私は、英文法に特化した授業を、週に3時間複数クラス分担当しています。ちょっと多過ぎですね。

一日に扱う文法項目が、恐ろしいほど多い場合があります。

例えば、最近では「接続詞」の授業をしましたが、1日に6種類もの接続詞を導入してしまいました!

私はいったい何をしているんだろうと、疲れた表情をしている生徒たちの顔を見て、深く反省する日々が続いていました。

ただ単にルールを教えて、練習問題をし、それでおしまいという、実に退屈な授業になってしまっていたことと思います。

もちろん、少しですが生徒たちがペアで発話するタスクも用意はしたのですが、アウトプットの量としては話にならないほどお粗末なものです。

このような現状についてなんとかしたいと思っていたとき、たまたま手にとった「英語教育」という月刊誌の10月号のテーマが、「新指導要領下におけるコミュにカティブな英文法の指導」というものでした。

この雑誌の15ページに、ハッとさせられる言葉を見つけました。

英語教育の目的は、英語で自分の思い、考え、気持ちなどを伝える活動を通して、より深く、広く、また、柔軟な発想で物事を考えることができるようになり、同時に、学習者の心を育むことである (Cook, 2002: 334)。

機械的な口答練習や暗記したことを言う活動だけでは、学習者は単なる『ことばの学習者 (language learner)』であり、コミュニケーションを可能にする『ことばの使い手 (language user)』になはれない(同書 : 39)。

このことはわかっていたはずなのに、実際実践できていないのはなぜだろうか。そしてどのようにすれば現状を改善できるのだろうか。

その答えは、このことについて話し合える同僚と小さなプロジェクトを作って、現状の問題点を明確にし、その問題点を解決するために日々の授業を改善していくことなのです。

Vivian Cook(著者は、男性です!)の以下の著書と、

Second Language Learning and Language Teaching/Vivian Cook

¥2,511
Amazon.co.jp

その本の参考ウェブサイト
Second Language Learning & Language Teaching: the Website

が非常に参考になりそうですので、活用してみます。これらを活用すると深く学べそうです。

また、この月刊誌の26ページで、私の尊敬する久保野雅史先生が、文法規則の説明に時間がかかりすぎないよう、次のような授業の流れを提案されています。

ア 文法の導入•説明は必要最小限のポイントに絞り、短時間で腑に落ちるよう工夫する。
   ↓
イ 言語形式を意識させた口答練習を行う。ここにも、時間をかけすぎない。
   ↓
ウ 簡単なコミュニケーション活動を行う。ここで、生徒たちの活動をモニターし、誤りの傾向を把握する。
   ↓
エ 共通する典型的な誤りなどがあれば、全体に向けて注意を喚起し、必要に応じて追加的•発展的な事項を追加し、ウの活動を続ける。場合によっては、イに戻る。

"We learn to do by doing."

考えすぎないで、とにかく行動してみます!