『なんちゃって家族』映画鑑賞。主人公は独身。ヤクの売人である。ヤクを売った金を持って家に帰ろうとすると、女性がチンピラに絡まれているところに遭遇する。女性を助ける主人公だが、チンピラから逃げる際に今日の売り上げすべてが入ったバッグを失ってしまう。ヤクの元締めに金を持っていかなければ命は無いが、元締めは「メキシコから大麻を密輸してくれば今回のことはチャラにする」という。メキシコから大麻を密輸する際に捕まれば25年の懲役である。背に腹は代えられぬと主人公は大麻の密輸をすることを受け入れざるを得なくなってしまう。さてどうするか。主人公はキャンピングカーで旅をする仲の良い家族のふりをすればメキシコからアメリカに入る税関をうまく通り抜けられると考え、さっそく仲間を募る。同じアパートに住む冴えないティーンエイジャーの男、場末のストリッパー、ホームレスのパンク少女、と個性豊かなバラバラな4人で家族のふりをし、大麻を密輸しようとするのだが、次から次へとトラブルが4人を襲う。はたして4人は無事にアメリカに帰ってこれるのであろうか。おバカさんばっかり出てくる緩いコメディかと思いきや（ま、実際おバカさんばっかり出てくる緩いコメディなのですが）、意外にもよくできた脚本は実にスリリングでハラハラし、さりげないセリフや設定が後半への伏線になっていたりと、最後まで飽きることなく楽しむことができる。痛快なクライマックス、やっぱりアホだなぁと思わせるラスト。楽しげなエンドロール直前のNG集と、とにかくこの映画は面白い。ここ数年公開された映画の中で、一二を争う爽快なバカ映画である。お薦め。