１．地方と東京のお店の違いについて

東京には、数多くのお店があります。

その種類は多岐にわたり、地方の都市よりも個人商店がたくさんある印象です。

なぜならば、東京は人口が多く、個人商店が生き残りやすい環境にあるためです。

なぜ、東京では個人商店が生き残りやすいのか、それを説明するために、まず九州にある僕の地元の状況について話します。

僕の地元の九州では、郊外にできたショッピングモールが人々の生活の中心となっています。

なぜならば、ショッピングモールには巨大な駐車場があり、そこに行けば生活に必要なものが手に入るからです。

毎日の通勤でも車を使う僕の地元は、完全に車社会です。そのため、利用しやすい駐車場があることが重要なのです。

また、同時に「駐車場がある」のであれば、少し遠いところからでもお客が集まってきます。

「駐車場の広さ」こそが、地方における集客力の最大値となっているのです。

そして、その駐車場に見合う巨大なお店がショッピングモールなのです。

それに対して、車を停める場所が乏しい駅前は廃れています。

駅前の商店街はシャッター街となって久しく、街の中心部とも言える場所にあったデパートは軒並み経営難の状態です。

そういった事情があるため、前日僕が実家に帰った際に行ったお店は、家の近くにある「駐車場のある」ドラッグストアとスーパーマーケット。そして、郊外のショッピングモールの３店でした。

駅前に行ったのは、行き帰りの電車に乗るためだけであり、駅前での買い物などは一切しませんでした。

これが地方の状況です。

２．「交通の便」「地価が高いこと」「人口密集」＝東京の特徴

ここでポイントとなるのが、「交通の便」「地価が高いこと」「人口密集」の３つです。

地方は電車やバスよりも、車で移動することが多い社会です。

一家に１台の車があることが当たり前で、どこに行くにしても車を使っての移動となります。

そのため、「買い物をすること」と「駐車場があること」はワンセットなのです。

しかし、電車と地下鉄が張り巡らされていて車を停める場所を確保できないほどに家やビルが密集している東京では、車を持つことがデメリットです。

車があっても使い道がなく、乗る機会がありません。また、車代もかかります。

さらに、車で移動をして買い物をしようにも、駐車場がありません。

そして、ある程度車も多くあるため、渋滞に巻き込まれる可能性があります。

その上、東京は道が狭く、一方通行の道が多くあるため、熟練者でないと車を便利に使うことが難しいのが現状です。

こういった事情から、多くの人の移動範囲は徒歩か自転車で行ける範囲の場所となります。

その結果として、住宅地の中にある小さな店舗にも人が来る環境ができているのです。

人口の密集と電車による交通網が、個人商店が生き残る道を与えているのが、東京都心の現状だと言えます。

３．人に愛される「地元密着型」のお店が生き残っている！

そんな中で、生き残るお店の条件として感じていることがあります。

それは、生き残っている小さなお店は「地元密着型」が多いという点です。

地元の人に愛されているお店、といった方が正しいかもしれません。

個人商店となると、そのお店の店主さんと地元の人は知り合いです。

そして、地元密着型で愛されているからこそ、近くの人達がそのお店に行くようになるのです。

そのため、東京の中でも意外なほどに駅から遠い場所にあるお店などは、地元密着型で愛されているお店が多いと思います。

実際に僕も、そういったお店をいくつも見てきました。

店内に入ると地元の人がいて、次々に地元の人が訪れるお店。

そんなお店では、店員さんと地元の人が挨拶をして楽しそうに世間話をしていました。

それも、とても仲の良い人同士でする日常会話を、です。

いかに個人商店が生き残りやすい環境にあるとはいえど、その地元の人達に受け入れられていなければ、個人商店は生き残ることができません。

逆に言えば、今生き残っているお店は、地元の人達に愛されているということです。

地元の人達との関わりがあり、地元の人達のコミュニティに受け入れられているからこそ、個人商店は生き残っていけるのだと思います。

４．さいごに

今日は、田舎と東京の店舗の方向性の違いと、東京の個人商店が生き残っていける理由について考察しました。

書いていると、新たな発見があり、非常に楽しくなりました。

そして、書いてみて気がついたのですが、やはり田舎と東京とでは明確に環境が違い、店舗の生き残り戦略も多きく違うと感じました。

しかし、そうだったとしても、生き残る上で大切なのは、そこで働く人の意識だと思います。

良い働き方をする人がいるお店だからこそ、人は利用しようと思います。

もしお店を作るとしたら、人に愛されるお店づくりをしたいと思います。

地方と東京のお店の違いと、生き残るお店の条件の考察