歌うことを幸せだと感じた。
何故だろう?
特に誰かが傍で聴いてくれているわけではない。
だが、歌うだけで幸せを感じる…。



「あなたへのプレゼント」
「………!?」

マリア……。
僕へのプレゼント?

「そうよ。あなたが幸せになれる為のプレゼント。」

幸せに……なれる?
幸せになれば、マリアは喜ぶ?

「えぇ喜ぶわ。あなたは幸せになるべきなの。」

僕の愛しいマリア…、なら僕は歌うよ…。

「激しく美しく孤高に歌うのよ、Aya.…。私の愛娘…。」











きっとマリアは少し、嘘をついているような気がした…。

END:countdown 5
「あー、つまんねーつまんねーつまんねー!!」

長い髪、金色の髪。
細い腕、白き肌。
銀河を生み出した神。

「マリア」

「あーあ…、なんでこうも面白くならないのかしら…。人間を生み出すのは良いけれど、なかなか思い通りにならないのが恐ろしいわねー…。」

常に人間を生み出し、常に人間を消している。

どんな人間を作りどんな場所にどんな形で生み出すのか、全てマリアが決めている。

しかし彼女は無慈悲ではない。
強く思う人間、祈りを強くする人間。
そういう人間には、願いと希望を与える。

「んー…、この子、強く思い祈っているわ…。そうね、叶えてあげる♪」

幸せになるかならないかは、祈りを捧げた子次第。
マリアなりの幸せ、マリアが楽しくなるように周りの人間を動かす。

それを無慈悲と呼ぶ人間もいれば、無慈悲ではないと呼ぶ人間もいる。






僕はどちらとも言えないだろう。
人間という形で生まれてきて、辛いこと悲しいことは沢山あった。

だが、楽しい、幸せだと思う気持ちが無かったわけではない。

マリアから感情を貰い、目、鼻、口、耳、手、足、心臓…。
人間の全てを貰い、生まれてきた…。

でも複雑な気持ち。
そう、矛盾という気持ち。
それが白と黒の意味なのかもしれない。


「もっとも愛し憎むべきヒト…。」




「もっとも愛し大切なAya.…。あなたはずっとずっと、私の愛娘…。」

マリアは笑う。
今日も、笑う…。

END:countdown4
朝になる。
また同じような1日が始まる。
彼女はまた、影で意味のない涙を流す。

夜になる。
孤独を感じ寂しさを覚え、自問自答の繰り返し。



「何故」と、誰に聞いても答えは真実としては返ってはこない。マリアに聞かねば解らぬこと。

人間に聞いたところで、マリアは意地悪く人間の口から発せられる言葉を自由に変え惑わせる。

結局世界とはなんなのか…。
マリアとはなんなのか…。
僕には解らないままだった。

しかし、

マリアは僕を人間の形として生み出し、人間に真実を伝える為に僕は生きている…。

…………………?

何故僕を人間として生む必要があったのだ?

真実を伝えたいのなら、マリアが直々に地上に降り立ち言えば良い…。

…………………?

人間はマリアの手中にあり、マリアは人間を玩具として遊んでいて、人間はそれに気づかず生きていて、感情はマリアから頂いた唯一の幸せだが傷つき泣き悲しむこともあり、生きているという事はマリアに遊ばれているという事になるのか…。







僕も周りと同じ……、人間ではないか…。

END:countdown 3