a.m.5:45
すっきりとした目覚め。
睡眠剤のおかげかぐっすり眠れた。
病室のカーテンを開けると外はすっきりと晴れ上がっていた。
洗面を済ませ、しばらく窓の空を見ていた。
a.m.6:30
2度目の浣腸。
昨日よりは長く我慢できた。
こんなので大丈夫なのだろうか?
絶飲食のため朝食なし。
空腹はまったく感じない。
なぜか緊張感もない。手術を受ける実感がないからか?
a.m.10:00
T医師回診。
a.m.10:30
血栓予防のための靴下をはく。看護師がはくのを手伝ってくれた。
そのくらいしっかりと締め付けるように出来ているのだ。
同時に術衣に着替えた。
体の前後を挟むような形で両肩、両脇を紐で留めるだけの
とても簡単な構造になっている。なんとも心もとない。
a.m.11;00
点滴開始。これもまた生まれて初めて。初体験づくしだ。
腕に入ったチューブはくにゃくにゃと
やわらかいので刺してしまった後は全く痛みを感じない。
手術中に血圧が下がらないように血を増やす(?)ためなのだそうだ。
p.m.1:30開始の手術までに3本。4本目を打ち始めて手術に入るという。
ラパロと同時に子宮鏡で粘膜性のポリープ除去してもらうために
子宮口を開くための綿を挿入。
処置をしてもらうと軽い生理痛のような痛みがある。
彼が病院に到着。
洗濯、買い物、家の用事を済ませてきてくれた。
手術に入るまではまだ少し時間がある。
私は不思議と落ち着いていた。本を読む余裕もあった。
今、思い返してみると、彼がいてくれたおかげだったと思う。
転勤族なので近くに頼れる身内はいない。
彼はずっと私が安心するように気遣ってくれていた。
p.m.1:30
麻酔を効きやすくするための注射を両肩に打たれた。
hmg、hcgで慣れていたはずだがこれは痛かった。
点滴の中に何か(説明はあったが忘れた)薬を注入、同時に喉がかぁっと熱くなった。
何か強いお酒でも飲んだときのようだった。
自分で歩いて行けそうだったが、ストレッチャーに乗せられて手術室に向かう。
病室の前で彼にいってきますと手を振った。
後に聞いたが彼はこのとき泣きそうだったという。
手術中待っている間、仕事をしようといくつかの書類を持参していたが
全く手につかず、手術が終わるまでの2時間おろおろしていたらしい。
当の本人の私は本当に落ち着いた気持ちでいた。
しかも麻酔が効いてからはもちろん何も覚えていない。
こういうときは待っている者のほうが落ち着かないものなのだろうか?
手術室に入ると7、8人の看護師が一斉にそれぞれの仕事をこなしていった。
心電図、心拍、血圧を測る機械を装着される。
口の中はさっきの薬の影響でカラカラに渇いていた。何度も何度も口の中を潤そうと
唾を飲み込むが喉は粘りつくように渇いていた。
心拍が私の高まりを知らせる。
まるで他人事のように速まる心拍を知らせる信号音に耳を傾けていた。
背中を丸め横になり、腰の辺りに硬膜外麻酔を注射された。
予備の注射のおかげか全く痛みは感じない。
せわしなくいろいろな機器が動く音が聞こえる。
最後に点滴の中に何か薬物を注入された。
麻酔科医のこれは痛いかもしれないよ、という言葉とともに
点滴が刺さった部分からビリビリと電気が流れるような痛みが広がった。
思わず痛っと声をあげる。
同時にさらに喉が熱くなり、そのまま何もわからなくなった。