吉田秋生さんの作品に「櫻の園」という短編集があります。
私が吉田作品と出会ったのは例にもれず?「バナナフィッシュ」だったんですけど。
あまりにも面白くて、他の作品も読みたくなって、そしてこの「櫻の園」を初めて手に取ったのはいつだったか・・・
あまり覚えてはいないんですけど。
それでも多分19歳かそれぐらいだったと思います。
それ以来、私のバイブルともいうべき作品で、折に触れては読み返し、やっぱり涙してしまう。
初めて読んだ時のように号泣したりはしないけど、これを読むと、日々の生活で少しずつ少しずつ溜まってしまう心の澱のようなものが、浄化されるような気がするんですよね。
ああ、私は私でいいんだ
と思える。
少女の頃、とりわけ高校生だった頃の自分に、「大丈夫だよ」と言ってもらえてる気がする。
私は常に漠然と「許されたい」と思ってるんだと思う。
誰に?とかなぜ?とか考えるとよく説明できないんだけど。
突き詰めて考えると、なんか宗教的な話になりそう・・・(笑)
この短編集は、同じ女子高に通う少女たちのそれぞれのエピソードを収めているわけですが。
どの少女のお話も、共感できるというか、このころの少女特有の説明できない重苦しさを代弁してくれているんですよね。
決して美しいだけではない、少女の内側がよく描かれていると思う。
高校生当時に読んでいたらどう思ったかなぁ・・・
でもこの漫画は多分、昔少女だった大人の女性が読んだ方がいいんじゃないかなと思う。
最初のお話の主人公あつこの姉が、結婚直前に彼女の初めての男に会うんです。
そのとき帰宅して化粧を落としながら淡々と妹のあつこに語るくだりが何度読んでも泣けるんです。
(以下抜粋)
「ほんと偶然に会っちゃったのよ」
「久しぶりって言って」
「あたし思ったの きっと誘われるだろうなって」
「あたしうそついた 言えなかったわ もうすぐ結婚すること」
「ああ 10年たったんだなってほんとに思った」
「もうあたしも17の女の子じゃないし あの人も18の男のコじゃない」
「もう あの ぎこちないキスは二度としてもらえないんだなぁって思った・・・」
「本当に好きで好きでたまらなかったのよ・・・」
やっべ、書きながら泣けてきた・・・
別にお話が自分の経験とリンクしているとかそういうわけではないんです。
もうね、どのエピソードも私にとっては心臓を撃ち抜かれる思いというか、「ありがとう」って言いたくなる。
いかん、好きすぎて全然冷静に説明できない。
この短編集の最後には「スクールガール・プリンセス」という別の短編も収められているんだけど、これもまたいいんだよ。
これはまぁまさに今の私にリンクしてるな。
初めて読んだ当時はそんなことなかったけど(笑)
夫婦っていうのは、燃えるような恋心とは無縁かもしれないけど、どうしてその人を好きになったのか、一緒にいることを選んだのか、たまに思い出せばいいかなと思う。
「大切なことを思い出したのよ」
「いつか忘れることがあっても きっとまた思い出せるわ」
日々を生きる、生活するというのはとても根気のいることです。
いつか、私の数少ない風来坊(って今使う?w)的な知り合いが言っていました
「自分は平凡な生活をする勇気がないんだ」って。
そうです。
毎日同じことを繰り返し、地道に生きていくというのはとても勇気が要ることなんですね。
私でいえば、毎日朝起きてお弁当を作り、洗濯をして掃除をして、子供たちの世話をして、またご飯をつくり、お風呂を沸かし、寝る。
そういう生活を送っていられる自分を、誇りに思おうと思います。
余談ですが、私は吉田秋生さんの画風も好きです。
だんだん変わってきましたが。
この方の描く男性がものすごく好みなんですよ・・・はぁはぁするくらい(爆)
とくに体がね、すごい“男性”を感じさせるの。
首とか肩とか肩甲骨のあたりとか。
後姿を描かせたら天下一品だと思う。
以上。
他の単行本のことも、また書けたらいいな。
私、漫画大好きなんです。
・・・好みが偏ってるけどね。