Do You Remember Rock'N'Roll Blog? -27ページ目



6/11全編BOφWY復興支援ライブ氷室京介@東京ドーム



子供の頃、「21世紀」というキーワードは、とても遠い未来のことのようで


21世紀になると、車は空を飛び、タイムマシンで過去と現在、未来を行き来して


ロボットと共存するような、SF映画に出てくるソレを想像していた。




だけど、21世紀も11年経った現在(イマ)は、そんな想像とは程遠く


国民を危機から守ろうともしない、自らの利益を最優先にする政治家が国を操り、


いつしか、子供たちは夢を無くし、


大人たちは今日を生きることが精一杯。



それが、21世紀の姿だった。




その昔、サディスティック・ミカ・バンドは、「タイムマシンにおねがい」という曲で


“不思議な夢と、遠い昔が好きなら ~ そのスイッチを遠い昔に廻せば


 無邪気な夢のはずむすてきな時代へ ~ 好きな時代へ行けるわ”



と歌っている。





僕にとっての「無邪気な夢がはずんでいた時代」へ。



今夜、BOOWYというタイムマシンに乗って



時間のラセンをひとっ飛びしてきた。




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明らかに、同年代からそれ以上のファン達であふれかえった東京ドーム



何度と東京ドームでライブを観たが、3階スタンドの一番後ろまで



ビッチリ埋まったドームは初めて。





定刻を15分ほど過ぎた頃、SEが流れバンドメンバーがステージへ



そして、1曲目の「Dreamin'」へ。




ドラムのカウントから、イントロのギターが掻きならされた瞬間



僕たちは一瞬のうちに、ファンそれぞれの持つ「あの時代」へタイムトリップ。






♪Dreamin' アスファルト 泥だらけの靴あふれ~




場内は、当然の大合唱!




よくありがちな、サビだけの合唱じゃない



一曲全部を大合唱



いや、それどころか、ギター・ソロのフレーズまで歌ってしまう。





胸が一気に熱くなり、涙さえあふれそうに昂ぶる。




「RUNAWAY TRAIN」「Blue Vacation」と、延々と大合唱は続く。




そして、あの頃のいろんなことが、フラッシュ・バックしてくるんだ。





中学の部活が終わったら、早川君の家に行って


ミニ・ビリヤードをやりながら、BOOWYのアルバムを聴き続けたこと。




中学を卒業して、すぐに働き始めた駒沢君が、

初給料で買った、布袋モデルのギターを持って、ウチに自慢をしに来たこと。




盲腸で入院している時、ノリミツがBOOWYのカセット・テープを持ってきてくれたこと。




高校の時の彼女の弟がBOOWY狂で、彼女より弟との方が話が盛り上がったこと。




高橋マコトのドラム・セットに憧れて、隣町の楽器屋で

ロート・タム(高橋氏の使っていた仕様のドラム)のドラムセットを

毎週末観に行っていたこと。


そして、「高校入試受かったら買ってほしい」って親にねだったこと。




そんな頃のひとつひとつが鮮明に蘇ってくる。


「ハイウェイに乗る前に」「BABY ACTION」「Justy」




サポート・メンバーも、布袋、松井、高橋ら元BOOWYのメンバーに敬意をはらい


忠実に演奏を再現している。





会場にいる数万人のトラベラー達は、まったく今ドキじゃない


延々と拳を振り上げるという、昭和的なダサいノリ方を続ける。




だけど、それでいいんだ。氷室だけだけど、BOOWYを観てるんだから。




「B・BLUE」「MARIONETTE」


音楽のパワーってこんなにも強烈だったのだろうか?




歌詞どころか、ギター・フレーズ、音色、チョーキングのタイミング


コーラスのハモリ、スネアのタメ具合。


何から何まで身体中を駆け巡る。





中学の頃から、ドラムがうまかった山崎君からは、

「やっぱり洋楽聴かなくっちゃ」と言われ、

ツェッペリンのレコードを借りたけど、

ジョン・ボーナムの超人的なドラミングより

高橋まことの、胡散臭いルックスから生み出されるタム廻しの方が、

100倍格好良かったんだ。




ジョン・ポール・ジョーンズの巧みで、安定したベースより

松井常松の、寡黙に身動きひとつせず、延々とダウン・ピッキングするベースに惚れたんだ。





そして、今夜一番会場が盛り上がり、一体になった

「PLASTIC BOMB」


Cコードから始まるアップ・テンポなナンバー。



布袋のコーラス部分も忠実に再現されてる(号泣)



♪Let's go この街を駆けぬけろ

 Let's go この時をブチやぶれ

 手遅れになる前に Do it again!



20数年前の曲なのに、今の僕たちにもビシビシ伝わってくる。



Hey boy listen to me , Hey girl listen to me now

You must be careful by yourself

Thank you GOD, don't be a fool




一度もMCを入れないまま、本編最後の「IMAGE DOWN」へ。




とっくの昔にレッド・ゾーンを超えた僕たちのテンションは

メーターが狂ったように、振りきれまくり。




今夜はそれでいいんだ。


今ここにいるのは、仕事も家庭もあるだろう、いい歳した大人ばかりだけど、



それでいいんだ。めちゃくちゃになっていいんだ。




英語、数学まるでダメだけど

あっちの方はインテリジェンス



なら、それでいいんだ。




少しだけ期待していた


“ライブハウス東京ドームへようこそ”


の名セリフこそ言わなかったものの、


間違いなく目の前にはBOOWYがいたんだ。




擦り切れるほど見返したVHSのビデオ・テープの中のBOOWYが


そこにいるんだ。




アンコール



BOOWYの歴史の中でこの曲は外せない


パンキッシュな「ON MY BEAT」



ここで、メンバー紹介と、今回の震災チャリティーライブのことを話す。



そして、「友達もここでライブをやるようなんで~」と、


コンプレックスのことも。





からの、「ホンキートンキークレイジー」


ステージに布袋はいないけど、高々と足を上げながらリズムを取る

彼の姿が見えてくる。




そして、「一番大事にしていた曲です」と


「NO.NEW YORK」


当時のバンドを始めたばかりの中、高生は、

ほぼ全員が、この曲のコピーをしたのでは?という程の名曲。

バンド・アンサンブルの全部が詰まったバイブル的神曲で締めくくった。





あっという間に感じたタイム・トリップ。


初めて乗った巨大なタイムマシンは、乗り心地最高で


旅の時間は、たった2時間30分弱だったけど、


BOOWYというフィルターを通して、音楽だけじゃなく


あの頃の匂いも、空気も、希望も全部取り戻せた。



そんな余韻を今夜は楽しもうと思う。

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SET LIST

1、Dreamin'
2、RUNAWAY TRAIN
3、Blue Vacation
4、Rouge Of Gray
5、ハイウェイに乗る前に
6、BABY ACTION
7、Justy
8、Welcome To The Twilight
9、BAD FEELING
10、16
11、LONGER THEN FOREVER
12、MEMORY
13、B・E・L・I・E・V・E
14、季節が君だけを変える
15、B・BLUE
16、MARIONETTE
17、PLASTIC BOMB
18、DOWN TOWN SHUFFLE
19、BEAT SWEET
20、RENDEZ-VOUS
21、ONLY YOU
22、IMAGE DOWN

アンコール
1、ON MY BEAT
2、ホンキートンキークレイジー
3、NO.NEW YORK