先日、知人の経営する梨畑の、「撤果作業」をお手伝いしてきました。ひとつの大きな実を実らせるために、他の実を小さなうちに間引いてしまう作業です。

5月初旬とはいえ、日差しが強くて、しかも作業中はずっと手を上げっぱなし、顔も上げっぱなしで肩や首のはりといったらない。おまけに空を見続けるので目もいたくなる、なかなかの重労働でした。

たしかに重労働でした。だけど、実際に梨の木に触れて、梨の実のつき方を観察して、梨の種類による切り方の違いを知って……「大きくて甘い実がなるといいな」と思いながら、できるだけ早く、だけどひとつずつていねいにちょんちょんちょんっと作業をしていくと、終わったころには、ひとつひとつの梨の木が、まるでわが子のようにいとおしく思えてくるから不思議です。

そして作業が終わったあとのあの疲労と爽快を足して二で割ったような、すがすがしさ。都会暮らしには新鮮な体験で、いちいち何かに気づく作業だったけれど、農家の方々はどんなふうに感じながら作業をしていたのだろうと、帰ってきてから思いました。「お手伝い」でする農作業と、生活や稼ぎがかかる農業とは、もちろん異なった感覚なのだろうけれど、それでも都会に住みすぎて「大事なこと」を忘れそうになっている人に、味わってもらいたい、そしてみんなで共有したい感覚だと思いました。

よりすぐられていること、あらゆる作物に誰かの手がかけられていること。

来月には袋掛けの作業で、再びお手伝いに行ってきます。個人的なお話でした。


NPO法人 あったかキャッチボール

(はーちゃん)

「あなたと私を結ぶ。都市と農山漁村の応援団」


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