ジーコ・ケーンjr.

ジーコ・ケーンjr.

初めまして。
ジーコ・ケーンJr.と申します。
宜しければ、是非コメント下さい。
興味があれば、拙い和訳などもやっておりますので、ご要望もなんなりとお申し付け下さい。

 顔も知らない誰かと一緒に考えたいです。たまには。

・基本的には自分の記録用
・英語記事・論文の記録や和訳で、参考になればな~といった内容
・皆様の知恵もお借りしながら、勉強していきたいです

→宜しくお願いいたします


 ※不束者ですが、一緒に勉強して下さる方、どうぞクリックリをお願いいたします
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今回は、前回の記事で登場した、藤崎前駐米大使の寄稿文の訳出となります。

これが寄稿されたのは少し古く、2012年10月。
2012年といえば、第2次安倍政権へと移行する前、つまり野田氏が総理だったときです。
コラムの主眼は、野田政権時に行った尖閣諸島の「所有権移転」(※公式には「国有化」ではありません!!)の説明です。


Is Japan Turning to the Right?
The World Post
Posted: 10/10/2012 11:53 am EDT


We sometimes encounter arguments in the U.S. media that nationalism is growing in Japan. (我々はしばしば、米国のメディアで、日本でナショナリズムが隆盛しているとの議論を耳にする。)
The logic is that mounting frustration amongst people, stemming from continuing stagnation, is leading them to take tougher attitudes towards neighboring countries. (その論理は、長引く不景気によって人々の間でフラストレーションが溜まり、それが近隣諸国に対して厳しい態度へと結びつくというものである。)
It is interesting, but vastly exaggerated.(これは興味深いものではあるが、誇張に過ぎる。)

Here, I will not go into history to explain why it is clear that Japan has sovereignty over the islands which are now getting attention. (ここで私は、昨今注目を集める領土に対して日本が主権を有していることが明白であるという点について歴史的な説明を加えるつもりはない。)
What I would like to stress is the fact that the recent problems with our neighbors have not been started by Japan.(強調しておきたいのは、近年の近隣諸国との問題は日本によって口火が切られたものではないという事実である。)

The three islands of the Senkaku belonged to a Japanese individual.(三つの島で成る尖閣諸島は、日本人個人に所有されていた。)
The Japanese government had rented the land on the islands from the said individual for years to maintain and manage the islands in a calm and stable manner. (日本政府は、島の平穏かつ安定的な維持管理のために、個人から島を借りてきたのである。)
Therefore, it has not allowed Japanese nationals to land except for emergencies. (従って、日本国は緊急時を除いて所有が許されなかった。)
It has allowed no construction. (設備の建設も許されてこなかった。)
In the last few years, however, it is true that concern grew as an increasing number of Chinese patrol vessels from relevant authorities and fishing vessels entered the waters adjacent to the islands, as well as our territorial waters.(しかしここ数年、中国の巡視艇や漁船が島の接続水域ないしは領海に侵入することが増えるに伴って、その懸念が強くなってきた。)
The reason for the Japanese government's recent purchase of the islands from the individual was to preempt the purchase by others, so as to maintain the status quo and continue to maintain and manage the islands in a calm and stable manner.(日本政府が個人から島を購入した理由は、現状維持を図り、島を平穏かつ安定的に維持管理するために、他社が島を購入することを防ぐためである。)
Furthermore, it is to be emphasized that the purchase is a civil transaction and the change of ownership of the land legally has nothing to do with sovereignty itself.(さらに、購入は私人間の取引であり、所有者の変更は主権とは法的に何ら関係が無いことは強調さるべきことである。)

As for relations with the Republic of Korea, the recent situations were initiated by the very first visit of its leader to the disputed islands this summer. (韓国に関して言えば、近年の状況はまさに大統領が係争地(竹島)に訪問したことから始まった。)
No previous leader has done that.(これまでの大統領は、誰もそのようなことは行っていない。)

Japan will continue to deal with these issues in a calm manner. (日本は、これらの問題を平穏に扱い続けるつもりである。)
We have no intention of heightening tension. (我々には緊張を高める意図は無い。)
There is no merit in doing so for anyone. (そうすることは、誰にもメリットをもたらさない。)
We think what is required is to firmly register our position, restrain from making it into an emotional issue, and peacefully cope with the issues while respecting international law.(我々は、必要なことは公式に我々の立場を表明し、感情的な問題とせず、国際法を尊重しながら平和的に問題に対処することであると考えている。)

The U.S. government has repeatedly confirmed that the Senkaku islands are covered by Japan-U.S. security arrangements.(米国政府は繰り返し尖閣諸島は日米安全保障条約の対象であることを確証してきた。)
Such reassurances constitute an important deterrence.(そのような保証は重大な抑止となる。)
For the last several decades, according to polls, around 70 percent of Japanese have always answered that the present form of defense should be maintained, where Japanese security would depend on the Self Defense Forces as well as on the US extended deterrence.(ここ数十年の世論調査によれば、およそ70%の日本人が、現在の防衛形態は維持されるべきであり、日本の安全保障は自衛隊と米国の拡大保証に依るべきであると継続的に答えている。)

It is a truism that you cannot change your neighbors.(隣国を変更することが出来ないことは紛れも無い事実である。)
We have to live next door to each other for the generations to come.(我々は来る将来にわたって、互いに隣国としてあり続けなければならない。)
Our economies are already closely intertwined.(我々の経済関係は既に緊密に絡み合っている。)
We are, we should and we will continue to be good friends with each other.(我々は、互いに相互に良好な関係を続けており、そうすべきであり、また、そうなっていくであろう。)
I have recently spoken to hundreds of Japanese language school students about the importance of being good friends with youngsters of Chinese and Korean descent.(私は近日、数百人の日本語学校の生徒に対し、中国と韓国の若者と良好な関係を築くことの重要性について話をした。)
The days of using force or coercion, whether military or economic, to solve disputes over land should be left in the last century.(軍事的であれ経済的であれ、領土に関する紛争解決に軍事力や強制力を用いる日々は、既に過去の時代の物となった。)
Let us not forget that we are already deep into the 21stcentury.(我々は既に21世紀に入り込んでいることを忘れてはならない。)
No, Japan is not turning to the right.(日本は右傾化しているのではない。)
We will continue to go on straight.(我々は真っ直ぐ進み続けていく。)

 昨日の記事で述べたように、日本とその他の国々との間では今後、「歴史の衝突」(=歴史観の違いによって国際政治が進んでいくこと、と一応解釈します)とも呼べる情勢が見られることが予想されます。
 そこで、「歴史の衝突」と呼べる具体的なイシューとはどのようなものかという点につき、具体的に示していきたいと思います。

 第1回目となる今回は、米国との「歴史の衝突」に関するコラムを取り上げたいと思います。
 「衝突」は、なにも中韓との問題であるだけではなく、その他の国々との間でも起きていることです。むしろ、筆者は米国こそが元凶であるとさえ思っています。

 そこで、古森義久氏のコラムを2つご紹介します。御存じの方が多いと思いますが、古森氏は産経新聞ワシントン駐在客員特派員であり、米国のオピニオンに関する記事を多く書かれている方です。
 

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 1つ目のコラムは、「歴史の衝突」に臨むにあたって、日本の態度を米国がどのように観ているかという点に関するものです。
 記事中「一言で米国といっても、いろいろな存在がある」という文言がありますが、このようにアクター(主体)の多様性に注意を払うことは極めて重要です。
 「誰が、何のために、いつ、どこで、どのように」ということをまとめるだけでも、1つの学術論文たり得る程です
 この点古森氏は、米国の多様なアクターに着目し、日本国内で語られる米国からの視点の一様性(=謝罪が重要である)に対して疑義を呈しています。
 つまり、着目するアクターは、「謝罪が不毛ではないか」との主張を行う者です。


不毛な謝罪をまた盛り込むのか?世界が注目する安倍首相の「戦後70年談話」
米国の研究者が日本の誤った外交を指摘
JBPress
2015.02.04(水)

 日本が「戦後70年談話」で再度謝罪を表明しても和解はもたらされない。謝罪は不毛である――米国でこんな意見が出てきた。
 2015年は第2次大戦の終結からちょうど70年の年である。終戦記念日の8月15日に安倍首相が発する「戦後70年談話」の内容をめぐって、早くも内外で論議が始まった。焦点は、安倍晋三首相の談話が戦争への謝罪を盛り込むか否かである。
 中国や韓国が安倍首相に対して、村山富市首相や小泉純一郎首相、さらには河野洋平外相と同様に戦争に関する謝罪を談話に盛り込むよう求めることは、当然予測される。中国と韓国の両政府はすでにその意向を表明している。

日本の謝罪を期待するオバマ政権
 だが、それ以上に日本にとって気になるのは米国の態度である。日本の同盟国、しかも世界で唯一の超大国、さらに第2次大戦で日本の最大の敵国だった米国が、安倍談話の文言についてどんな態度を示すかは大いに注目されるところだ。
 ただし一言で米国といっても、いろいろな存在がある。まずオバマ政権、そして議会、あるいは民間の学者や識者、そしてニュースメディアなど多様な機関や集団が異なった反応を見せることとなる。
 オバマ政権は、どうも安倍首相に従来どおりの謝罪の表明を期待しているようである。1月6日、国務省報道官は次のように発言した。
 「安倍首相の終戦70年談話に関して言えば、村山談話、河野談話が示した謝罪は、日本が近隣諸国との関係改善に努力する中で重要な節目になったというのが米国側の見解だ
 上記の言葉は明らかにオバマ政権からの圧力だった。日本国内でもまだ着手していない首相談話の中身へ、まず「謝罪」ありきを求めたのである。
 ただし、同報道官は、翌7日の会見では「圧力を意図してはいない」と弁明した。そして安倍首相の年頭会見での「戦後の平和への貢献」や「大戦への反省」という言葉を「前向きなメッセージ」と歓迎し、「謝罪」には触れなかった。だが、オバマ政権全体として、なお安倍首相に対して謝罪表明を期待していることは十分にうかがい知れる。

何を述べても中韓両国は満足しない
 一方で、同じ米国において民間の識者たちの間では、これ以上の謝罪表明は不毛であり、関連諸国との関係の改善や和解には寄与しない、との意見も目立ってきた。
 米国大手紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(1月13日付)は、同紙コラムニストで中国やアジアの専門家であるアンドリュー・ブラウン氏による「日本にとって謝罪表明は難しい技だ」と題するコラムを掲載した。
 ブラウン氏は、安倍首相が70周年談話で日本の戦時の行動について全面的に謝罪し、中韓両国との関係改善や東アジアでの和解を図るべきだという声が米国でも挙がっているが、「事態はそんなに簡単ではない」と論じる。
 ブラウン氏はそのうえで、すでに宮沢喜一首相や村山富市首相らがその種の謝罪を述べてきたことを強調し、それでも中韓両国などとの「関係改善」や「和解」をもたらさなかったと指摘した。特に「中国は共産党政権が反日感情を政権保持の支えにし、『謝罪しない日本』を軍拡の正当化の理由に使っている」から、日本の謝罪は決して受け入れないだろうというのだ。
 ブラウン氏は同コラムのなかで、米国のダートマス大学准教授の若手日本研究学者、ジェニファー・リンド・ダートマス大学准教授の近著『謝罪国家=国際政治での謝罪』から「安倍首相が何を述べても中韓両国を満足させはしない」という見解を引用していた。リンド氏は「特に中国は日本からどんな謝罪の表明があっても、不満を述べ続ける」と予測しているという。
 リンド氏はここ数年、米国の大手雑誌や新聞などへの寄稿で、日本の謝罪が「危険」であることを説き、以下のように述べてきた。
「日本が戦時の行為を対外的に謝罪することは非生産的であり、やめるべきだ。1つには謝罪は国内的な分裂をもたらすからだ」
「日本は戦後の民主主義確立、経済繁栄、平和的努力などを対外的に強調すべきだ」
「中国共産党が自らの統治の正当性を支えるために国内の反日感情をあおってきたことは周知の事実である」

謝罪は外交手段にならない
 米国ウェスリアン大学教授の国際政治学者、アシュラブ・ラシュディ氏は、近著で国家による謝罪一般について「謝罪は相手の許しが前提となり、心情の世界に入るため、そもそもの謝罪の原因となった行為の責任や歴史の認識を曖昧にしてしまう」と主張し、謝罪の効果を否定していた。
 また、米国オークランド大学教授の日本研究学者、ジェーン・ヤマザキ氏は近著『第2次大戦への日本の謝罪』で、戦後の日本は異様なほど何回も謝罪してきたと記す。ヤマザキ氏によると、対外的な国家謝罪は、自国の立場を国際的に低下させ、自国民の自国への誇りを傷つけ、いまとなっては自分たちを弁護できない自国の先人にとって不公正なものとなる。そのため、普通の国家はしないのだという。
 そのうえでヤマザキ氏は、謝罪を日本の外交手段と見るならば完全な失敗であると断じる。「日本は国家首脳レベルで中韓両国などに何度も謝罪を述べたが、関係は改善されなかった。国際的にも、日本が本当には反省していないという指摘は消えていない」と論じ、「謝罪が成果を挙げるには、受け手がそれを受け入れることが不可欠だ。だが、中韓両国は歴史問題で日本と和解する意図はない」と結んでいた。アンドリュー・ブラウン氏のコラムの結論と同様である。

 安倍首相は、これから戦後70年談話を作成するにあたって、米国側の識者や専門家のこうした「謝罪不毛論」を十二分に考慮に入れるべきだろう。同じ米国でも、オバマ政権とはまったく異なる見解もあるということである。


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 2つ目のコラムは、上記とは一転し、日本の「謝罪」の姿勢が足りないとの趣旨の指摘を行う米国内のオピニオンに関するものです。
 

米国人歴史学者がNYタイムズ上で日本悪玉論を大展開
安倍政権の対外政策を「膨張主義」と断定
JBPRESS
2015.01.28(水)

 日本の尖閣諸島も竹島も北方領土もすべて国際的には日本の領土ではなく、安倍政権がその領有権を主張するのは危険な膨張主義の表れだ――こんな反日的な趣旨の論文が米国大手紙の「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された。
 筆者は「日本叩き」の急先鋒として知られるコネチカット大学の歴史学者、アレクシス・ダデン(Alexis Dudden)教授である。ダデン教授は慰安婦問題でも、「日本軍による強制連行があった」という虚構に基づいた日本糾弾を長年続けてきた。オバマ政権を支持する米国のメディアや学者の間にここまでの日本悪玉論があることを、日本側も改めて認識しておくべきだろう。
 この論文はニューヨーク・タイムズ1月16日のインターネット版に「予期される日本の形」という見出しで掲載された。安倍晋三首相は日本を第2次大戦前の状態にまで復活させようという危険な膨張政策を進めようとしており、尖閣、竹島、北方領土の領有権主張もその範疇だ――という骨子だった。日本の歴代政権は一貫して領有権の主張を続けてきたが安倍政権の主張は独特で危険な動きだと断ずるのだ。
 筆者のダデン氏は米国において超左翼リベラル派の女性活動家として知られる。日本に関しては、慰安婦問題その他で安倍晋三氏をこれまで糾弾してきた。2000年に東京で開かれた「女性国際戦犯法廷」にも参加した。慰安婦問題で日本を裁く模擬裁判である。この模擬裁判でダデン氏は米側の最重要な役割を果たし、昭和天皇にも「有罪」判決を下す一翼を担った。
 なにしろダデン氏が日本や朝鮮半島の歴史を取り上げた博士論文のタイトルが「日本の謝罪テクニック」である。戦後、日本が過去の戦争行動などに関連して表明してきた謝罪はみな“テクニック”に過ぎない、という前提なのだ。

安倍首相が歴史を歪曲していると主張
 以下では、ダデン氏の今回の論文の内容を紹介しよう。個別の部分の紹介だが、その記述は要約ではなく原文通りである。
 ・安倍晋三首相は先月の総選挙での勝利に勇気づけられ、第2次大戦で敗北した過去の足かせから日本を解き放とうとする誓いを新たにした。その野望は、外務省が最近発表した日本の地図にも表明された。日本はこの地図で、国際的に認められた国境線を越えて、近隣諸国が主権を主張する島の多くを「リョウド」の名の下に自国領に編入しようとしている。
 ・安倍政権は、これらの「リョウド」は日本の固有の領土だと主張する。しかし実際には、この安倍政権の膨張主義的な見解は日本の経済、戦略の両面での国益を侵すことになる。日本はリョウドを主張することで、これらの諸島への領有権を唱えるようになった歴史を書き換えようとしている。つまり、中国とロシアを相手にした帝国主義的な戦争、朝鮮に対する征服戦争、さらには原住民の抹殺、あるいは同化させた歴史である。
 ・その(戦争や抹殺の)結果、日本はいまも多数の領土紛争に巻き込まれている。中国と台湾は尖閣諸島の主権を主張している。韓国は竹島を軍事占領している。ロシアは1945年以来、2万人のロシア住民が住む「北方領土」の主権を主張している。これらに対する安倍首相の膨張主義的なリョウド修正主義は、1951年の対日講和条約の合意の一部に反するものだ。
 ・安倍首相の失地回復主義的な見解は、「日本が世界の舞台の中心で再び光り輝く」という、彼が描く未来図の中心を形作っている。しかしその見解は、日本の国益や自己認識をも傷つける形で歴史を歪曲することになるのだ。

歴史的な事実関係をすべて無視
 一読しただけでも、あまりに多くの事実を捻じ曲げ、日本を叩いていることが分かる。
 まずダデン氏は、日本が尖閣、竹島、北方領土の主権を主張するのは、「国際的に認められた国境線を越える」膨張主義的な見解だと述べる。しかし百歩譲ったとしても、日本の主張は国際的に認められた線引きを超えてはいない。米国をはじめとする国際社会のメンバー諸国は、尖閣でも竹島でもそれぞれ日本と中国、そして日本と韓国の両方の主張を認めている。つまりは中立の立場である。
 北方領土にいたっては、米国政府をはじめ国際社会の大多数の諸国が日本の領有権主張を認め、支持してきた。1980年代のG7、G8という先進主要国首脳会議でも毎年のように日本の北方領土への主権主張への支持が最終的な声明や覚書に明記されていた。
 ダデン氏は、日本が尖閣、竹島、北方領土のいずれをも帝国主義的、あるいは侵略的な戦争行動によって不当に奪取した、と記していた。だが、尖閣諸島は周知のように、日本が1895年に他のどの国も主権を主張せず自国民を居住もさせていなかった事実を確認して、主権を宣言した領土である。竹島も、韓国が初めて領有権を主張したのは第2次大戦後であり、以来、韓国は軍事占拠をしたままである。日本は、竹島問題を国際司法裁判所へ提訴することをこれまで3回も提案してきたが、韓国側がいずれも拒否してきた。北方領土にいたっては、1945年8月の日本の降伏後に当時のソ連が軍事占領し、現在にいたるまでそのままである。
 ダデン氏はこうした歴史的な事実関係をまったく無視して、日本がいずれも不当に奪取したり、不当に主権を主張したりしていると断じている。しかもダデン氏は、日本政府の現在の尖閣、竹島、北方領土への主権の主張が安倍政権特有の膨張主義の結果だとも断じる。実際にはこれまた周知のように、これらの領土の主権は、戦後の歴代の日本政府が一貫して主張してきたものである。
 要するにダデン氏の主張は、ただただ安倍氏への憎しみから発せられた悪口雑言とも言える日本攻撃なのだ。こんな空疎で偏向した主張を掲載するニューヨーク・タイムズも、以前からとはいえ、いかにもニュースメディアとしての公共性や客観性に欠けていると言わざるを得ない。

米国に存在する反日的な政治勢力
 日本側の対応としては、藤崎一郎前駐米大使が米国のインターネット新聞「ハフィントン・ポスト」1月24日付に反論の投稿論文("Is Japan Turning to the Right?")を載せた。
 しかし、ダデン氏の日本や安倍氏に対する敵意あふれる姿勢は強固で、筋金入りである。慰安婦問題では「日本軍が組織的に20万人もの女性を強制連行して性奴隷にした」という朝日新聞報道に端を発する虚構の言説を一貫して唱え日本を糾弾してきた。2007年の米国議会下院の慰安婦決議の推進にも加わった。安倍氏を公開の言論の場で「悪漢」とののしり「裸の王様」にたとえることも厭わない。
 下院決議の採択された2007年には、ダデン氏は米国のインターネット論壇で、当時の安倍首相の言動に対して「アベが慰安婦の『強制連行』を否定するのは、日本軍を合憲の軍隊として復活させるために旧日本軍の記録をごまかす狙いがあるからだ」という陰謀説を展開して、関係筋の間で話題となった。
 ダデン氏も、その極論を掲載するニューヨーク・タイムズも、米国内の政治的な色分けでは、民主党リベラル派、オバマ政権の堅固な支持層である。いまのオバマ政権下の米国には日本の首相や政府に対してこれほど極端な反感を燃やす政治勢力が存在することを、日本側としては改めて銘記しておくべきだろう。

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 いかがでしたでしょうか。

 これらを一言で否定的にまとめるならば、
「そう思いたいヤツには何を言っても意味がない」
 ということでしょう。
 しかしながら、日本国内で語られる解決策の大部分は、「事実の積み上げ」です。

 この点、私見として一つだけ間違いないと断言出来るのは、よく語られる「事実の積み上げ」というよりもむしろ、「イメージ」をいかに構築するかということにこそ、解決策の鍵があるということです。
 というのも、多くの日本人が海外についてそうしているように、多くの外国人もまた日本のことを「イメージ」ベースで捉えているからです。国内のことですら分からないことが多いのに、国外のことなぞ丹念に調べている余裕などありません。

 この目的意識の部分を間違えると、全ての政策がおよそ意味のないものと化してしまうのではないでしょうか。


 次回は、藤崎元大使の謝罪文を全訳したいと思っています。


主張せよ、日本/PHP研究所

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 「人権」や「人道」に絡むイシューに対して、当時代的に見るのは得策ではないと常々思います。
 というのも、結局どのような時代においてもその時代の「多数派」が正しいのであって、「普遍の真理」というものは存在しないからです。つまり、「社会的合意」が「正しさ」を規定するのです。(参照:藤井、羽鳥『大衆社会の処方箋』)

 「社会的合意」が「正しさ」を決定するということは、「社会的合意」の作られ方にこそ注意を払うべきではないでしょうか。
 にもかかわらず、現在、我々は自己を絶対化し、タブーに溢れた議論を展開してはいないでしょうか。
 この点を冷静に分析する必要があると思うのです。

 では、以下に関連する2つの記事ないしコラムを載せておきます。


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 まずは、毎日新聞の社説です。
 昨日載せたジャパン・タイムズの社説と同じ論調ですね。
 アウシュビッツの件と日本の戦時の行動に対し、「人権」ないし「人道」という括りの下に「無条件」に反省を促すことを示唆する記事です。

毎日新聞 
社説:アウシュビッツ 忘れない責任新たに
2015年01月29日 02時30分

 第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって600万人以上のユダヤ人が虐殺された。その歴史を伝えるアウシュビッツ強制収容所跡地は、人類が偏見と差別の末に行き着いた狂気と悲劇を忘れるな、と警鐘を鳴らし続けている。
 旧ソ連軍による収容所解放から70年にあたる27日、ポーランド南部オシフィエンチムにある跡地で追悼式典が開かれた。参列した約300人の元収容者の一人、ロマン・ケントさん(85)は「私たちの過去が子どもたちの未来であってほしくない」と声を震わせながら訴えた。自分が子どもの時に目の当たりにした収容所の残酷な光景がまぶたの裏に焼き付いて離れないのだろう。
 だが、過去との決別を誓ったはずの世界に今、再び不穏な空気が漂い始めている。
 昨年5月、ベルギーのユダヤ博物館でイスラエル人夫妻ら4人が射殺された。ドイツではシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)に火炎瓶が投げ込まれる事件が起きた。昨夏のイスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区攻撃に対する抗議運動は一部でユダヤ人排斥の動きに転化した。フランスでは今月、イスラム過激派の若者がユダヤ人向けスーパーを襲撃して客ら4人を射殺し、ユダヤ人の出国の動きが強まっているという。
 「反ユダヤ」だけではない。イスラム系移民の排斥を訴える集会も欧州各地で起きている。経済不況による失業者の増加、過激派による相次ぐテロ事件などを背景に、戦後欧州で培われてきたはずの他者への寛容の精神が失われてきているのではないかと危惧せざるを得ない。
 アウシュビッツ解放70周年の式典には、現在の国際情勢も暗い影を落とした。ドイツ、フランスなど欧州各国の首脳らが参列した一方で、収容所を解放した旧ソ連の継承国ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ問題をめぐるポーランドはじめ欧米との対立から参列しなかった。モスクワで独自に式典を開き、ポーランドにはイワノフ大統領府長官らを派遣するにとどまった。
 昨年6月、第二次大戦で激戦の舞台となった仏ノルマンディーに米欧露の首脳が集まり、和解を模索したことを思い起こせば、今回それが再現できなかったことは残念だ。
 10年前の解放記念式典に参加した元収容者は約1500人だった。今年は約300人。10年後には、悲劇を体験した証人の多くは参加が難しいだろうと言われる。
 終戦70周年の記念行事が続く今年は、記憶を語り継ぐべき私たちにとって大きな節目になる。悲劇を忘れないために、歴史を後世に伝える責任を新たにする1年にしたい。

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 次に、産経新聞に掲載された渡辺利夫氏の「正論」です。
 ハンチントンの「文明の衝突」をひき、日本にとっては「歴史の衝突」の時代が訪れると述べています。(「歴史の衝突」の定義はしていませんが。。。)
 文中、筆者と同趣旨の根拠も見られるため、基本的には渡辺氏の主張に賛同します。
 「権力政治」としての国際政治においては、「道義」を各国の利害によって「使う」というのが、真理に限りなく「近い」ことと言えるのではないでしょうか。
 つまり、当時代的に見てはいけないのです。


産経新聞
年頭にあたり 「歴史の衝突」の時代に覚醒せよ
2015.1.5 05:01

 □拓殖大学総長・渡辺利夫

 年は改まったが鬱々として晴れない。歳のせいであろうが、そればかりでもない。中韓はもとより欧米のクオリティペーパーまでが安倍晋三首相を「歴史修正主義者」と難じて恬然(てんぜん)たるありさまである。物心ついた頃に戦争を体験し、その後70年を生きてきた人間としてはどうにもやりきれない。

 ≪大合唱の「歴史修正主義」≫
 歴史修正主義というが、歴史はむしろ恒常的に修正さるべきものであろうつねに客観的で検証可能な歴史というものは存在しない。社会の支配的勢力がみずからの統治の正統性を訴えて歴史を編纂(へんさん)するというのはよくあることだ。中国の近現代史を貫くものが共産党の正統史観であり、韓国のそれは日本統治という「清算」すべき過去を抱えもつ史観に他ならない。日本史はそれほどあからさまではないが、イデオロギー時代の歪(ゆが)みはなお糺(ただ)されてはいない。
 残念なことに、ナチスドイツのホロコースト否認論者が自らを「歴史修正主義者」だと言い立てたために、この用語法は途方もなく否定的な歴史的記憶を呼び覚ます修辞となってしまった。中韓の政権ブレーンたちはそのことをよく知っているのであろう。安倍首相を名指しで歴史修正主義者だといい、戦前期日本のアジア侵略主義の再現者のごとくに言い募っている。
 首相の靖国参拝、河野談話にいたる経緯の政府検証、集団的自衛権行使容認に関する閣議決定、朝日新聞による従軍慰安婦についての吉田清治証言取り消しなどが相次いだ。日本の国際的孤立化を狙う中韓が、これら一連の動向を日本の「右翼化」「軍国主義化」の論拠とし強く反発している。過剰な平和主義、自衛の構えにさえ抑制的に過ぎたことへの自省を少し形に表しただけで、歴史修正主義者呼ばわりの大合唱である。

 ≪反日外交加速させた朝日報道≫
 東アジアの秩序を軍事的威圧をもって変更しようというのが中国であり、守勢に立たされているのが日本であることは自明である。日韓基本条約という国際条約により「完全かつ最終的に解決」したはずの過去を蒸し返して「歴史清算」を叫ぶ韓国が非理性的な存在であることもまた、自明である。自明の「理」を弁(わきま)えない強圧的な対日外交が彼らの戦略であれば、日本には中韓に抗する抑止力を強化するより他に選択肢はない。
 問われるべきは欧米メディアの安倍政権に対する反応である。欧米の有力紙が安倍首相を歴史修正主義者だと繰り返し批判している。自由と民主主義、法治と市場経済を価値信条とし、これを共有しているはずの欧米のメディアがどうしてそんなに条理にかなわぬことをいうのか。
 欧米のメディアに日本の戦前史のネガティブな記憶を甦(よみがえ)らせたものは、歴史教科書問題、首相の靖国参拝、従軍慰安婦問題について、1980年代の前半期以降、主として朝日新聞が張ったキャンペーンであった。これに力を得た中韓が猛烈な反日外交に転じ、その結果、教科書検定基準における近隣諸国条項、首相の靖国参拝中断、河野談話、村山談話という著しい成果を手にすることができた。この成功体験が反日増悪の直接的な契機となった。日本政府は中韓の対日外交に「倫理的優越性」を与えてしまったのである。

 ≪再生する左翼リベラリズム≫
 欧米メディアもまた日本政府のこの対応を眺めて、道義は日本にではなく中韓にあり、という否定的な日本イメージへと次第に強く傾いていった。日本は戦勝国によって形成された第二次大戦後の国際秩序の変更を要求する危険な歴史修正主義の国だという論説が大手を振るうようになったのは、中韓の反日外交の展開と軌を一にしている。
 昨年12月4日付のニューヨーク・タイムズはその社説を「日本における歴史のごまかし」と題し、安倍首相は「国粋主義的な熱情を煽(あお)って歴史修正を要求する政治勢力に迎合する“火遊び”の危険を冒している」とまで主張するにいたった。
 左翼リベラリズムは少なくとも先進国においては日本に固有なものだと私はみていたのだが、どうやら愚かだったようである。冷戦崩壊後のこの秩序なき世界において、左翼リベラリズムは欧米の知識人の中で再生しつつあるかにみえる。
 今年は戦後70周年である。9月3日は中国の「抗日戦争勝利記念日」とされ、同日は「世界反ファシズム戦争と中国人民抗日戦争70周年」とすることが中露間で合意されている。日韓基本条約50周年でもある。
 冷戦後の世界を「文明の衝突」として描いたサミュエル・ハンチントンの予見力は確かなものであったが、今後の日本は「歴史の衝突」の時代をも生きていかざるをえまい。日本人の歴史意識のありようが徹底的に問われる時代がやってくる。新年である。このことに覚醒しようではないか。(わたなべ としお)

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日本に無理矢理に関連付けて社説を書く海外記事の代表例です。
このような記事を目にした我々は、微細に気を取られることなく、「関連性の有無について詳しい説明が無い」という点に絞って反論を考える必要があるのではないでしょうか。


The Japan Times 社説
Auschwitz’s lessons for Japan(日本にとってのアウシュビッツの教訓)


①Tuesday marks the 70th anniversary of the liberation of Nazi Germany’s Auschwitz concentration and extermination camp by the Soviet Army. (火曜日(27日)は、ソ連軍によるナチスドイツのアウシュビッツ強制収容所の解放から70周年である。)

As we extend our sincere condolences to the victims and their families, this occasion should also serve as a chance for the Japanese, especially political leaders including Prime Minister Shinzo Abe, to deeply reflect on Japan’s own wartime behavior that inflicted pains and suffering on people in the Asia-Pacific region and make a strong resolve to oppose war and discrimination, racial or otherwise.(被害者やその家族へと心からの哀悼の意を示すならば、この案件を日本、特に安倍晋三首相を含む政治指導者は、日本のアジア太平洋地域の人々に苦痛を与えた戦時の行動について深慮し、戦争と人種的その他の差別を解消するための強い解決法を見出す機会とすべきである。)

②We also need to learn from the process of post-World War II reconciliation in Europe that eventually led to creation of the European Union. (我々はまた、欧州連合創設へと結びついた欧州での第二次大戦後の和解プロセスから学ばねばならない。)

In East Asia, historical issues still cause schisms between Japan, on the one hand, and China and South Korea, on the other.(東アジアでは、歴史問題が未だ一方では日本国内での分裂、他方では中国や韓国との分裂を引き起こしている。)

To overcome this situation, education plays an important role. (この状況を打開するためには、教育は非常に重要である。)

The government should not shy away from teaching children the reality of Japan’s modern wars and letting them consider what lessons they should learn.(政府は、子供たちに、日本の近代の戦争の現実を教育することを避けるべきではなく、彼らにどのような教訓を汲み取るべきかを考えさせなければならない。)

③About a quarter of some 6 million Holocaust victims were killed in Auschwitz, located in what is now Oswiecim, Poland. Ninety percent of them were Jews. Other victims included Poles, Gypsies, Soviet prisoners of war, homosexuals, Jehovah’s witnesses and other people of various nationalities.(600万人のホロコーストの被害者のおよそ4分の1の者が現在ポーランドのオシフィエンチムに位置するアウシュビッツで殺害された。彼らのうちの90%がユダヤ人である。他の被害者には、ポーランド人、ジプシー、ソヴィエトの戦争犯罪者、同性愛者、エホバの証人、その他様々な国籍の人々が含まれる。)

④Last year, a record 1,534,000 people visited Auschwitz, which became a national museum of Poland in 1947 and was designated as a World Cultural Heritage site by UNESCO in 1979.(昨年、アウシュビッツを訪れた者は153万4千人を記録し、アウシュビッツは1947年にポーランドの国営博物館となり、1979年にはユネスコ世界文化遺産に指定された。)

The visitors included 398,000 from Poland, 199,000 from Britain, 92,000 from the United States, 84,000 from Italy as well as 75,000 from Germany and 62,000 from Israel.(訪問者には、ポーランドからの39万8千人、英国からの19万9千人、米国からの9万2千人、イタリアからの8万4千人、ドイツからの7万5千人、イスラエルからの6万2千人が含まれる。)

⑤An important aspect of the Auschwitz-Birkenau State Museum is that it is a place not only of memory and mourning but also of education, where young people from Germany, Poland and Israel together learn the history of the Holocaust.(アウシュビッツ=ビルケナウ国営博物館の重大な側面は、記憶や追悼だけではなく、ドイツ、ポーランド、イスラエルから来る若者が共にホロコーストの歴史について学ぶための教育の場所でもあることだ。)

The lack of such a facility in East Asia testifies to the fact that a true reconciliation process has not yet taken place in the region.(そのような施設が東アジアで存在していないことは、真の和解プロセスが未だ当該地域で進んでいない事実を如実に表して
いる。)

⑥In the postwar years, Germany has made earnest efforts to hand down its history as the state responsible for the Holocaust to future generations, as well as to receive reconciliation from countries that fell victim to the Nazi aggression. (戦後において、ドイツは、ホロコーストを国家的責任として将来世代に紡ぐための、そしてナチスの侵略の犠牲となった国々からの要求を受け止めるための懸命な努力を行ってきた。)

In 1970, West German Chancellor Willy Brandt knelt down at the monument in Warsaw to victims of the Warsaw Ghetto Uprising, who were killed by German troops, and sought forgiveness.(1970年には、ワルシャワにて西ドイツ首相のウィリー・ブラントが、ドイツ軍によって殺害されたワルシャワ・ゲットー蜂起の犠牲者の記念碑の前でひざまずき、許しを求めた。)

⑦In 2000, Germany established the Remembrance, Responsibility and Future foundation with €5.2 billion provided by 6,500 German companies and made financial compensation to 1,665,000 former wartime forced laborers and those who suffered other injustices from Nazi Germany.(2000年には、ドイツは6500のドイツ企業が提供した52億ユーロにより、「記憶、」財団を設立し、166万5千人の戦時強制労働者やナチスによる不正に苦しんだ者に金銭的補償を行った。)

The foundation is also pushing history education to help young people understand the pains of victims, recognize responsibility and consider how to build a better future. Its website features interviews with 600 Holocaust survivors.(財団は、若者が被害者の苦痛を理解し、責任を認識し、よりよい未来をどのように作るかについて考える手助けをするための歴史教育を推進した。そのウェブサイトでは、600人のホロコーストの生き残りの人への取材が載せられている。)

⑧In 2010, Germany pledged to donate €60 million in five equal installments to the Auschwitz-Birkenau Fund from 2011 through 2015 to help preserve the gas chambers, incinerators, barracks and other buildings of the site that are in need of urgent repairs.(2010年にはドイツは、ガス室、焼却炉、兵舎や緊急の修繕を要するその他建物を保全を手助けするために、アウシュビッツ=ビルケナウ収容所財団に対し、2011年から2015年までの5年間、6億ユーロの寄付を行うことを誓約した。)

It is also continuing investigations to bring any remaining Nazi criminals to justice.(また、未だ不明なナチスの犯罪者を裁判にかけるための調査を続けている。)

⑨In Berlin, there is the Memorial to the Murdered Jews of Europe — also known as the Holocaust Memorial — near the Brandenburg Gate, attracting many visitors.(ベルリンには、ブランデンブルグゲートの近くに、欧州の虐殺されたユダヤ人のための記念碑―ホロコースト記念博物館として知られている―がある。)

Its underground information center has displays about the Holocaust.(地下にある情報センターでは、ホロコーストについての展示がされている。)

⑩When Abe visited Yad Vashem in Jerusalem, Israel’s official memorial to the victims of the Holocaust, this week, he said,(安倍氏は、イスラエルの公式のイェルサレムにあるヤド・ヴァシェムを今週訪れた際、次のように述べた。)

“Today, I have learned how merciless humans can be by singling out a group of people and making that people the object of discrimination and hatred. … We must continue to work toward the realization of a world free of discrimination and war, where human rights are protected.”(今日、ある集団を選び出し、その人々を差別や憎悪の対象とすることで、いかに無慈悲な人間となり得るかについて学んできた。我々は、人権が守られ、差別や戦争からの解放の実現へ向けて努力を続けねばならない。)

⑪Oddly enough, Abe refrained from mentioning Japan’s wartime aggression and colonial rule in the past, or the frequent hate speech against Korean residents in Japan today. (おかしなことに、安倍氏は日本の戦時の侵略や過去の植民地支配、あるいは今日しばしばなされる在日韓国人に対するヘイトスピーチには触れようとしない。)

If Japan does not open its eyes to the negative aspects of its modern history and turn the lessons it draws from them into meaningful actions, it will not be able to achieve true reconciliation with its neighbors.(もし日本が近代史の負の側面から目をそらし、有意義な行為へとつなげるための教訓を引き出さないのだとすれば、日本は近隣諸国と真の和解へと至ることはないであろう。)
1月20日に行われたアメリカの一般教書演説についての日本の報道をまとめておきます。


NHK 米大統領が一般教書演説 1月21日 18時58分
 アメリカのオバマ大統領は、今後1年間の施政方針を示す一般教書演説を行い、イスラム過激派組織「イスラム国」の壊滅を目指して、国際社会で主導的な役割を果たしていく決意を強調するとともに、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉妥結に意欲を示しました。
オバマ大統領は、20日行った一般教書演説で、フランスのパリで起きたイスラム過激派による一連のテロ事件などに触れ、「アメリカは世界の人々と結束し、テロに立ち向かっていく。アメリカと同盟国に脅威を与えるテロリストを追い詰め、そのネットワークを解体していく」と述べました。
そのうえで、「テロ組織を弱体化させ、最終的に壊滅に追い込むために、アメリカは、中東のアラブ諸国を含めた有志連合を率いていく。時間がかかるが成功させる」と述べ、アメリカが国際社会を主導して「イスラム国」の壊滅を目指す決意を強調しました。
また、TPP=環太平洋パートナーシップ協定については、「世界で最も急速に成長している地域の貿易ルールを中国が作りたがっているが、ルールを作るのはアメリカだ」と述べ、アジア太平洋地域での主導権確保をねらう中国への対抗意識を前面に押し出して、交渉妥結に意欲を示しました。
そして、「交渉を加速させる権限を私に与えてほしい」と述べ、政府に強力な交渉権限を与える法案の成立を急ぐよう与野党に求めました。
これに対し、野党・共和党も、TPPや、イスラム過激派によるテロへの対策では、超党派の協力が重要だとしており、オバマ大統領としては、議会から一定の協力を引き出しながら、残り2年の任期中、実績作りを目指したい考えです。



・読売 米大統領「イスラム国」掃討決意…一般教書演説 2015年01月21日 13時45分
 【ワシントン=飯塚恵子、安江邦彦】オバマ米大統領は20日午後9時(日本時間21日午前11時)過ぎから、連邦議会の上下両院合同本会議で一般教書演説を行い、任期7年目の施政方針を明らかにした。
 人質の日本人男性2人の殺害を予告したとみられるイスラム過激派組織「イスラム国」掃討について、「時間がかかり、焦点を絞る必要があるが、我々は成功する」と決意を示した。その上で、米国人らの人質殺害などを重ねたイスラム国への武力行使を容認するための新たな決議を可決するよう、野党・共和党が支配する議会に協力を求めた。
 中国や北朝鮮が深く関与するサイバー攻撃について、「どの外国にもハッカーにも、我々のネットワークの遮断を許してはならない」と述べ、サイバー犯罪の取り締まり強化策の法制化を実現するよう議会に要請した。



・産経 「イスラム国」の壊滅を目指す 地上戦は回避を強調 2015.1.21 13:04
 【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は20日夜(日本時間21日午前)、2015年の施政方針を示す一般教書演説を上下両院合同会議で行った。オバマ氏は、日本人2人の殺害を予告したグループとみられるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の壊滅を目指す考えを重ねて強調。また、サイバー・テロへの保安強化を表明した。21日から始まるキューバとの国交正常化交渉に絡み、議会に制裁解除を促した。
 演説でオバマ氏は、「イラクやシリアでは軍事力を含む米国の指導力がイスラム国の前進を食い止めている」との認識を表明した。また、米国が「中東で新たな地上戦に引きずり込まれることなく、アラブ諸国を含む広範な同盟を率いている」とし、地上戦闘部隊を派遣せずイスラム国を弱体化させ、最終的に壊滅させる考えを強調した。
 一方で、壊滅には「時間がかかる」とも指摘し、そのためイスラム国との戦いに焦点を絞った権限を大統領に与える軍事力行使権限承認を決議するよう議会に求めた。フランスでの連続テロ事件に触れ、「テロリストを追い詰め、そのネットワークを破壊する」と述べた。
 オバマ氏は、中間層支援の拡充を重視する考えを強調。その一方で、富裕層に課される株式などの売却益への最高税率を現在の23・8%から28%に引き上げるなどの増税や大手金融機関の新たな負担増を表明した。上下両院で多数を占める野党・共和党は減税を主張しており、与野党の対決が強まることは避けられない。



・毎日 米大統領:「イスラム国破壊」テロ対策主導 一般教書演説 
2015年01月21日 11時25分
 【ワシントン西田進一郎】オバマ米大統領は20日午後9時(日本時間21日午前11時)過ぎから、上下両院合同会議で一般教書演説を行い、政権7年目の施政方針を示した。仏週刊紙襲撃事件や過激派組織「イスラム国」とみられるグループが日本人2人の殺害を予告していることを踏まえ、米国がテロ対策などで国際社会を主導する考えを示した。
 大統領は、イスラム国について「弱体化させ、最終的に破壊する」ため、米国は中東での新たな地上戦に引きずり込まれるのではなく、有志国連合を率いると改めて表明。シリアの穏健な反体制派の支援と共に、「暴力的な過激主義」に立ち向かう人たちも支援すると約束した。そのうえで、イスラム国に対する軍事力行使について正式な承認を議会に求めた。
 一方、キューバとの半世紀ぶりの国交正常化に向けた交渉開始を21日に控え、キューバへの禁輸措置の撤廃などについて議会に理解を求めた。また、議会内で浮上しているイランに対する追加制裁案には、継続中の核交渉に悪影響を与えるとして反対の意向を示した。
 さらに、米政府が「北朝鮮政府に責任がある」とする米映画会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメントへのサイバー攻撃などを念頭に、「いかなる国やハッカーにも、我々のネットワークを遮断させたり、通商機密を盗んだり、米国人のプライバシーを侵害させたりしない」と強調。政府を挙げてサイバー攻撃の脅威に対処する姿勢を示し、そのための法整備を呼びかけた。
 アジア太平洋地域については、同盟国との関係近代化を進めると共に、貿易や海洋紛争の解決などで当事国が法に従って行動するよう求める考えを示した。名指しはしていないが、東シナ海や南シナ海で威圧的な行動を続ける中国を念頭に置いた発言とみられる。
 演説時間の多くを費やした内政では、格差是正に向けた中間層支援策を中心に据えた。米国の経済や雇用は順調に回復しているが、株など金融資産を持つ富裕層と低、中間所得者層の格差は深刻化し、格差是正に向けた取り組みが急務となっているためだ。
 富裕層への課税強化と大規模金融機関に手数料を課すことで新たな財源を確保し、育児中の家庭の税控除額の拡大、大学生がいる世帯への減税、公立の2年制大学コミュニティーカレッジの授業料無償化などを提案した。
 米議会は昨年の中間選挙を受け、野党・共和党が8年ぶりに上下両院を占めている。主要施策の多くで同党と対立する大統領は、議会を迂回(うかい)する大統領令などの権限を駆使して政策の部分的な前進を図るが、主要政策の大きな進展は見込めない。大統領が議会との協力姿勢を示しつつも、同党の理解を得にくい中間層支援策をあえて打ち出すのは、後任を選ぶ2016年の次期大統領選での争点化を狙う思惑もありそうだ。



日経 米大統領「テロとの戦いに全力」 TPPは超党派で合意を  2015/1/21 11:26
 【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は20日夜(日本時間21日午前)、上下両院の合同会議で今後1年の米国の内政と外交の施政方針を包括的に示す一般教書演説に臨んだ。日本人2人の殺害を警告した過激派「イスラム国」への武力行使を容認する新たな決議の採択を求めた。米国人らの人質を相次いで殺害した「イスラム国」の台頭を踏まえテロとの戦いに「全力を挙げる」との決意も表明した。
 演説は約1時間に及んだ。オバマ氏は冒頭で「(イラク、アフガニスタンの)2つの戦争と不況の15年から新たな時代に入った。次のページを開こう」と宣言し、大統領に就任してから6年間での政治、経済状況の好転を誇示した。
 経済分野では環太平洋経済連携協定(TPP)について「強力で新たな通商協定をめざす」と明言し、超党派による合意をめざす意向を明らかにした。TPPの前提となる大統領貿易促進権限(TPA)法案の可決に向けて協力を求め「アジアや欧州各国と公正な貿易を進める」と訴えた。
 21日からキューバの首都ハバナで始まる同国との国交正常化交渉に関しては「新しい挑戦の時だ」と述べ、反発が根強い野党・共和党に協力を求めた。交渉は民主化への「小さなステップだ」と指摘するとともに「キューバの新たな未来をつくる」と語り、独裁政権の下で広がっていた人権侵害や情報統制の改善に期待を示した。
 「イスラム国」の掃討作戦では「米国の指導力がイラクとシリアで勢力を拡大する『イスラム国』の前進に歯止めをかけている」とし、昨夏に踏み切った空爆が一定の成果をあげているとの認識を示した。「アラブ諸国も含め幅広く連携し、テログループの力をそぎ、最終的には壊滅させる。われわれは成功を収める」とも強調した。
 日本に関しては「米国では2010年以来、日本や欧州などと比べて多くの人々が仕事を取り戻している」と、米国の雇用改善に触れた部分で挙げるのにとどまった
 中国に対し「温暖化対策の数値目標で歴史的な合意をした」と評価する半面「アジアで自らのルールを押しつけようとしている」とけん制した。アジア太平洋地域の領有権問題は「関係当事国が法に従って行動すべきだ」と主張した。核問題を巡る協議が続行中のイランに関しては米議会で新たな制裁法案が可決した場合は拒否権を行使する考えを示した。
 中国や北朝鮮のサイバー攻撃を念頭に「外国の国家や、ハッカーが米国の通信網を遮断したり、通商上の秘密や個人情報を盗んだりすることを許さない」と批判した。「政府の情報力を結集してサイバー攻撃の脅威と戦う」とも語り、同盟国や友好国の情報機関と連携して包囲網づくりを急ぐ考えを明らかにした。
 オバマ氏は「中間層の浮揚と機会を拡大する政策こそが機能し、今後も機能し続ける」と語り、富裕層への課税を強めることで中間所得層の対策に取り組むと力説した。