【堅守のチーム同士の対戦は名古屋に軍配！マテウス選手の2ゴールで名古屋が逃げ切り】

5年ぶりにJ1昇格を果たした福岡は昨年3位の名古屋をホームに迎えました。福岡はブルーノ・メンデス選手、名古屋は柿谷選手をスタメンに抜擢。互いに新戦力の攻撃陣をさっそく起用してきました。

5年ぶりのJ1昇格ということでスタジアムのボルテージも最高潮で試合は始まりました。しかし、早々に名古屋のマテウス選手が個人技で福岡ディフェンス陣を突破し、ゴールネットを揺らします。J2最少失点だった福岡があっさり失点を喫し、追いかける展開となります。その後もマテウス選手を中心とした強力攻撃陣の個人技の前に持ち味の守備からの流れをなかなか作ることができません。結局前半は名古屋ペースで終了します。後半開始早々、またもやマテウス選手がゴールネットを揺らし、2点ビハインドとなります。もともと得点力に課題がある福岡にとっては非常に痛い失点となりました。しかし、その後はフアンマ選手やメンデス選手を中心とした高さと強さを武器に福岡が攻勢を強めます。そこに加えて、昨年から磨いてきた足元でのつなぎも披露し、サイドから決定的なチャンスを作り始めます。後半給水以降、名古屋は少し疲れが見え始めて、我慢の時間も増えてきます。そんな中後半37分、裏へのスルーパスで抜け出した福岡の金森選手が名古屋の吉田選手のオウンゴールを誘い、福岡が1点を返します。その後福岡はフアンマ選手をターゲットにして前線へのロングフィードをし、チャンスを作ろうとしますが堅守の名古屋ディフェンスの前にあと一歩届かず、試合終了。名古屋は何とか逃げ切り、勝ち点3を得ました。対する福岡は、ホームで勝ち点1を得ることもできず、非常に痛い敗戦となりました。

【堅守を誇る福岡の2失点…　収穫と課題は？】

福岡は昨年3位の名古屋に対して奮闘しました。もともとの個人能力で大きな差がある中、1点をもぎ取ったことは大きな好材料といえます。また、今節はフアンマ選手やメンデス選手が起点となりチャンスの種をまきました。実際にその種が実を結ばなかったことを考えればまだまだ修正すべき点は多いように感じますが、J1でも戦える可能性は感じました。ここに足元のつなぎが加われば強力なものとなると思います。しかし、大きな課題は守備です。昨年の福岡は、前からプレスに行くところとリトリートするところをわけて、状況に合わせて舵を取るといったような巧い守備ができていました。ただ今日は、名古屋選手の個人技の前にやや浮足立っていたように感じました。これまでのどっしりとした守備や自信をもって前からプレスに行くシーンはほとんどなく、半端な守備になっていたように感じます。その浮足立っていることによる失点が1失点目だと感じます。今日、J1レベルをしっかり感じて、今後どのように守備をしていくか、そこは福岡が残留するにあたって非常に大切になってきます。長谷部監督の手腕に期待がかかります。

【優勝に向けてまずは一歩！　名古屋の今後のキーは？】

さすがというべき守備でした。高さこそないものの、中を閉める、要所を締める守備はまさに要塞でした。4－2－3－1の組織でのバランスの良さに加えて、個人の守備能力の高さはJ1でもトップレベルだと感じます。ただ、終盤は少しバタつき失点を喫し、また、危ないシーンも作られました。ハイボールへの対応は今後の大きな課題だと感じます。攻撃に関しては個人能力が非常に高く、特にサイドのマテウス選手、相馬選手、齋藤選手は驚異的です。テクニックはさることながら豊富な運動量でスプリントをします。サイドバックからすれば非常に嫌な攻撃だっただろうと感じます。今後のカギはこの3選手の活躍だと感じます。この3選手が劣勢な中でも、カウンターを沈め、勝ち点を積み重ねていくことで優勝への道も見えるのではないかと思います。

2021 J1第1節 アビスパ福岡 vs 名古屋グランパス レビュー

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