おおかみこどもの雨と雪(本編1枚+特典ディスクDVD1枚)/バップ

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いやー。

只今、韓国にて語学研修中。

こちらは日本に比べると外はずいぶん寒いようです。

外は一面雪景色。

日中の日差しはそれなりに暖かいから、日光で雪は多少とけるものの、

時折降り足されるので、結果ずっと積ってる印象…。

でも、京都にいた時よりは室内は暖かくすごしやすいですね。

(まぁ京都の古巣が古い寮で無類の寒さだったというこもとあるが…)

ま。

その分、屋内外で気温差が発生するので気をつけネバネバ。





ということで、新生活での学びを今か今かと待つ今日この頃ですが、

実際のカリキュラムが開始されるのは3月4日からのようで、

今は個人的に語学の勉強法をいろいろ試しながら、

所与の環境で何ができるかと頭を悩ます毎日であります。




まぁ、ずっと同じことしてても飽きるんでね。

(私以上の飽き症を見た事ありません。泣)

久々に映画を見ました。

出国前から注目していた『おおかみこどもの雨と雪』。

実は『サマーウォーズ』で浸水してしまい細田守監督の作品だいすきなのよねー。

『サマーウォーズ』では、秀逸な映像技術に加えて、

日本的な“イエ”的な価値観が前面に出ていて、

海外で上映しても評価されそうだなーとかってに思ってました。

今回も面白いことやってくれるんじゃないか???

という期待を持って見てみました。




率直に言って感動した。

よくできた作品ですねー。

『サマーウォーズ』に比べると世界観はshurinkしちゃった印象があるけれど、

私はハートウォームな世界観が全般的に好きなので評価してしまいます。

物語の軸はいわゆる“異類婚姻譚(いるいこんいんたん)”ってやつですね。

人間とおおかみという異なる種族が結婚しそれにまつわる物語。

いうたら「鶴の恩返し」とかと似たようなヤツですな。

海外でも結構この類の物語は多いみたい。

ただ、古さを感じないのが細田監督のいいところ。

前回の『サマーウォーズ』でも日本の古い“イエ”制に対するノスタルジーを描きながら、

現代のITにまつわる問題を物語の軸に持ってくることで、

まったく新しい斬新な世界観を生みだした。

今回も同じー。

使い古された異類婚の話しながら、

問題の焦点を本人同士の関係に終わらせずに、

次世代の子供との親子関係とその親子が遭遇する多様な出会いを焦点にすることで、

現代との接合を図っている。

というか、“親子愛”は一般に永遠不変の真理なので、

時代とか関係ないし…。



今回、気付いた特徴的な表現方法としては、

雪と雨をきわめて対照的なパーソナリティーとして描いていたことで、

メインの主人公が花、雪、雨の三人だったにもかかわらず、

視聴者の心象に刻まれたのではないだろうか。

例)

花     彼(本名不明らしい)
高学歴   低学歴
人間    おおかみ
女性    男性

雪     雨
女の子   男の子
闊達    おとなしい
勝気    泣き虫、恥ずかしがり屋
人間に共感 動物に共感
人間に適合 動物に適合

対照的に描くと互いに互いを引き立て合いよりそのキャラクターを、

少ない時間でより克明に印象付ける。



二つ目は同じ構造のシーンを多用することで、

視聴者にシンパシーを抱かせやすい工夫がされていた。

例)
①「ご飯前におやつをせがむシーン」と「幼稚園に行きたがるシーン」

→どちらも花の視点から雨と雪を見ており、話の途中で雪が部屋の中を走り回る

②花と“彼”が待ち合わせをする前後

→同じ個所から現れることで、二回しか出てこないのに習慣性があることを暗示している

③小学校に行くバスの中、小学校のスライドする教室

→時間の経過を効果的に表現

この辺りは『サマーウォーズ』のようなドタバタ劇では使いにくい方法なので、

前作を見た人も新鮮に感じたのではないか。





さて、最後に中身に関して。

非常に興味深かったのは雨と雪が思春期の始まり(としては少し早い気もするが)である小学校の高学年で、それぞれおおかみとして生きるか、それとも人間として生きるかを選択するプロセス。

これはそれまでの雨と雪の性格とパワーバランスが逆転するのとリンクしており、

非常に「うまい」とうならされた。

これをみれば、どんな人もだいたいどちらかに感情移入するだろうなー。

おおかみ人間であるゆえの死ぬまでまとわりつく「どっちつかず」という問題を、

雨と雪はそれぞれの方向で解決しようと試みる。

その過程で彼らが感じる心の痛みや身もだえするような想いは、

人間の成長過程において生じる子供が親に対する愛情表現と、

周囲の友人と分かち合う兄弟愛的な世界への成長の中で生じる。



雨が母である花のもとを離れる様はいかにも日本的な「自立」を、

わかりやすく表現したにすぎないけれど、

背景に覚えにない父親を思う花の姿を随所に描くことでより深く親子愛を感じさせる。



また見たいなと思うと同時に、

やっぱり、家族の中心は夫婦愛だなとも感じた。

いやー。

心温まる作品。

お勧めです。

評価 星5つ
★★★★★