ビット・パーフェクトって何?
ビット・パーフェクトについては、いろいろな場面から言うと複雑な説明が必要なんでしょうが、私が問題にしているのは要するに音楽CDやネット配信(ストリーミングも含む)の元の音源と、それからリップしたファイルとがデジタルデーター的に1ビットも違わず出来上がるということを指しています。
私は中学・高校生だった頃、いわゆる「エアチェック」が趣味で、いろんな曲をFM放送からカセットテープに録音したものでした。当時は学生で小遣いも少ないしレコードを買うお金がありません。でも好きな音楽がいつでも聴きたい。ということで当時FM放送を録音することしか音源を無料で手に入れる方法がなかったのです。勿論テープを買うお金は必要でしたが、レコードよりは遙かに安価。私以外にもこういう楽しみ方をしている人が多くいたのでしょう。私が知る限り当時3つぐらいFM放送の番組雑誌が発刊されていました。
しかし「エアチェック」なる言葉。直訳すれば「空気(空)を検査・照合する」ってことなんでしょうが、完全な和製英語でおそらく外国人には通じないでしょうね。でもなんか雰囲気を言い当てている言葉だと思います。
このエアチェックはFM放送の高周波成分をFMチューナーの復調回路で復調した低周波アナログデータをFMチューナーの最終段のラインアウトから(カセット)テープデッキに入力して録音するという、入り口から出口まですべてアナログ処理の世界。ですからまずFM放送をしっかり捉える為にアンテナから吟味する必要がありました。5素子がいい、いや、3素子で十分とか。。。
私が今ハマっているビット・パーフェクト録音も根底にはエアチェックと通じるところがあるように思います。結局少しでも良い状態で音源を手元に置きたいということ。
しかし相手がアナログデーターであることと、デジタルデータであることとは基本的な知識とか方法がやはり異なってきます。結局アナログデーターで問題になるのはとにかくノイズを如何にして減らすか(理想はゼロ)ですが、デジタルデーターの場合は元のデーターのデジタルフォーマットを如何にして崩さずに取り込むか、という点です。デジタルデータにおいてビット・パーフェクトが達成されれば少なくともDACの直前までは元の音源と全く同じであることが保障されるでしょう。もちろん、この後にはDACのジッターの問題、USBの伝送系にまつわる各種ノイズの問題がまだ残りますが、いずれにしても素人が出来うるデーター損失を最小限に抑える方策の一関門を突破することが可能となります。
まあ、上述の通りジッター等の問題や伝送にまつわる問題もありますが、後は最終的にはアナログ処理に終始します。これはDACチップの性能や後段のライン出力アンプ構成等々によって音が決まってきますから。もっと言えばDACから受けるプリアンプ・パワーアンプ、あるいはアクティブスピーカーを使っているのであればその内蔵アンプ、そして最終的にはスピーカーの性能で全てが決まるわけで、つまり総合的な配慮が必要なわけです。
ビット・パーフェクトはその内の一つの配慮に過ぎませんが、やってみる価値は十分あると思っています。
