クラブの資質が変わる | 杉浦文哉オフィシャルブログ「スポーツライターは現場でしょ!?」Powered by Ameba

クラブの資質が変わる

日刊スポーツの記事 によれば、来年度からJリーガーの国内移籍が完全自由化されることがほぼ決定らしい。

移籍の自由化と言っても、好きなときに勝手に移籍できるというわけではなく、これまでのJリーグ独自のルールから国際ルールに変更するということ。

現在のJリーグのシステムについては省くが、ザックリ言うと、契約期間が過ぎても移籍リストに掲載されなければ、選手は自由に移籍ができない。つまり、契約期間が過ぎても契約は切れないというようなものである。

プロ野球が似たような感じだから、それに習ったのかもしれないけれども、このルールで結構揉め事は起きていた。話題になったのは中田浩二(現鹿島)が鹿島からマルセイユ(フランス)へ移籍したときでしょう。

この移籍の自由化になるとこれまでのJリーグのクラブは体質改善が求められる。

まず、契約期間。
これまでのシステムならば、クラブ側は選手とは1年契約で十分であり、年末にその選手に残ってもらいたければ契約更新すればよいだけだった。悪い言い方をすれば、クラブ側は選手に、「来年も契約してやるよ。嫌だったら別にいいけど、こっちは契約更新したい意思があるから移籍リストには載せないよ」という事になる。(これは極端な例なので、参考にしないでくださいね)

つまりクラブ主導型だった。しかし、これが新システムとなると、クラブ側は引き止めておきたい選手や将来性が豊な選手には前もって複数年契約をしなければならない。なぜなら、単年契約では年末の移籍交渉で選手側から、「このクラブではやっていけませんので契約を更新しません」と言われてしまえばそれまで。晴れて契約期間が終われば、選手はクラブを去り別のクラブへ移籍してしまう。そしてそれまでなら発生した移籍金も入ってこない。

例えば、08シーズン開幕前に羽生直剛(FC東京)、佐藤勇人(京都)、山岸智(川崎)など選手が大量移籍したジェフユナイテッド市原・千葉には多額の移籍金が入ってきた。それがこれからは入ってこなくなる可能性があるのだ。

そうさせないためには複数年契約をしなければならないのだが、複数年契約ということは、選手側は契約年数に応じて毎年の昇給を望むだろう。選手が活躍するしないは水物だが、先行投資をしなければならなくなり、クラブ側にはこれまで以上の予算と選手を見極める眼が求められる。

そうなると、優れたGMやテクニカルディレクターが求められるわけで、彼らに支払う給料も当然のことながら高くなっていく。

クラブにとっては苦しい話ばかりだが、これによってお金があるクラブは移籍で積極的に選手を獲得できるようになり、逆に言えば、予算が苦しいクラブは可能性のある選手を青田刈りするか自前で育てなければならなくなる。

となると、今後クラブは「金で選手を揃える」クラブと「選手を売って金を得る」クラブの2極化になる可能性が高くなり、優勝争いに参加できるのは前者の数クラブに絞られていくだろう。

まるで今のプレミアリーグやセリエAのように。



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