はじめに
EBiDANの長男グループ「超特急」がリリースした、「LessonⅡ」の歌詞考察をやります。また来たよ、「なんで今さらこの曲やるんだ」シリーズ。私がやりたければやる、やりたくないならやらない。ただそれだけ。詳しくは後述ですけれども、これクラシックからの借用があるとのことで、クラシック音楽も好きな私にとってはとてもやりがいを感じる曲。
※今回は比較対象として少しM!LK(M!LKファンのため)が入る場合があります。悪意はありませんので、ご了承を。
※なお、あくまでも個人的な見解です。そのため、異議は申し付けておりません。ごめんなさい。
◯全体的な感想
え、超特急だよね(当たり前)。バッタマンみたいな、トンチキソングしか知らなかったから(そんなことを言いつつ、トンチキとはかけ離れたジャンルにいるMy Buddyは流石に知っていた)、なんか衝撃的と言うか。M!LKの「イイじゃん」とはまた違う意味で、顎が外れた(イイじゃんに関しては、トンチキが過ぎる)。話を戻すと。ふと感じたのは、「これってクラシックから拝借してきたやつかな」というもの。イントロから、クラシックで使うような楽器(弦楽四重奏系のなにか)がよく出てきてた。「どっかで聞いたことあるな」とか思っていたけど、ピンとこなかった(サンプリングじゃなかったから分からなかった。流石にそこまで優秀なクラシックオタクじゃない)。探りを入れたら、カルメン組曲のハバネラをちょっと借りてきた、とのこと。なるほどね、だから「愛は野の鳥」とか言ってんだ。なんとなく、腑に落ちた。しかも、Bメロあたりとか、めっちゃハバネラ。その部分、歌詞的にはそうでもないけれど、バックの音って言ったらいいのかね、そこがハバネラ。間接的に言えば、歌詞もハバネラ(というかカルメン組曲)らしさを感じる可能性は大いにある(まだ歌詞考察やっていないから断言は避ける)。
超特急のエロティカ、ね。M!LKの色気曲の代表格と言ったら、「Kiss Plan」、あるいは「Labyrinth」か。その同系列と言ったら何だけど、「Bad Lair」とかも同じジャンルだと思う(Bad Lairは少しかっこいい要素の方が強い気がするから、同系列としていいのかわからないが)。この3曲は、表現の仕方が適切かどうかは分からないが、端的に言えば「王道のJ-POP要素が強い色気曲」。対する超特急(LessonⅡ)は、これこそ適切な表現じゃない気がするが、「クラシック音楽特有の泥沼恋愛」の体現みたいな色気。あまりにも良すぎて(好きすぎて)、「そっか、流石だな」みたいな、浅すぎる(語彙力を失った)感想しか出てこない。
歌詞考察、タイトル考察に行く前に、ハバネラについて触れておこう。あくまでも、話を潤滑に進めるための、予備知識として。ハバネラというのは、オペラの中でも1,2を争うほどの人気演目である、「カルメン組曲」の第一幕にある曲。ホセという男を誘惑するシーンで、カルメン(主人公)が一人で歌う、通称「アリア」と呼ばれている曲(アリアとは、オペラ歌手の腕の見せ所となる楽曲のこと。ここでは、カルメン役のオペラ歌手の腕の見せ所となる曲)。ハバネラは、別名「恋は野の鳥」(ハバネラの冒頭の歌詞より)と言われている。半音階ずつ下がるメロディーが特徴的で、ピアノで独奏しようと思うと、リズム感がつかみにくい曲(私が苦手なリズム感というだけ)。歌詞はすべてフランスの言葉だが、舞台はスペイン。だから、日本では、カルメンに惹かれる男を「ドン・ホセ」と読んでいる(スペイン語読み)。ただ、実際の歌唱時(カルメン組曲披露時)では、「ドン・ジョゼ」と読んでいる(こちらはフランス語)。原曲に忠実に行きたいし、フランス語とかイタリア語を読むのに慣れている(クラシックピアノを習っている際に読み方だけ自然習得した)私にとっては、日本では「ホセ」と読んでいることがどうしても受け入れられない(その情報いるのか)。ハバネラのテーマ的なことを言うと、「恋というものは気まぐれですよー」みたいな感じの曲となっております(急に雑)。
◯歌詞考察
タイトル考察については、歌詞考察が終わってからやります。一番最後にやったほうが良さそうな気がするから。だから、気になった部分をいくつかピックアップしていこう。全体的に見て、最初に断りを入れておくと、この話は「禁断の恋」をテーマにした不倫話ね。女性が一人(以下、女主人公)。それから、女性の結婚相手となる男が一人(以下、旦那)。最後に、女性に遊ばれている男が一人(以下、男)。ここでの不倫は、「旦那との関係が冷めきっているから、別の男に乗り換えよう」(いわゆる「いつの間にか、本命は不倫相手になっていた」というタイプ)なのか、「旦那に嫌われているの、さみしいな。腹いせに不倫してやろう」(いわゆる「男はいつになってもただの遊びで、あくまでも本命は旦那」というタイプ)なのか。それはきっと「歌詞を読んで好きに解釈してくれ」といった感じだと思う。だからこそ、ここでは敢えて触れないでおく。それでは、本題に行こう(急過ぎ)。
①「愛は野の鳥 誰も飼い慣らせない」
ここですね。カルメン組曲(ハバネラ)から引っ張ってきた歌詞。先ほども触れた「恋は野の鳥」の引用。ほぼパクリですね(著作権には引っかからないからパクリだろうとなんだろうと一ミリも気にならないけど)。この言葉、ハバネラの歌いだしなんですよ。ここから持ってきたのか、すごく良いね。で、結局何が言いたいのか、というと。「愛は野の鳥」の後に続く、「誰も飼い慣らせない」という歌詞まで見てみる。この歌詞には、「自由に行こうよ」という感じがある。まぁ、鳥って自由に生きていそうじゃん(特に野生の鳥)。だから、恋愛もおんなじ感じで行こうよ、みたいな気安い感じで恋愛(と言う名の不倫)を楽しむ、という話かな。カルメンがそうであったように。当たり前、と言われたらそうなのだが、この辺は引用元となったハバネラに忠実である気がする。
②部屋に二人 触れ合ってTouch&Quick
この歌詞は、男女の不倫(特に二人でホテルかなんかの一室に入った瞬間)を表しているみたいだね。かといって、「イケナイコトしちゃった、いいよね」みたいな感じ(余裕のある感じ)ではなく、「え、どうしよう、バレないかなみんなに」みたいな感じ。「当たり前でしょ」と言われたらそうなのかもしれないが、「不倫」という事実に余裕を持っているわけではなく、悪い意味でドキドキしっぱなし。ちゃんと悪いことをしている自覚はある、的な。「早く行為を終わらせないと」みたいなある意味義務的な作業。なんとなく、そういうことの現れじゃん、と思った。
③息を殺して 攻防戦
ここ、完全に行為中の描写だよね。しかも、「息を殺して」と表現するあたり、「やっぱり、不倫がテーマなんだな」と思った。「息を殺す」とは、呼吸を潜めて、静かにしている様子のことを指す。「不倫=だめなこと」という定義を知っているから、不倫をひけらかすことはできない。「不倫」をしてしまった罪悪感というか、なんというか、さっきも言ったけど不倫している割には(不倫しているからこそ、かもしれないが)すべての行為が「作業的」である。それがよく現れている。
④目を閉じtell 君の体温 また a little bit 頂戴
まぁ、男が「女主人公のお遊び不倫」に満足するわけもなく(ここでは、女主人公のお遊び不倫ということにしとく)。男は「僕は、あなたのことがこれほど好きなのに」みたいな感じになってる。何故なら、女主人公のことが本気で好きだから。それ以上も、それ以下も無い。男はきっと、女主人公のすべてを欲している。ここで注目するべきポイントは「a little bit」という表現だ。ついさっきも言ったが、男は女主人公のすべてを欲している。それなのに「a little bit」(「若干」を意味する熟語)を使っている。欲にまみれた男だ。「少しでいいから、あなたのことを教えて」とか言いつつ、最終的には、女主人公の全てを知ろうとしてる。それだけ、魅力的なのか。こんなはずじゃなかったのにね、男からしたら。この辺もやっぱりホセっぽいな、と思う(カルメン組曲の話です)。
⑤愛してしまった
確か3番くらいに出てくる歌詞。ここまで来たら不倫を肯定しよう、という感じになってしまったのかな、と思う。じゃなきゃ、「してしまった」なんて表現、しない気がする(作曲するときの主メロを作るときの字数合わせ(という表現があっているかはわからないが)問題もあったうえで)。細かいことは後述するけれど、ここには「しょうがないよもう、行くところまで行っちゃったじゃん、俺ら」みたいな感じがある。なんというか、最初は「不倫だよね、だめだよね」みたいな気持ちを持ったうえでの不倫。一応と言って良いのかわからないが、「一応」罪悪感はあった。この歌詞まで来ると、「いやー、不倫って良いね」みたいな(なんか違う)。何が言いたいのか、というとただの「作業」としての不倫ではなく、気づいたら本気で好きになったよ、みたいな(ただし、男側限定とする←ここが今後のLessonⅡを語るうえで大事になるポイント)。
⑥サビ前の歌詞について
一番、「Close」。二番、こちらも「Close」。そして最後に来て、「Love」。素晴らしいね(誰だよ)。恋愛曲なのにも関わらず、直接的に「好き」(英語だけど)という言葉を使ったのは、最後のみ。追加で、その前の歌詞も遡ってみるね。そこまでやらないと、この歌詞の本質に気が付かないと思うから。一番、「言葉はいらない」。そして二番、こちらも一番と同じくして「言葉はいらない」。そしてそして、最後の最後で「高まるボルテージFirst time」。あくまでも女性視点で、「不倫というものを楽しんでる感」を全面に出している(と感じた)一番と二番。この辺は、不倫してるから、女主人公が男に対して「喋んなよ」みたいな。行為が完全に女主人公が旦那に対して抱いた悲しみ(あるいは旦那に対する別の負の感情)を埋めるための「作業」となっている。これこそ、ハバネラ組曲の描写のうちの一つだと感じた。3番に来て、急に男視点に切り替わり、「もう、落ちるところまでは落ちたんだから、もはやどうでもいいや」みたいな、ある一種の諦めというか。一応本気で好きになってしまったからこそ、ある意味、不倫という行為を正当化するような。なんかさ、「恋に奥手だった男が不倫によって暴走!?」という感じになったのかな、と思う(実際ハバネラでもホセがそうなっているし)。男はどんどん暴走していく一方で、女主人公には、未だに「遊んでやっている感」を感じる。暴走している男をどうやって手懐けようか、みたいな。カルメン組曲では、最終幕でハバネラはホセではなく、闘牛士の男「エスカミーリョ」を選ぶ。そして、ホセは、「すでに自分は恋愛対象外である事実」に怒りを感じて、ハバネラを刺殺してしまうところで話は終わる。もちろん、「ハバネラからの借用」とのことだから、カルメン組曲最終幕までのことは考えてないだろうが。そういうことを踏まえての描写かな、と思う。
◯タイトル考察
「LessonⅡ」とはなにか。もっと細かく言うと、ここでの「Lesson」とはどんな意味で使われているのか、そして、「Ⅱ」とは何に対する2なのか。これらを考えようと思う。
まず最初に。「Lesson」とは、授業や、教訓、叱責など、いろんな意味がある(こちらを参照してください:Lessonの意味)。私としては、「教訓」という意味で使われてほしいな、と思っております(願望が出てきちゃった)。男性側としての「教訓」、それから女性側としての「教訓」。両面の意味(厳密に言えば両面の意図)があると思っている。では一体、男性側の「教訓」とは何なのか。それは、「人間を支配してもいいことねぇよ」みたいなことだろう。全体を通して、歌詞には男が女主人公を一方的に好きになってる感がどうしても否めない。好きすぎるからこそ、逆に女性を支配しそうになる。それは、いわゆる「狂愛」的なもの。そういうストーリーが見えなくもない。というか、ハバネラを借用しているのであれば、「こういうストーリーであって欲しい」という願望も少しある。それを踏まえたら、「人間を支配することを禁止する」という教訓だと考えることが妥当だろう。
逆に女性側の「教訓」とはなにか。それは、「気安く不倫すんなよ」みたいなこと。愛の形として「不倫」があること、そして、エンタメ(ドラマや楽曲のテーマ)として「不倫」を扱うことは否定する気は無い(私の中では)。ただ、倫理的にはアウトなんだよね、不倫。だから、現実的に世の中の人は、不倫する人を見ると幻滅する。自分の身近な人が不倫したことを知ったり、芸能人の不倫報道を見たりすると、「この人嫌い」みたいな、腹黒い感情が生まれる。そういう人が多いからこそ、「教訓」として女性に「不倫はだめ」としておく。
そして最後に、「LessonⅡ」の「Ⅱ」はなにか。それについて考えてみる。私の個人的な見解としては、「LessonⅡ」は、ハバネラを借用している(あるいはそれを匂わせるような歌詞の描写があると思っている)、という部分に着目するべきだと思う。カルメン組曲の主人公であるカルメンは、恋愛大好きで、世の男性たち(?)を振り回してたんですよ。これに、今回の登場人物たちを当てはめてみる。私は、この歌詞は不倫をテーマにしている、といった。そして、登場人物は「カルメン枠の主人公である女性」と、「その女性の結婚相手」と「女性の不倫相手」の三人。そして、この女性は、いい具合に不倫相手を振り回しているのでは、と思うんですよ。ということは、過去に「LessonⅠ」となるような、なにか(不倫に代表される、恋愛においてなにか教訓となるようなもの)を経験した上でもう一度同じような過ちをしたのか、はたまた別の男に乗り換えてもう一度同じような経験(=不倫)をしようとしているのか。それはわからないが、「してはいけない恋愛」を楽しむ中毒性に女性はハマっているんだ思う。だから、Lesson「Ⅱ」となっているんだと思う。それから、男性側の「教訓」と女性側の「教訓」、と言った具合に「lesson」という言葉の意味には二面性がある、と言った。だから「2」なんだと思う(言いたいこと、伝われ)。