今回の登場人物
恵子(けい)…まさるの妻 30代。
優(まさる)…俳優志望。けいの夫。40代。本業の無い時は浅草にある甘味処「みたらしや 甘露-かんろ-」でバイトしてる。
ーーまさるの自宅。桜(3ヶ月)が寝ている。
神棚には、『命名 桜』の紙が貼ってある。
まさる、神棚にお酒と柿ピーをお供えしてお参りしている。
けいは先程、甘露の女将さんから頂いたみたらし団子と〝お〜稲荷さん〟をテーブルの上に並べているーー
けい「(ひとつ食べて)冷めても美味しいのが甘露のみたらし団子よね。」
まさる「なんたって、たかちゃんの思いが詰まってるからな…いや、たかちゃんそのものと言っても良い。」
けい「たかちゃん一個食べちゃった。」
まさる「…そう言う意味じゃなくてね…たかちゃん…たかちゃんが亡くなってもみたらしやの団子の味は守っていきます。」
けい「まーくん、そう言えば甘露暫く休んで台本書くって言ってたけどどうなってるの?」
まさる「そうなんだけど、たかちゃんの事があって甘露も人手不足になったりしてなかなか休みに入れなくて…だけど台本は一応完成したんだ。」
けい「すごーい!読みたい。」
まさる「ちょっと強引な展開かもしれないけどやるだけはやった…もう少し手直ししたら読んでもらおうかな。」
けい「上演はいつするの?」
まさる「そうなんだよ。台本書いても上演まで漕ぎ着けないとお話にならないでしょ?」
けい「書いてないのと一緒だよね。」
まさる「やってなんぼだからなぁ…ちょっと種明かしするとこの作品は上演して初めて完結する様な構成にしてあるんだよね。色んな意味で浮かばれる様に書いてるからさ…なんかタイミング良く劇団が再来年の上演演目を募集してるから出してみるよ。」
けい「(桜を抱っこして)フレーフレーまさる!頑張れ頑張れ父ちゃん!よっ!みたらしや!」
まさる「おれーのーことーかーっ!!(見栄を切る)…桜のためにも頑張らないとな…だけどこんなにお目々ぱっちりで誰に似たんだ?今日見た赤ちゃんの中で桜が贔屓目無しで一番可愛かった…」
けい「誰の子だと思ってるの?百歩譲って、親バカ引いても一番かわいかったよねー。」
(親バカ夫婦の未来は次回へつづく
)

