6月、自分にとって大きな出来事があった。

今となっては竜宮城に行っていたような気分だ。

 

3泊4日の休みを取り、沖縄に行く予定を立てた。

目的は死ぬ前に1度は行っておきたかった沖縄に行くこと、

それから沖縄で死ぬこと。

この目的と、飛行機だけとって後はゆっくりプランを立てることにした。

 

那覇に泊まり、翌朝美ら海水族館に行き近くで泊まり、

斎場御嶽に行き、久高島へ。

その日の宿がどうしても最後まで決まらなかったが、

久高島に着いたら、ここで1泊したくなった。

久高島の宿泊施設に連絡して1泊し、翌朝自転車を借りて御嶽を周った。

 

死ぬつもりで行った沖縄だったけど、

実際に沖縄に来たら息ができた。

汗を垂らしながら、荒い呼吸をしながら色々なところを歩き回ると、

生きている実感がして嬉しかった。

沖縄の人たちが祈り続けてきた場所や景色、空気を感じると

どうしてもここを汚す気にはなれなかった。

 

この日に帰る予定だったが、

また苦痛を耐え続けるいつもと変わらない日々が始まると思うと、

どうしてもここから動けなかった。

物理的に動けば移動できることなんて頭ではわかってる。

実家に住んでる今、親に連絡しないとどうなるか、職場ではどんな迷惑が掛かるか、

頭が働かなくなってても少しぐらい想像できた。

それでもここから出るという行為をしてはいけないような、そんな感覚だった。

 

久高島で泊まった夜、宮古島の飛行機と宿をとった。

4日目、首里城とアカギを見た。その日は出来たばかりの那覇のホテルに泊まる。

翌朝になると強い風と雨が降っていた。

神社を巡ってから飛行機に乗ろうと思っていたことをタクシーの運転手さんに相談すると、

貸切で周ってくれた。

 

宮古島に着いて、ブルーシールアイスを食べていると雷雨になった。

雨が上がるのを待ってチェックイン。

ここから長い宮古島生活が始まる。

 

しかし、その終わりも突然だった。

急に1人でここにいることが怖くなった。

親からも警察からも職場からもたくさん連絡が入っていたが、

全部出ることができなかった。

電話が来ることに対して、思考回路が麻痺していて何も感じなかった。

けど、急に怖くなって親に電話した。

後ろめたい気持ちは誰にも言わずに沖縄に行くことを決めた時からあったけど、

現実が見えたとか、思考回路がはっきりしてきたとか、そういうことじゃなくて、

ただただ怖くなった。

その恐怖に1人で耐えられなくなった。

 

あんなにもう関わりたくなくて帰るのが嫌だったのに、

結局最後に頼るのも親で。

このなんとも言えない気持ちは今もずっと続いている。

 

あんなに行きたかった沖縄に行けたので、

満たされたような気持ちはある。

きっとこの感覚は今の私にとても大事な感覚なんだと思う。

 

どの場所もとても輝いていて、好きな場所が増えて嬉しい。

特に宮古島の島尻漁港から行ける大神島は思い入れがある。

とにかくどこを見ても美しくて、手の入っていない自然がそこにあって、

エネルギーをとても強く感じた。

 

展望台に登ると、その絶景に息をのんだ。

ここで、私は私とお別れしようと思い、

「今までありがとうございました」

その一言を言おうとしたけど、

涙が溢れてきて、私はまだ私に未練があることを知った。

私はまだ生きたいんだって初めてそこで強く意識させられた。

 

いろんな意味で特別な島だと思う。

 

本当にありがとうございました。

 

 

あれから早1ヶ月半が経って、

家の部屋を移動するだけで

どこに行くの?と聞かれる毎日だけど、

あの時の充実感と、まるで竜宮城に行ってたような記憶に支えられて、

なんとかふわふわ生きてる。

 

また行くことがあれば、

行けなかったフクギ並木に行けたらいいな。