよな」と言い出した。確かに、まだ使えるものも多いし、状態が良ければ買い取りしてもらえる。特に稀少なパーツなんかは、探している人が必ずいる。そう考えると、ガレージに眠っている部品も立派な“資源”に見えてくる。動かなくなった部品でも、磨けばバイクパーツの買取サービスなどでまた誰かの手に渡って、次のストーリーが始まるかもしれない。帰りの道すがら、祖父江の銀杏並木をもう一度通った。オイルの匂いがまだ指先に残っていて、風の中にほんのり銀杏の香りが混じっていた。手にしているコーヒーの温もりと、夕方の柔らかい光。そんな何気ない瞬間に、整備の時間や街歩きの楽しさがひとつにつながっているように感じた。稲沢で過ごした一日は、ただの小旅行じゃなく、自分の趣味と向き合う時間にもなった気がする。