出版社の不採用がきた息子に、社会の厳しい風があたる。
自作の小説を持参で何社も受けるが
「小説は賞とかとりましたか?」
「文章を書く以外に特技は?」
どこも不採用。
当たり前だわ、戦後の昭和でもあるまいし、若者の本離れの昨今、文章力で勝負できないわ。
と誰もが思うように、母も思った。
「お前は太宰治か」
でもそれを言わなかった、何だか言わない方がいいと思ったのだ。
息子は小さい時から、勉強も運動もまぁまぁだったけど、作文や物語を書かすと、ピカ一だった。
どの先生にも表現が独特、文面に引き込まれていく、と絶賛された。
本人もその気になっていた。
だからその表現力の自信だけは失わせたくなかった。
ただ、導いている方向性が間違ってるとは気づかなかった。
何社も受けてダメだったら、普通焦るはず。でも少し距離を置く、っていうより、一旦やめる。
またプチ引きこもりが始まった・・
つづく