5月3日。
前日からの雨が朝も残っていた。
この日は早くから四十八町巡りを始めるつもりでいたが、まるでついていない。
しかし、折角の休みを無駄にするわけにもいかないので、身仕度を始めた。
用意も整い、スクーターにキーを差し込み、エンジンをかける。
エンジンをかける。
かける。
かからない・・・。
かからない・・・。
20分以上苦戦し、ようやくエンジンが機嫌をなおしてくれた。
今日の最初の目的地は「瑞江(みずえ)」。
地図のルートを頭に叩き込み、颯爽とスタート。
ちょうど雨も上がり、幸先の良い滑り出しだ。
瑞江に到着し、改めて地図を確認。
町域の境目をチェックしてから、まずは腹ごしらえ。
食事を済ませ、支払いをしようとすると・・・。
財布にお金が入っていない。
一瞬何のことか頭が真っ白になったが、
免許証を預け、お金を下ろしてきたい旨を伝えると了承していただけた。
一旦お店を出てATMを探す道すがら、落ち着いて、冷静に考える。
思い当るのは、ひとつしかない。
遣り場のない怒りで腸は煮え繰り返り、
行き場のない悲しさで胸がつかえそうだった。
お店に戻り、丁重に謝って支払いを済ませ、
停めてあったスクーターへ。
用意も整い、スクーターにキーを差し込み、エンジンをかける。
エンジンをかける。
かける。
かからない・・・。
かからない・・・。
20分以上苦戦し、ようやくエンジンが機嫌をなおして・・・
くれない。
近くのバイク修理を請け負ってくれそうなところを調べ、
虱潰しに電話をかけるが、留守電ばかり。
ゴールデンウィークで休みなのだろう。
仕方がない。
押して戻ろう。
かくして、瑞江からスクーターを押して戻る旅が始まった。
風を切って走ることを想定していたので、若干の厚着。
しかし、これが裏目に出る。
流れる汗が止まらない。
そして、朝の天気が嘘のように陽が照りつける。
途中何度かエンジンがかからないか試みてみるが、
一向に動く気配を見せない。
バイク修理の看板を見つけては飛び込んでみるが、
珍しいスクーターのため、修理は難しいらしい。
やがて、段々と雲が空を覆い始めた。
ポツ。ポツ。
汗ではない雫を額に感じる。
スクーターも私も不機嫌だが、
どうやら空のご機嫌も相変わらずなおっていないらしい。
ほどなくして雫は粒になり、濡れたシャツは汗のせいではなくなった。
瑞江をスタートしてどれくらいの時間が過ぎたかはわからないが、
気付くと、葛飾区新小岩に入っている。
強まる雨足に、もう一回だけ試してみようという気になった。
苛立つ気持ちを抑えながら、願いを込めながら。
何度も。何度も。
蹴る。蹴る。
何度も。何度も。
「ブゥウゥーン・・・」
大袈裟かもしれないが、奇跡だと思った。
急いでスクーターにまたがり、いつもの修理店へと向かう。
歩道に目をやると、抗うように斜めに傘を差している人がいた。
こうなると本降りだ。
気のせいかもしれないが、進めば進むほど比例して雨は強くなっていくように感じる。
後で知ったことだが、同じ頃、江ノ島では土砂崩れが起きていたらしい。
スリップに気をつけながら、
慎重に慎重に運転し、
そして体が芯まで冷えたとき、
墨田区のスクーターショップに着いた。
追記
瑞江駅近くのスリーエフで、
大きく穴の開いたモッズパーカを着て、
一心不乱にキックし続ける私に声をかけてくれたおばあちゃん。
おそらく転倒したせいでエンジンがかからないと思ったのでしょう。
「バイクはなんとかなるけど、
怪我がなくてよかったねぇ。
きれいな顔もそのまんまで。」
少し心が和みました。
ありがとう。
それと、
大汗をかきながら突然訪ねてきて修理を頼んだ私に、
「お役に立てなくて申し訳ない」
「まだ先は長いけどがんばって」
と気遣ってくださったレッドバロン江戸川の矢作さん。
無事、修理に出せました。
ありがとうございます。
前日からの雨が朝も残っていた。
この日は早くから四十八町巡りを始めるつもりでいたが、まるでついていない。
しかし、折角の休みを無駄にするわけにもいかないので、身仕度を始めた。
用意も整い、スクーターにキーを差し込み、エンジンをかける。
エンジンをかける。
かける。
かからない・・・。
かからない・・・。
20分以上苦戦し、ようやくエンジンが機嫌をなおしてくれた。
今日の最初の目的地は「瑞江(みずえ)」。
地図のルートを頭に叩き込み、颯爽とスタート。
ちょうど雨も上がり、幸先の良い滑り出しだ。
瑞江に到着し、改めて地図を確認。
町域の境目をチェックしてから、まずは腹ごしらえ。
食事を済ませ、支払いをしようとすると・・・。
財布にお金が入っていない。
一瞬何のことか頭が真っ白になったが、
免許証を預け、お金を下ろしてきたい旨を伝えると了承していただけた。
一旦お店を出てATMを探す道すがら、落ち着いて、冷静に考える。
思い当るのは、ひとつしかない。
遣り場のない怒りで腸は煮え繰り返り、
行き場のない悲しさで胸がつかえそうだった。
お店に戻り、丁重に謝って支払いを済ませ、
停めてあったスクーターへ。
用意も整い、スクーターにキーを差し込み、エンジンをかける。
エンジンをかける。
かける。
かからない・・・。
かからない・・・。
20分以上苦戦し、ようやくエンジンが機嫌をなおして・・・
くれない。
近くのバイク修理を請け負ってくれそうなところを調べ、
虱潰しに電話をかけるが、留守電ばかり。
ゴールデンウィークで休みなのだろう。
仕方がない。
押して戻ろう。
かくして、瑞江からスクーターを押して戻る旅が始まった。
風を切って走ることを想定していたので、若干の厚着。
しかし、これが裏目に出る。
流れる汗が止まらない。
そして、朝の天気が嘘のように陽が照りつける。
途中何度かエンジンがかからないか試みてみるが、
一向に動く気配を見せない。
バイク修理の看板を見つけては飛び込んでみるが、
珍しいスクーターのため、修理は難しいらしい。
やがて、段々と雲が空を覆い始めた。
ポツ。ポツ。
汗ではない雫を額に感じる。
スクーターも私も不機嫌だが、
どうやら空のご機嫌も相変わらずなおっていないらしい。
ほどなくして雫は粒になり、濡れたシャツは汗のせいではなくなった。
瑞江をスタートしてどれくらいの時間が過ぎたかはわからないが、
気付くと、葛飾区新小岩に入っている。
強まる雨足に、もう一回だけ試してみようという気になった。
苛立つ気持ちを抑えながら、願いを込めながら。
何度も。何度も。
蹴る。蹴る。
何度も。何度も。
「ブゥウゥーン・・・」
大袈裟かもしれないが、奇跡だと思った。
急いでスクーターにまたがり、いつもの修理店へと向かう。
歩道に目をやると、抗うように斜めに傘を差している人がいた。
こうなると本降りだ。
気のせいかもしれないが、進めば進むほど比例して雨は強くなっていくように感じる。
後で知ったことだが、同じ頃、江ノ島では土砂崩れが起きていたらしい。
スリップに気をつけながら、
慎重に慎重に運転し、
そして体が芯まで冷えたとき、
墨田区のスクーターショップに着いた。
追記
瑞江駅近くのスリーエフで、
大きく穴の開いたモッズパーカを着て、
一心不乱にキックし続ける私に声をかけてくれたおばあちゃん。
おそらく転倒したせいでエンジンがかからないと思ったのでしょう。
「バイクはなんとかなるけど、
怪我がなくてよかったねぇ。
きれいな顔もそのまんまで。」
少し心が和みました。
ありがとう。
それと、
大汗をかきながら突然訪ねてきて修理を頼んだ私に、
「お役に立てなくて申し訳ない」
「まだ先は長いけどがんばって」
と気遣ってくださったレッドバロン江戸川の矢作さん。
無事、修理に出せました。
ありがとうございます。
はい、どうも。スズキです。
さぁ、篠崎編もいよいよ最終回です。
段々と日も暮れてきました。
急がねば!
この辺りは大きな道路が少なく、また、まっすぐ南北に延びる道というのも少ないので、
地図を片手に迷子になることが予想されます。
だって、前回書かなかったけど、下篠崎町を探すのに迷子になってるんだから・・・。
行きたいのはここです。
そして・・・。
着いたのはここです。
どれくらい見当違いかと云いますと・・・。
「江戸川篠崎郵便局」というのを目印にしておいてください。
ハァ・・・。
私バカよね。おバカさんよね。
暗くなってきてるから急がなきゃなのに。
でも、まぁ、なんとか辿り着けましたよ。
「南篠崎町(みなみしのざきまち)」です。

そして、この「南篠崎町」に隣接するのが、
江戸川区「江戸川」です。
「江戸川」の住居表示板を急いで探さなければです。
が、
しかし。
ない。
ない・・・。
ない・・・・・・。
恋じゃない。
いえ、恋ではなく、あの緑色の探し求めてるやつがない!
2箇所で見かけたのは、こんな感じの。

今度見かけたらちゃんと撮りますんで、今日のところはこちらでご勘弁を・・・。
兎にも角にも、篠崎編も最終回です。
この日の旅はここまで。
「春風が吹く 篠崎の地に
桜舞い散るように
私は旅に出るわ
まだ見ぬ町へと」
26町/48町制覇!
<つづく>
さぁ、篠崎編もいよいよ最終回です。
段々と日も暮れてきました。
急がねば!
この辺りは大きな道路が少なく、また、まっすぐ南北に延びる道というのも少ないので、
地図を片手に迷子になることが予想されます。
だって、前回書かなかったけど、下篠崎町を探すのに迷子になってるんだから・・・。
行きたいのはここです。
そして・・・。
着いたのはここです。
どれくらい見当違いかと云いますと・・・。
「江戸川篠崎郵便局」というのを目印にしておいてください。
ハァ・・・。
私バカよね。おバカさんよね。
暗くなってきてるから急がなきゃなのに。
でも、まぁ、なんとか辿り着けましたよ。
「南篠崎町(みなみしのざきまち)」です。

そして、この「南篠崎町」に隣接するのが、
江戸川区「江戸川」です。
「江戸川」の住居表示板を急いで探さなければです。
が、
しかし。
ない。
ない・・・。
ない・・・・・・。
恋じゃない。
いえ、恋ではなく、あの緑色の探し求めてるやつがない!
2箇所で見かけたのは、こんな感じの。

今度見かけたらちゃんと撮りますんで、今日のところはこちらでご勘弁を・・・。
兎にも角にも、篠崎編も最終回です。
この日の旅はここまで。
「春風が吹く 篠崎の地に
桜舞い散るように
私は旅に出るわ
まだ見ぬ町へと」
26町/48町制覇!
<つづく>


