実家
仏壇
母が亡くなって仏壇に手を合わせることが以前より増えたけど
この中に母はいない
ここに飾られている写真の母はとても綺麗で
つい手を合わせるけれど
母はどこにいるのか
母が生前やっていたように
朝起きて仏壇のお水を変える
お線香をあげる
母のため祖父母のためにとやってみるけれど
なんとも不思議な感じ
お線香の煙の向こうの写真に母はいる
わたしは母のためにお線香に火をつけ
火を消し煙を立たせ
手を合わせる
ああ 母はもういないんだ
と実感させられる
それでも実家に帰るとこの作業を毎日繰り返す
母は喜んでいるのかな
悲しみながら
不思議に思いながら
お母さんはいなくなったんだと
打ちのめされながら手を合わせていること
母には分かってしまっているのだろうか
お母さんはわたしの中に
父の中に
孫たちの中に
この仏壇の前じゃなくても
どこでも目を閉じればいるんだ
お母さん