ホントに夏が暑いですね!
私は、今年の梅雨が梅雨らしいと呼べるほどの
雨量を観測して、
夏らしい夏になるといいな、と
思っていたのですが
今は、そんな事を考える余裕が無いほど
夏バテ中です。
気象予報では
夏が暑いだけではなく
なんと冬も、寒さの厳しい冬になるとのこと。
暑さと寒さとで話すと
暑さのほうが耐えられる、と
今まで思って生きてきたので
冬はどうなるのだろう?と
いちまつの不安を抱きつつ
残暑と呼べないほどの暑さを耐えている私です。
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夫が亡くなり、3度目の夏になりました。
初めてのお盆のとき
彼らしいものを準備したくて
桜柄の盆ちょうちんを新調しました。
無駄遣いを嫌っていた夫は
ひょっとしたら無駄だ、と
怒っているかもしれません。
それから、納骨をするために
今までは納骨堂にお骨をあずけていたのですが
お墓を作りました。
大切な人が、こんな風に突然亡くなると
”もっと大切にしてあげられたのに
どうして、そうしてこなかったのだろう?”
と、いうような後悔ばかりが
心の中に生まれてきて
亡くなってから、こうして
必死でお供養に尽くしてしまったりするのだな・・・と
そう思います。
しかし、それは、もう
この世から居なくなってしまった人への
遺された私の、できる限界を知る事でもあり
やはり、区切り区切りの時には
いつも”ごめんね”と
謝りながらの生活を送っています。
彼が亡くなったとき、
一番に病院へ到着したのは私でした。
その日 依頼された仕事を
早く仕上げてあげたいと
仲間の板金職人さんへ、材料のカタログを
届けて欲しいといわれていて
そのカタログが間違いないと
確認してから届けるよう頼まれていたので
朝は早めに病院へいって
カタログに間違いがないように
確認してもらってから、届けたいと
そう思っていたので、
身支度ができたところで
事件の第一報をきいて
すぐに現場である、いつも毎朝通っていた病院へいきました。
いつものように車を走らせながら
銃に撃たれた事を聞いていた私は
彼が亡くなったとは、考えたくも無く
そして、意識はあるのでしょう?と
電話が掛かってきたときに問いかけたとき
”自分は全くわかりませんが、とにかく早く病院に来て欲しい”
と、言われたことで
死んだなら、死んだって言うだろう。
と、考えることで、何とか車を運転して
病院へ向かいました。
道中で、尋常ではない事件に巻き込まれたことだけは
分かっていたので、実家に電話したり
兄へ電話したり、会社にも出勤できそうに無い、と
連絡を入れました。
身内は、そのときの連絡で
どう考えたかは聴いていないのですが
同僚は、嘘だろう?何かの冗談だ。と、信じられず
すぐにパソコンを立ち上げて
ヤフーのニュースで事件の速報をみて
”本当に起こったできごとなのだ”
と、思ったそうです。
いわば義務的な連絡を済ませたあと、
ただ、車を走らせていた私ですが
どこまでも青く、雲ひとつ無い空の朝日が
いつもの道中に木漏れ日として降り注いでいて
”こんなに、のどかな風景だもん
きっと無事なはず”
と、信じたくて、
でも、暴力団関係者が入院していて
部屋をチェンジする形で交代してて
年齢や背格好も、その人と 何となく似ている
ような事を、何とか
そんなはずがない。
まさか間違いで命を狙われるなんて
そんなことは、ありえない。と
必死で思い直していました。
病院へつくと、いつもすんなり入れる駐車場には
黄色いテープでバリケードが張られていて
その入り口には看護婦さんと警察官が立っていました。
これじゃあ入れないな。と
思った私は、いったんそこを通り過ぎました。
少し先でUターンして
その人たちがいた入り口へ車をつけたのですが
今思えば、たぶん、尋常ではない雰囲気を
無意識に察知して、
真っ直ぐそこへいけなかったのだと思います。
私は、入り口に車をつけると
”すみません、身内のものですが・・・”
と、そこに居る人に声をかけました。
”宮元篤紀さんですか?”とのコトバに
あれ?なんで私の名前を知っているの?
と、思い、違和感を感じたました。
そうだと答えると、
”宮元さんの奥さんが到着されました!”
と、その警察官が大きな声で叫ぶと
あっという間にまわりに居た人が集まってきて
ひとりの女性の看護士さんが
わたしを抱きしめるように両手でささえると
”こっちへどうぞ”
と。裏口へ案内してくれました。
"何なのこれは?なぜ、見たこともないような人たちが
あたしの名前を知っているの?”
言い知れない不安を抱きながら
連れてこられた裏口で、
”ひろくんに、何があったの?”
と、看護士さんにきくと
”自分もすぐに外に出されて何もわかりません”
と、いうような返事を貰いました。
”もしかして、撃たれたのって、ひろくんだけ?”
と、きくと
”そうです”
こらえきれずに
”どこで撃たれたの?ひろくんに意識はあるんだよね?”
と、きくと
”一人で居る病室で撃たれて
蘇生はしているけど、
意識はありません”
と、目に涙をためて、そらしながら
その看護婦さんが言うのです、
私は背中にある、その看護士さんの腕を払いのけて
その看護婦さんの両肩を握ると、顔を覗き込んで
無理やりに目を合わせながら
”はあ?ちょっと待ってよ?
蘇生はしてるって、それってもう
一回死んだって事でしょう?”
と、揺さぶりました。
”・・・私は何も知りません。”
と、なきながら繰り返すその看護婦さんを
どれだけ、揺さぶったかは覚えていませんが
その後もずっと、同じ看護婦さんが
私のそばに着いてくれていました。
病室で撃たれたんなら
もう、命なんてあるわけないよね。
逃げばなんて、ないし
それに、ヒロ君、足が思うように動かなかったから
もう、死んでるんでしょう?
何度も何度も聴くけど
”私は何もしりません”
だけの答えしか、聞けませんでした。
誰だって、目の前に居る人が
一番ききたくないと考えてる事を
自分が伝えるのは嫌だし、
きっと、ダメだと分かっていても
言いたくなかったのだとおもいます。
絶望という状況をつきつけられた 私の全身から
血の気が引いていき
身体ががたがたと震えだしました。
ヒロ君が、撃たれた
無事だとガラス越しにゼスチャーしてくれるはずなのに
意識も無くて、蘇生中。
蘇生って事は、少なくとも一回は
心臓が止まってる状態。
ねえ、看護婦さん。
ヒロ君は生きているよね?
小さな声で、問いかけたけど
聞こえたのか、聞こえなかったのか
看護婦さんはただ、前を向きながら
私の背中を支えていました。