ドライビングポジションからの眺めこそ、懐かしく感じたけれど、いざ高速道路を走りだせば、懐かしいなどとはとうてい思えなかった。
重いステアリングの切れは、さすがに鋭く、軽すぎる355とは、まったく違う緊張感がある。
5段マニュアルギアは渋く、ゴクリ と手応えがある。
エンジンはシャープで気持ちいい。
MSレーシングのマフラーは、コォ~~ン~♪~ と、4000回転付近で最高に鳴いた。
漫画 モデナの剣の348は、クゥ~ォォオオ~ン~ ♪ だっだが、アレは作者がキダスペマフラーだったからだろう。
キダマフラーは、3000回転付近で、清水草一も、しつこく書くよう、究極のメロディを奏でる。
ボクも348では、いろんなマフラーを試したけどキダマフラーが好みだった。
しかし、高速道路で窓全開160キロ辺りでは風の音に、キダマフラーの音は負けてしまっていた。
だけど、このMSレーシングのマフラーは、風に負けずに、心地よく室内からフェラーリサウンドを聴ける、素晴らしいマフラーだ。
348はシートもボディも355より、わずかにタイトだけど、クイックなステアリングの応答性のおかげで、コンパクトなスポーツカーに乗っている雰囲気がある。
355は、あらゆる操作が、つくづく軽く、ノーマルシートのホールディング感は悪い。
モンディアルや355を気楽に5年も乗っていたせいか、348の操作は、とても重く感じた。
5年も愛し抜いた348なのに、348は優しくはなかった。
そして、ボクは、このまま348に乗って帰りたいと思った。
苦労に苦労に重ねて、、、倒れるまで働き、、 命がけで手に入れた348
何が命がけだ、、、オーバーな、、、 と 思われるかもしれないけど、1000万近い金額を、その当時の月給17万円の20代の貧乏な若者が、用意するのは、本当に必死だった。
今 F430を買うより困難な道のりだったと思っています。
ネットもない 友達もいない 直してくれる店もない そんな時代に 苦労して1人で乗っていた348は僕の中では、永遠に特別だ。
ありがとう フェラーリ348