芋煮会 | 森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

森中あゆみの「山と薬膳で、ココロとカラダをまるごと養生♩」

「世界の国の人と自然」を愛するヨメが
「岩と雪と氷」を愛したダンナと
日々のつれづれを発信します。

ここ数年、体調がすぐれない黄門さまから、今年は春の早い時期に芋煮会開催の話

をもらっていて、楽しみであったものの、体調がどうなのかと心配も同じくらいあった。

酷暑、地震、台風と、畑をおびやかす自然災害にもめげず、立派な里芋が出来た、と

連絡をもらったときは、里芋以前に黄門さまの復活に嬉しくなった💛


9年前・・・、

ダンナが亡くなったとき、食欲がなくなり、ギスギスの顔になってきて・・・。
そんな私を見越したかのように、黄門さまが手作りの野菜を届けてくれて、丹精込めて

作られた美しい野菜たちの賞味期限に後押しされるように、ちゃんとした食事を再開し、

山にも行けるようになった。私にとっては生きる気力を与えてくれた黄門さまと野菜たち。


その後、芋煮会を開催してくださることになり、2011年11月、このシリーズが誕生した💛

黄門さまのお野菜は、手をかけ、心をこめ、しっかり研究して、丁寧に作られているので、

見た目にも美しく、そして美味しい。土をしっかり作ったら農薬は要らない、と仰っていた。


丁寧なのは作ることだけではない。

例えば、青じそを送ってくださるのでも、ビニールにポイっと詰め込むのではなく、方向を

きれいに揃えて、濡らしたキッチンペーパーに包まれて届けて下さるので、傷みが殆ど

ないばかりか、パリッと活き活きしている。梅用の赤じそでもさっと洗って土を落として

送ってくださる。梱包一つにしたって、本当に美しい。お人柄がにじみ出ているのだ。


そんな黄門さまの作る芋煮だから、皆さん、楽しみにされていて、今回も山はご一緒

出来なくなった方でさえ、電車とバスを乗り継いで参加してくださった。ということで、

今年も満員御礼で当日を迎えた。

万博記念公園の太陽の塔。の裏側(笑)!

例年、芋煮会は摂津峡をかる~~く歩いて、会場のあくあぴあ芥川(あが多い💦)に

向かうのだけれど、今年は台風でいまだ封鎖中らしい。なので、バス移動が必要だけど

阿武山に登ることに。


300mに満たない小さな山には、藤原鎌足のものかと言われている立派な古墳が

あったり、箕面から五月山方面、大阪北部が見える大展望台があったりして、そこそこ

楽しい。植物も面白そう。あちこち看板があって地元民に愛されてる感が半端なく、

逆に案内され過ぎて戸惑ってしまうほど・・・。

阿武山山頂。三等三角点あり。昔は、高い木々がなかったため、米相場の旗振り山だ

ったらしい。別名美人山だそう。理由分からず(笑)!


阿武山を南北に続く8kmは武士(もののふ)自然歩道に設定されているようで、ルート

案内もきっちりある割には、その武士とは?の説明がこれまた全く見当たらない・・・。

探しまくって、人のブログで、明智光秀が本能寺の変の後、畿内軍事を固める際に

軍事用道路として使った道、というような記載を見つけた。

この時期、あちこちの山で見つかる「コウヤボウキ」

風情があるから気が緩むとの理由でススキがない高野山で、掃除用のほうきの代用と

して、この花の軸を集めて利用していたと、モノの本には書かれている。

その話をし始めたら、「へ~~」と興味を持ってくれる人、「何回も聞いた!」と笑ってる人、

後のグループでは、晴れ女さんがそれを説明してくださっていたりして・・・、このメンバーの

新旧が伺える。私から同じ話を何度も聞いてる人は、お姉ちゃんが妹に勉強を教える

ように、新しいメンバーに知ってることを伝達し、話すことで自分もスキルアップする。


知ってる人が知らない人にモノを教えたり、元気な人がしんどそうな人に声掛けをしたり、

お互いに労わり助け合う、というチームワークが自然にできているパーティーは、どんな

マッチョ軍団よりも安定感がある。頼もしい!


山の相談を受けるとき、「体力に自信がない」とか「長く歩いてないから心配」との相談事

が多い。若い人は経験不足からの不安、年配者は体力不足から。確かに山には経験、

知識、体力はあった方が良いとは思う。


でも私は、そこはあまり重視していない。そんなにハードな計画、そもそもしていないし、

技術的に難しいところの企画もない。私が一番重視するのは人間性。


登山は、衣食住を背たろうて、朝から晩まで歩く過酷な運動。制服もルールも年齢制限も

何にもないし、誰かと競うものでもない。自分の力を思い切りぶつける普通のスポーツと

違って、山はいかに体力をセーブして下山ポイントまで安全に歩くか、が重要であって、

基本、時間や距離や高さの更新を求めるものではない。もちろん、そういうものもある

けど、それは山というフィールドは同じだけれど、別のスポーツだと私は思ってる。

そんな特殊な運動を誰と共にするかは重要で、メンバー次第では、学びになり、癒しに

なり、もめごとに発展する場合もある。しんどい時にはどうしても我が出てしまう・・・。その

環境で如何に相手に優しくなれるか、調和を重視できるか、ものすごく人間力が問われる

と思うのだ。登山は社会の縮図、これが私の持論なのだ。


足並が揃った若くて元気なメンバーは、自分に自信を持っているから調和を乱しやす

かったりするし、経験者ばかりでは頑固すぎて学びや発見がなかったりもする。年齢層

や経験がばらついているほどに、パーティーの力量が上がり、それこそが安全登山の

第一歩だとかねがね思っているので、「コウヤボウキ」の皆さんのリアクションで、思わず、

あ~、今回も理想のパーティーだな~としみじみ思った。

バス待ちの時間も楽しい山ガールズ!


山の経験だけがモノをいうのではなく、人生経験での判断が必要なときもあれば、今どき

の新しいもので簡単に解決することを学ぶこともある。主婦目線は山では結構有効な

ことが多い!誰が先生に、誰が生徒になるかは分からない。逆に、誰が怪我して迷惑を

かけるかもわからない。誰も偉そうにすることもないし、誰も引け目を感じることもない。

そういえば、今回は山パス組も含め、全員が既婚者だった! 現状独身の私の潜在的な

アンバランスな部分を、このチームが吸収してくれたように思う。

さてお楽しみの芋煮会💛
準備の黄門さまと、山パス組3名も合流し、梅ワインでまずはかんぱ~~い♪

各自一品持ち寄りをお願いしておいたのだけれど、おにぎり、おかず、デザートと、

申し合わせたようなバランスの良さに感激!


誰かと誰かがどこかで一緒だった、というように、メンバー全員が緩やかにつながって

いるものの、はじめまして同士の方もあるので、一応、自己紹介タイムをとる。が!

個々のつながりが深すぎて、エピソードがどんどん出てくるので、二重三重の茶々入れ

で脱線しまくり、紹介はいっこうに進まず…。

山にはなかなか参加してもらえなくなった年長さんのお顔を拝見すると、ホッとする。

登山歴60数年とか・・・、私が生きた時間より長い、歩いても歩いても追いつけない

大先輩方。

そして、10名揃ったところで、さらにこのパーティーの安定を感じたのは、きっと私だけ

ではないはず・・・。


まだまだご指導いただけねばならないし、生涯山人生を全うしていただくべく、手を変え

品を変え、いろんな形でお顔を出していただけるような企画をしていきたいと思ってます。

それにしても・・・
お父さん、椅子に座って・・・まるで戦国武将の大将みたい!!もののふの道とあらば

明智光秀さん???

女子力向上委員会会長のみっちゃんが、こんな可愛らしいアレンジをしてくれました♡♡

あはは~~さすが会長!!何故か大鍋が似合う!!しかもガニ股(笑)!!


会場でお別れし、電車組は芥川沿いに駅まで40分ほど歩く。

楽しくってワイワイ興奮気味の私たちにはちょうどよいクールダウン🍀


美味しかったお鍋と同じくらい、ハートウォーミングな一日だった。