朝、息子を学校に送り届けてから、自宅に向かった。頭の中で何度もシュミレーションを繰り返した。引っ越しの業者は手配済み

心臓がバクバクして、手が震える。


1、車のバッテリーが上がっているから、ロードサービスを呼ぶ

2、ロックスミスを呼ぶ
(家の鍵を開けてくれる人)


3、網戸を外すと家の中に入れる場所があるから、そこから入り12時までに引っ越し業者がくるまでにパッキングを済ませる。


(網戸が開いてもその内側の窓が閉まっていたら入れない。あいつなら絶対に開けてるはず)

運び出した荷物を収納する倉庫は契約済。まだお家決まってないからね。



家に到着し、窓が開いてることを確認して1、2に連絡をする。
網戸を外し、パッキングの段ボールを放り投げ、窓をよじ登り入室。見慣れた家、私が出た後の生活の後、パスタの空き缶、焦げた鍋、散らかった部屋、一瞬気持ちが萎えたが、そんな余韻に浸る間も無く、どんどん荷物をパッキングした。


ロックスミスが到着し、外から玄関の鍵を外してくれた。ロードサービスも到着し車が動くようになった。(息子の車)

パッキングを2時間も終えた頃、引っ越し業者が1時間早く到着してくれた。いかつい大きな作業員。何を運び出すか指示して、引き続き私はパッキングを続けた。

Matsukoはこの家の住人で、家賃も半分払っているので、そして何より沢山の家具をかったので、勿論、運び出す権利があります。が、Timがもし帰宅して、それは俺のだから持っていくな!とか、今すぐこの家から退去しろ!となると、中断して退去せざるをえません。法律で決まっているそうです。弁護士に確認済み。

そうなると、後は揉めるだけです。

逆に、いない間に運び出せれば、Timはその運び出されたものが自分の物なのに、勝手に持ち運び出されたと、家庭裁判所に訴え、そこで勝訴しないと取り戻せません。

お前が長年俺の冷蔵庫を使い壊れた。その代わりに新しく冷蔵庫をお前が買ったからといっても、お前のものにはならない。俺のものだ!という主張は勿論、通りません。一銭もだしてないんですよ。当たり前ですよね?!半分でもだしたならまだ言い分は理解できるけど。

なので、Timもお金をかけて家庭裁判所に訴えるというところまではしないでしょう。

何としてでも奴のいない間に、全てのものをトラックに詰め込んで、この家を離れなければいけなかったのです。

勿論、作業員のお兄さんにも事情は説明済み。

Timがパッキングをした後があった。息子の洋服を丁寧にたたみ、テニスのトロフィー達を大事そうにパッキングしてあった。それを横目に、matsukoはダンボールにどんどん詰め込んだ。洋服などたたまず、次から次と放り込んだ。息子のもの、布団や布団カバー、私の私物、私が買った収納箱やカーテン、キッチン用具、トイレやバスの小物、たくさんの写真、いたるところにTimの私物が混ざっていたが、ざっと大きな入れ物に入れ替えた。

テレビやソファー、テーブル、テレビ台、冷蔵庫、自転車、カーペットなど大きな荷物も手際よく、トラックに運ばれた。(これらの家具は、息子の為に買ったものなので、冷蔵庫を除いてはTimさんも自分のものを持っています。ふっるーい汚いソファーによく壊れるテレビぐらい)

作業員が2名、誰がどの部屋で作業してるか背後で感じながら、予想もしない足音が玄関からするたび、持っていたハサミを構える。

どんな精神状態

喉はからから、動悸は止まらない、早く早くこの家をでなければ。

Timの子供のために買ったベットと机10万相当、木製のブラインド20万相当、家中の電気カバー5万円相当、Timに貸したお金40万。これは諦める。

私が買ったものを全て運び出すと、殺伐とした家になった、初めてTimの家に来たあの家、こんな家だったな。ネズミのフンが家具の後ろにたくさんたまっていた。かろうじて、私が買い替えた木製のブラインドが、少しだけオンボロ屋敷をましに見せていた。

荷物を詰め込み1時間半後、完了。

ロックスミスがすでに古い鍵から新しい鍵に変えてくれたので、家は鍵をかけず、新しくつけかえた鍵は持ち帰った。Tim が持っている鍵ではもう施錠はできない。Timへのwarning 。

私はあんたよりだいぶ賢いと。


さようなら
オンボロ屋敷