ビーム・インディア社が、おそくとも2006年から2012年の間、インド市場での酒類販売の拡大と維持の目的で、インドの公務員に金員を提供していたということが問題となり、今般、SECとUS$8.2milの支払いで合意に達したとのことです(リンク)。
サントリーがビームサントリーとなった際、法務デューディリジェンスで、どういうスクリーニングをされていたのか、興味深いです。
ビーム・インディア社が、おそくとも2006年から2012年の間、インド市場での酒類販売の拡大と維持の目的で、インドの公務員に金員を提供していたということが問題となり、今般、SECとUS$8.2milの支払いで合意に達したとのことです(リンク)。
サントリーがビームサントリーとなった際、法務デューディリジェンスで、どういうスクリーニングをされていたのか、興味深いです。
大阪地裁平成30年3月5日判決・ 平成28年(ワ)第648号 不正競争行為差止等請求事件(リンク)
事案の概要
本件は,医薬品の配置販売等を業とし,株式会社明星薬品(以下「明星薬品」とい う。)から配置販売業の事業譲渡を受けた原告が,①いずれも明星薬品の元従業員であり,同社退職後に競合会社である被告株式会社八光薬品(以下「被告八光薬品」と いう。)の一員となった被告P1(以下「被告P1」という。)及び被告P3(以下「被告P3」という。)並びに明星薬品の元従業員であり,同社退職後に被告八光薬品を設立し,その代表者となった被告P2(以下「被告P2」といい,これら3名を 「被告ら3名」ということがある。)が共同して,明星薬品から示された顧客情報を不正使用し,被告八光薬品に開示し(7号),また,被告ら3名が明星薬品退職時に返却すべき顧客情報を不正取得,不正使用し,被告八光薬品に開示した(4号)と主張して,被告ら3名には不正競争防止法2条1項4号,7号所定の不正競争行為,被告八光薬品には,不正競争防止法2条1項5号,8号所定の不正競争行為があるとして,被告らに対し,不正競争防止法4条に基づく損害賠償請求として,損害金381万8630円及びこれに対する不法行為後の日である訴状送達日の翌日(被告P1, 被告P2及び被告八光薬品は平成27年10月6日,被告P3は平成27年10月8 日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求め, ②被告ら3名は,明星薬品退職時に,誓約書を作成して競業避止の合意をしたにもかかわらず,これに違反して競業を行った債務不履行又は不法行為があり,また,被告らは,共同で被告八光薬品の業として競業避止義務違反に当たる営業活動を行うことにより,競業避止合意により原告が被告ら3名に対して有する債権を妨害した債権侵 害の不法行為があると主張して,被告らに対し,債務不履行又は不法行為に基づく損 害賠償請求として,損害金643万5000円及びこれに対する請求日の翌日又は不法行為後の日である訴状送達日の翌日(被告P1,被告P2及び被告八光薬品は平成27年10月6日,被告P3は平成27年10月8日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求めた事案である。
3 争点 (1) 不正競争防止法に係る請求関係
ア 顧客情報の保有者(争点1)
イ 明星薬品の顧客情報につき,営業秘密性が認められるか(争点2)
ウ 被告らによる不正競争行為(争点3)
エ 被告らの不正競争行為により原告に生じた損害(争点4)
(2) 競業避止義務違反に係る請求関係
ア 競業避止義務の内容及び範囲(争点5)
イ 本件誓約書に係る競業避止合意の有効性(争点6)
ウ 本件誓約書に係る競業避止義務の相手方(争点7)
エ 被告らによる競業避止義務違反行為及び被告らが支払うべき金額(争点8)
【感想】
争点だけみても、事案が大体わかりますが、原告のほぼ勝訴です。
事案の概要、長いですが、力作です。損害額の計算も大変だったでしょう。競合先に転職した元従業員の被告も、競合先も支払い義務を命じられています。
東京地裁平成30年5月31日判決・平成28年(ワ)第41720号 損害賠償請求事件
本件は,発明の名称を「地震到来予知システム」とする特許権を有する原告が, 被告の組織の一部である気象庁において行う緊急地震速報が原告の上記特許権 を侵害していると主張して,被告に対し,民法709条,特許法102条3項に 基づき,損害賠償金2億7000万円の一部請求として1000万円及びこれに 5 対する訴状送達日の翌日である平成29年1月14日から支払済みまで民法所 定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めると共に,特許法106条に基 づき,信用回復措置として謝罪広告の新聞掲載を求める事案である。
[感想]
個人発明家が国(気象庁)を訴えたものです。判断は、気象庁のシステムは「受信」がないことや、地震データをそのまま告知に使っており、「地震の到来方向」を演算で割り出したりしないものだから、構成要件の一部を充足しないというものでした。面白い発明内容だったので、目を引きましたが、地震の到来方向が分かるなんて、漢の時代の張衡が発明した地動儀を思い出しました。なお、地震とマグニチュードが均等侵害の論点で争われたので、これも面白いのですが、判断には至っていません。
ロールケーキで有名な堂島ロールの類似商品について、不正競争防止法に基づく差止請求をしていた事件は、堂島ロール側の勝訴と、大阪らしく、真似は「あきまへん」などと報道されていたのですが、判決文もアップされています(こちら)。
周知性のところで、
「遅くとも被告会社が設立された平成24年6月までには,原告標章は,原告商品の出所を表示する商品等表示として,日本全国で需要者の間に広く認識され,その程度は周知の域を超え著名といえるほどになっていたものと認められる」としたのは、その通りですね。
東京地裁民事第3部の事件がアップロードされました。
東京地判平成29年10月13日・平成27年(行ウ)第730号(法人税更正処分等取消請求事件)(リンク)
代表取締役に対する死亡退職金が不相当に高額である金額について、課税庁が損金算入を認めないとしたものです。
「平均功績倍率法」(※)の合理性を認めて、本件の退職役員の功績からすると、同業類似法人のデータから割り出した平均功績倍率を1.5倍したうえで、そこまでは退職給与として相当としました。
また、最高功績倍率法(※)の本件に対する適用も同業類似法人の功績倍率にばらつきがないなどとして、否定しています。
※「平均功績倍率法」
・・・同業類似法人の役員退職給与の支給事例における功績倍率(同業類似法人の役員退職給与の額を、その退職役員の最終月額報酬額に勤続年数を乗じた額で除して得た倍率)の平均値(平均功績倍率)に、当該退職役員の最終月額報酬額及び勤続年数を乗じて算定する。
※「最高功績倍率法」
・・・同業類似法人の役員退職給与の支給事例における功績倍率の最高値に、当該退職役員の最終月額報酬額及び勤続年数を乗じて
算定する。
曰く、
「本件役員退職給与に係る功績倍率は6.49であり、本件平均功績倍率3.26にその半数を加えた4.89を超えるものであるところ、亡Bが原告の取締役及び代表取締役として、借金の完済や売上金額の増加、経営者の世代交代の橋渡し等に相応の功績を有していたことがうかがわれることからすると、亡Bの功績倍率を上記の4.89として算定される役員退職給与の額について上記特段の事情があるとは認められないから、本件役員退職給与の額4億2000万円のうち、上記の功績倍率4.89に亡Bの最終月額報酬額240万円及び勤続年数27年を乗じて計算される金額に相当する3億1687万2000円までの部分は、亡Bに対する退職給与として相当であると認められる金額を超えるものではないというべきである。
しかしながら、本件の全証拠によっても、亡Bに上記の3億1687万2000円(功績倍率4.89)を超える退職給与を支給されるに値する
ほどの特別な功績があったとまでは認められないから、本件役員退職給与の額のうち上記の金額を超える1億0312万8000円は「不相当に高額な部分の金額」に当たるというべきである。」
原告側としては一部勝訴できたのですが、1.5倍というのはあまり理屈がないところなので、上訴される可能性がありそうです。
このほかにも、原告側は、納税者としては同業類似法人のデータを見れないのだから、申告後に後出しじゃんけん的に処分を打たれるような制度になっているのはおかしいと主張したのですが(この主張は巷間よく言われることです)、提出証拠からすると、任意団体の出してるデータで把握できただろう、ということで、あっさり蹴られています。これは、原告としてはなんとも微妙です。
HOYAに対する移転価格税制に基づく更正処分事件で、不服審査の判断が出ました。
処分は、平成25年6月、金額85億円で、国税不服審判所に対する請求が同年8月。5年近くかけて、一部(5億円)取り消されましたが、さらに裁判所に提訴する模様です(リンク)。
MARINELLO v. UNITED STATES, March 21, 2018(リンク)
(The Second Circuitに破棄差戻し)
日本でいうところの偽りその他不正の行為で刑事罰に問われた被告人が、7212条(26 U. S. C. §7212)のキャッチオール条項(omnibus clauseと表現されています。)の文言を限定解釈すべきとして争った事件です。連邦最高裁は、これを認めて、破棄差戻しの判断をしました。
7212条は、概ね、不正又は実力による妨害(corrupt or forcible interference)による内国歳入法の実施の妨害という条項で、内国歳入法の正当な行使をしようとしている国家公務員などを脅迫、妨害しようとするために不正に、実力で、または威迫する行為を、5000ドル以下の罰金、または3年以下の懲役としています。
被告人は、領収書とかの帳票類を破棄し、従業員に現金で支給したりしたほか、弁護士・会計士などのアドバイスにしたがわず申告もしていなかったようで、同条により刑事訴追されました。
連邦裁判所は、限定解釈し、ここでの処罰対象行為は、公務員による全納税者を対象とする普通の手続き(申告とかのroutine administrative procedures)に対するものではなく、特定の捜査や監査における特定の詐害行為に限られるという見解を示しました。
ちなみに、日本の通則法70条にいう「偽りその他不正の行為」は、ほ脱の意図をもって、その手段として税の賦課徴収を不能もしくは著しく困難ならしめるようななんらかの偽計その他の工作を行うことをいうとされています(最大判昭42.11.8など)。
ですが、実際の問題となる行為については、単に申告する行為であっても、態様次第で認めている例や、重加算税の対象である隠ぺい仮装行為が満たされるときは、満たされるとする例もあります。
このように、必ずしも文理で解釈するところではない状況である気がしますので、(高裁と最高裁でも意見が割れたことも含め)米国との比較は少し視点が変わって面白く感じます。
公取委がアマゾンに立ち入り。
「納入元のメーカーに対し、アマゾン側が値引きして売った商品の販売額の一定割合を「協力金」として支払わせていた」のが、優越的地位の濫用の疑いがあるとのことです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180315-00000025-asahi-soci
BBCも報じています。
http://www.bbc.com/news/business-43411563
一般の業者から見たら、自社でネット販売するより、やはりアマゾンで販売してもらえることは大変大きなこと。アマゾンが普通の業者に対して優越的な地位を占めていたことはうかがえます。どの程度業者さんが力を持っている業者さんで、どの程度アマゾンに依存していたかなど、見る必要がありますが。
行為としては、協賛金の支払負担の要請という、典型例に該当かと思います(独占禁止法第2条第9項第5号ロ。山陽マルナカ事件とか、著名な事件もあります)。 協力金を取ったとして、その使いみちが業者のための広告料とか、直接的に結びついていたら結果は違うのでしょうが・・・
この辺は当然検討してのraidでしょう。
日経より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27865530Y8A300C1EE8000/
特許文献、データベースともに、アメリカさんのUSPTOのそれに比べてプアといわざるを得ない日本のシステムももう少しましになるのかもしれません。
民事裁判手続きのIT化
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27870390Y8A300C1CR8000/
もしかりです。
どうせなら、裁判例ももっと公開してほしいです。
どうせなら、データベースも、アメリカさんのように、原文のページが変わるところを明示してほしい。
そうじゃないと、高裁判決(変更履歴付で判決を下すのですが、「〇ページの〇行目以降を削除し、・・・のように変更する」などと、変更履歴の部分しか言ってくれない。)は、いつも追うのが面倒です。
それぐらい大した手間ではないと思うのですが・・・想定読者が当事者だけしかいないという前提なのですかね。