『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督作品。
テレビドラマの『紙の月』も良かったですが、
宮沢りえさん主演となれば、そりゃ観たくなりますよ~。
平凡な主婦梅沢梨花は、銀行の契約社員となり、
裕福な老人たちの顧客に厚い信頼を得ていた。
梨花はお金に不自由があるわけではないが、
デリカシーのない夫の言葉に傷付く心を、
銀行で働くことで癒していた。
それで十分だったはず…
大学生の光太に出会うまでは…
光太は、梨花の顧客の平林の孫だった。
男と女として魅かれあう二人。
そして光太に多額借金があると聞いた時、
梨花の歯車は狂い始める…
光太を助けてあげたい・・・
きっかけは、たった一万円・・・
化粧品を購入するのに現金が足らなかった時、
お金はあとで戻せばいいんだ…
そう思い、預かった顧客の預金に手をだしたこと…
それから、後で戻せばいいんだ…の観念は、
永遠に梨花に憑りついていき、
横領という地獄へと突き落とされていく…
光太に出会ったことで、
梨花の中で眠っていた女が目覚め始める様は、
美しくもあり、哀れでもある。
宮沢りえさんは、まさにそれを映し出してました。
誰しもが持っている女性の性なんだと思う。
きっかけが無ければ、目覚めないが、
あればもう止まらないのです。
頭の片隅では、
これはいけないことなんだ…
そうなんどもその思いが脳裏をかすめても
その時は・・・怖くないのです。
悪いとは思わない…
このまま時間が止まればいい…
「ああ、私自由なんだなって…
だから本当にしたいことをしたんです」
そう、そう思った時はむしろ時間が止まっている…
現実であって、現実ではない、にせものなんです。
梨花はどこかで、今起きていることはすべてにせものなんだと
わかっていて、突き進んでいます。
だから、月でさえ、紙の月だと思えた…
そのにせものを本物にしようと取り繕って、
堕ちて行く姿は美しくもあり哀れである・・・
そして、人のために役に立ちたい…という、
梨花本来の資質が、
全てを動かしたのかもしれないと思うと虚しい…
終焉に向っては、テレビドラマとはまた違う要素があって、
どちらも観ていると、
ある部分はドラマが良かったり、ある部分は映画が良かったりと
比較要素も面白かったかな。。
個人的には映画では、闇に突っ込んだときにもっと掘り下げても
良かったのではないかな~とも思いましけど~
終盤、小林聡美さん演じる銀行のお局と梨花の対峙は、
静けさの中に、煮えたぎった女の生き様がにじみ出ていて、
女性として考えさせられます・・・
ああ、宮沢りえさん、永遠なれ(^_^)/~
