私は猫が大好きだ。というわけで、必ず1匹は家の中で飼っているのだが、外で出会う猫にもどうしても挨拶がしたくなる。その黒猫さんに出会ったのは数ヶ月前。夜中にニャーニャー鳴く声を聞き、捨て猫ではないかと気が気ではなかったのだが、ある日、その声の主がうちの玄関の前に立っていたのだ。すぐその猫だと分かった。子猫どころか、大きな太った黒猫さんだった。首輪をしていて、眼光は鋭く、いかにも賢そうな顔をしていた。そして、彼(彼女)の気持ちが伝わってきた。「私を飼ってくれませんか?」私は心で答えた。「だって飼い猫さんでしょ?それにうちに1匹いるしね。ごめんね。」すると、黒猫さんは、私の気持ちが分かったかのように、庭を抜け去っていった。その後、しばらく黒猫さんとは会わなくなっていたのだが、昨日、道を歩いていると、彼(彼女)を抱いている若い男性を見た。彼(彼女)は最初おとなしく抱かれていたが、そのうち嫌がって飛び出していった。その男性は、名残惜しそうに黒猫さんを目で追っている。そう、黒猫さんは、近所でもいろいろな人に可愛がられているのだ。もしかして定住猫ではないのかもしれない。でも、自由を愛し、誰からも可愛がられているから、何の心配もないのだ。なのに、なぜうちに来たのだろう?私が猫とお話できる(?)から、じっくり話したかったのかしらん。今でも大いなる謎である。
