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FIA(国際自動車連盟)のマックス・モズレー会長が、約3年ぶりにF1に復帰するミハエル・シューマッハについて、「シューマッハは復帰戦ですぐ勝つことだってできる」と語った。現地時間(以下、現地時間)9日、イタリアの新聞『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙が伝えている。

 前戦ハンガリーGPの事故で頭部を負傷し、現在は自宅で療養しているフェラーリのフェリペ・マッサ。代役として次戦ヨーロッパGP(8月23日決勝)からM.シューマッハの起用が決まり、大きな注目を集めている。10月にFIA会長職を退く予定のM.モズレー氏は、ドイツの新聞『ビルド』紙に対し、「シューマッハは勝者であり、バレンシアから勝つことだってできる」とコメント。さらに、「彼は偉大だし、F1をおおいに刺激するだろう」と期待を寄せている。

 一方で、M.シューマッハのマネージャーを務めるウィリー・ウェーバー氏は、「理想的な状況ではない。ミハエルはマシン、KERS(運動エネルギー回生システム)、バレンシアのサーキット、新しいタイヤを知らないんだ。さらにフェラーリは勝てるマシンではないので、(今季)これまで一度も勝利を挙げていない。とはいえ、世界でもっとも優れているF1ドライバーではあるよ」と冷静に話していたという。



バーニー・エクレストンは、ミハエル・シューマッハーのF1復帰を歓迎、シューマッハーなら今のフェラーリのマシンでも勝てるだろうと確信し、今年のみならず来季以降もF1に残ってほしいと願っている。

 ハンガリーGPで負傷したフェリペ・マッサの代役として、ヨーロッパGPにシューマッハーが出場することが決定した。エクレストンは、このニュースを聞いた時、驚いたと言う。
「(シューマッハーのマネージャー)ウィリー・ウエーバー同様に私も驚いた」とエクレストンは記者会見で語った。
「彼もシューマッハーの復帰を知らなかった。説得したのは(フェラーリ会長)ルカ・ディ・モンテゼモロだと思う」

 ハンガリーGPでルノーチームがペナルティを受けたため、控訴によってそれが撤回されなければ地元ヒーロー、フェルナンド・アロンソはヨーロッパGPには出場できない。それだけにシューマッハーの出場をエクレストンは喜んでいる。シューマッハーは自分の後を継いでチームに加入したキミ・ライコネンと初めて同じマシンで戦うことになり、若手ルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルとも初めてレースで競う機会となる。
「彼はあまりにも勝ちすぎており、退屈だと言われていたが、それでも常に非常に人気があった。彼は退屈などではなかったし、彼のせいでつまらなくなることはないだろう」とエクレストン。
「自分がコンペティティブだと思わなければ、彼は復帰を決めたりはしなかっただろう。ミハエルはコンペティティブな男だ。(他のドライバーに)ひとつやふたつドライビングレッスンを行うことになるだろうね」

 エクレストンは、シューマッハーに来季もF1に残ってほしいと考えている。
「彼には何シーズンも走り続けてほしい。来年どうなるのか見てみよう。彼は大きな決断をするかもしれないよ。彼はまた勝利を挙げるはずだ。そのことを疑問に思っている人々がなぜいるのが私には分からない。確かにマシンには競争力がない。だからこそ、そのマシンで他の誰が勝てるというのだ。誰かが勝てるとすれば、それはミハエルだ。彼はトップの地位にいながら去った。だからこそ、今回の復帰となったのだ」