得点力不足より守備の崩壊
J1神戸は三浦監督を解任した。
その理由というのが、5戦未勝利プラス3試合連続無得点という得点力不足だという。
確かに、今シーズンの神戸の成績を見ると、1試合あたりの得点数は0.95とJ1に昇格した2007年から今シーズンまでを比較すると、今シーズンの悪さは明らかだ。
シーズン | 平均得点数 | 平均失点数 |
2007 | 1.71 | 1.41 |
2008 | 1.15 | 1.12 |
2009 | 1.18 | 1.41 |
2010 | 0.95 | 1.45 |
しかし、それは今に始まった事ではなく、昨シーズンからそうである。昨シーズン途中に就任したが、その前後の成績を比較しても、その傾向は明らかだ。
2009 | 平均得点数 | 平均失点数 |
就任前 | 1.25 | 1.65 |
就任後 | 1.07 | 1.07 |
年間 | 1.18 | 1.41 |
だが、そもそも三浦監督は、組織的な守備に定評があり、神戸側もそれを承知で招聘したはずである。事実、オフィシャルサイトのプロフィール には、「堅守」などと書かれており、昨シーズンの上位5チームの平均失点数は1.16と三浦監督就任後の神戸の数字の方が優れている。
つまり、彼を監督に据える事は得点力不足を覚悟しているはずだから、それを理由にするのはいかがなものだろうか。
それに失点数も昨シーズンよりも悪いうえに、1.45という数字は過去数シーズンのリーグ下位5チームの平均失点数と同じくらいの悪さである。
なので、彼を解任する理由としては、「得点力不足」よりも、「守備の崩壊」にするのが適切だろう。
とはいえ彼の解任に反対というわけではない。
むしろ賛成であり、個人的には今シーズンは攻撃に定評がある指導者を加えるべきだったのではと思う。