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 いまや、若い世代にも広がっているお金の不安。「自分だけは大丈夫」とはなかなか言えない状況になっている。

 「教えて!goo」「計画性のない人は貧乏になりやすいですか?」という質問には、「マネープランを念入りに立てても、それを実行しなければ貧乏になります」(GodSaveUsさん)、「計画性がないと瞬く間に底をついて貧乏になると思います」(mimidropさん)などの回答が。そこで、どのような生活習慣が貧乏を招くのか、お金のプロに聞いてみた。

貧乏になるのはどんな人?

 ファイナンシャルプランナーの山下幸子さんによると、以下の5つの行動を日常的に取っている人は要注意なのだそうだ。

1)ポイント、セールなど「お得感」に弱い

実は買い物ではなく、ポイントを貯めるのが目的で、「いつかは必要だから」が口癖。

 「このタイプは缶詰や調味料もデッドストックとなり、結局廃棄してしまいます。買い置きがたくさんあるからといって、トイレットペーパーなど日用品を贅沢に使用してしまいます。また、貯めたポイントはおまけ感覚があるので、思慮なく無駄使い的に使うようです。逆に、保有しても金利はつかないのにポイントを貯め続ける人もいます」(山下さん)

 さらに、セールや特売、ポイント〇倍デーという日に消費行動する人は余分な物を買いがち。多めに買ったものは「安く買ったから」という理由で大事にしないとのこと。

 「多く買って、無駄に使う。これこそ、『安物買いの銭失い』です」(山下さん)

2)クレジットカードで何でも支払う

 クレジットカードはそもそも支払の先送り。クレジットカードばかり使用していると、実はお金を使っていないという感覚にさせるのだとか。

 「赤字の月にクレジットでキャッシングするのも危険。支出を調整することよりも、不足分を借金で補うというやり方です。最初は1万円ぐらいの気持ちでも、だんだん慣れてしまい3万、5万、10万と膨らみ返済困難に陥るケースもあります」(山下さん)

3)リボ払いや分割払いをよく利用する

 このタイプは目先にとらわれ、結果的に不要な利息を支払ってしまうことに気が付かないのだそう。

 「リボ払いは金利が10%以上かかる高金利。ですが分割ということで、ついつい身の丈に合わない高額な物でも手に入れてしまう。リボ払いはなかなか支払が終わらないので、リボ払いの癖がつくと、借金で苦しみ、貯金ができない家計になりやすいです」(山下さん)

4)家計管理を一切しない

 必要な分を必要なだけ買い、余った分を貯金に回す人はこのタイプ。

 「貯金、積立、投資の計画は一切ありません。短期的、長期的にお金の計画を全くやっていない人は、いつまでたっても増えません」(山下さん)

5)小さな浪費癖がある

 「家に帰ればあるのに、我慢ができなくて、割高の定価商品を購入する人。コンビニのガムや自動販売機のジュースなど、無意識に浪費してしまいますが、ちりも積もれば山となります」(山下さん)

 スーパーのレジ横に並んでいるガムや乾電池、お菓子をついつい購入してしまう人は、早速今日から見直そう。

老後に向けたマネープランが必要

 貧乏にならないためには、若いうちから資産運用が必要なのだと山下さんは続ける。

 「働いている間は乗り切れても、いつか必ず老後はやってきます。いまの高齢者夫婦2人に必要な生活費から公的年金を差し引くと、毎月の不足金額は約7万円。これを貯蓄の中から取り崩してやりくりします。さらに、介護に必要なお金も計算しておかなくてはなりません。追い打ちをかけるようですが、公的年金は世代間扶養、つまり若い人の年金保険料で高齢者の公的年金を支えています。しかし、今後は若い人は少なく、高齢者が多くなっていきます」(山下さん)

 今は2.2人で高齢者1人を支えているが、2025年には1.8人で高齢者1人を支えることになり、年金、医療、介護といった社会保険給付は1.36倍に増えていくと想定されているとのこと。

 「よって、今もらえている公的年金が将来も同様にもらえるとは考えにくく、その不足分が自助努力となります。ますます自助努力のウエイトは高くなるでしょう。また公的年金はインフレにも弱いため、資産運用を避けて通ることは難しいでしょう。生活に困ることを貧乏というのでしたら、公的年金に頼り切った老後生活プランでは破たんを招きかねません。公的年金をあてにしないマネープランが国民一人ひとり必要な時代です」(山下さん)

 上記で挙げた5つの生活習慣の改善はもちろん、長期的なお金の計画が必要だといえそうだ。

●専門家プロフィール:山下 幸子(やました ゆきこ)

山下FP企画代表。ファイナンシャルプランナー CFP(R)。テレビ・雑誌・インターネットなどメディアで活躍。「書いて・話せて・話がわかりやすい」実務家FPとして人気。1児の母・主婦でもあり、女性目線で身近な事例に沿って説明するわかりやすいマネーセミナーが好評。