『リード・マイ・リップス』映画鑑賞。主人公は女性。35歳独身。土地開発会社に努める社長秘書である。難聴のため常に補聴器を付けている。人との付き合いはほとんどなく、唯一の親友以外に話をすることもなく、あまり身なりにも構わず、基本的に人付き合いには拒否的で、ファッション雑誌を読むのが好きである。そんなある日、仕事上で些細なミスをしてしまう。大したミスでは無いがパニックになった主人公。上司から仕事の補佐をする助手をつけるよう言われる。面接に来たのはタトゥのある粗野な感じの男。服役したことがあるという。どこか魅かれるところがあり、主人公はその男を自分の助手に雇うことに決める。性格がまるで異なる二人だが、いつしかお互いの存在を意識するようになる。そして、二人はひょんなことで、悪人達が大金をせしめたことを知り、その金を奪うことを計画する。キャラクター造型の上手さ、巧みな脚本。特に後半の展開には思わず声を上げてしまうほど感心した。ラブストーリーが基調となるが、あまり二人の恋愛が全面に出ることは無い。あらゆる場面が巧妙につながる極上のフランス産クライムサスペンスである。お薦め！