【未来から今へ】






今日は、宇部にある
宇部フロンティア大学を訪れた一日だった。

暦は一月八日。
一をローマ字で読むと「アイ」。
八を横にすると、無限大。

愛が無限に広がる日に出会えた学生さんたち。
その偶然の重なりが、
最初からこの時間の意味を
そっと教えてくれていたように思う。

事前に竹内先生から、
「とても感性の豊かな学生さんたちなんです」
と聞いてはいたけれど、
教室の扉を開ける瞬間は、
やはり少し胸が高鳴った。

扉の向こうには、
まっすぐな眼差しを持った学生さんたちが、
静かに、そして温かく待っていてくれた。

その空気に触れた瞬間、
「ああ、きっと大丈夫」
と、心がほどけた。
言葉の授業のひととき。

この時間に、
私たちは何を届けられるのだろう。

そんな問いを胸に立ったその場は、
笑いがあり、涙があり、
何度も心の奥が揺れる、
とても豊かな時間となった。

時間の終わりに、
「今、私から贈れるものは何だろう」
そう思い、今日は大切にしてきた
絵本を持ってきていた。

この絵本は、東ティモールで
活動を続けてこられた
斎藤照子さん(イズーバ照子)が
立ち上げた
AMAHORO PROJECT から生まれたもの。

アフリカの言葉で「アマホロ」とは、
平和という意味。

世界の子どもたちが、命を脅かされることなく、安心して、豊かに生きられますように。

そんな願いを込めて続けられてきた
活動の中で生まれた、
AMAHORO文庫 の絵本たちだ。

冊数が限られているため、
特別な場で、特別な人たちにだけ、
大切に手渡してきた本。

今日は二冊のうち一冊を
選んでもらうつもりだった。

けれど、学生さんたちの姿を見て、
「これは、二冊とも贈りたい」
そう心が決まった。

一冊目は
『空のむすめ 雨』。
私たちは、水がなければ生きていけない。

雨が降り、その雨が飲み水となり、
田畑を潤し、命をつないでいく。

雨が降ることを当たり前と思わず、
感謝の気持ちを向けながら生きていけたなら、
きっと自然と、
私たちは手をつないで生きていける。

そんな想いを、これから保育士になる人へ、
いつか親になる人へ、
そして子どもたちへ届けたくて生まれた一冊。

どうか、人生のどこかで、
読み聞かせてほしい絵本。

もう一冊は
『涙の秘密』。

本当の涙は、透明な色をしている。
色はついていないけれど、
心の目で見た時、
その涙には色が見えることがある。

それは、人間に授けられた想像力。
その想像力は、友だちや家族、
大切な人の心を思いやる力につながっている。

見えない心を想像すること。
言葉にならない想いを、
そっと受け取ろうとすること。

この絵本が、
誰かの涙の色を思い描くきっかけとなり、
優しさの粒が、
次の世代へ手渡されていくことを願って。

この二冊の絵本を、
今日出会えた学生さんたちに贈れたこと。
それが本当に嬉しく、
胸がいっぱいになった。

私たちの方こそ、
かけがえのない幸せな気持ちを
たくさんいただいた一日。

またいつか、
どこかで再会できますように。

みんなの未来を、
マウンテンマウスまぁしぃは周防島から、
私は長門から、
これからも、ずっとエールを送り続けたい。

ときどき空を見上げて、
そのエールを受け取ってほしい。
出会ってくれてありがとう。

命の時間を共にしてくれて、
ありがとう。
心を込めて。

文章 阿波ひろみ