ハーフタイム 名古屋ロッカールーム
1点差で勝っているのは名古屋。
しかし、リードしているチームの雰囲気ではない。
序盤の大阪の攻撃を見て、通常の4バックにボランチ1人という守備では防げないという判断の下、5バック3ボランチといってもいい布陣を敷いた。
それでも崩される。
1失点で済んだのは上出来だと、誰もが感じている。
でどうするのか。
これ以上人数をかけることはできないし、これ以上ラインを下げることもできない。
監督 「4バックに戻す。 ボランチは2枚だ。サイドは出来るだけ高い位置を取れ。大阪のSBを押し込むんだ」
リオ 「打ち合いするってことスか?大阪と?」
イヴァン 「いや、そうじゃない。持たせて防ぐのが無理なことはわかった。こっちがポゼッションを取って、大阪のSBと中盤を下げるんだ」
4-2-1-3(4-2-3-1)
大阪の人数を減らすことで、攻撃力を低下させる。
前から当たって、人数をかけさせない。
サイドを高くし、大阪のサイドバックを攻撃に参加させない。
そして、もう一点を取りに行く。
対する大阪ロッカールーム。
南野 「後半、おそらく名古屋はもう少し前に来るだろう」
南野 「ポイントが、バイタルから少し下がって中盤になる」
近藤は、息を整えながら考える。
前半、浅いところでは自由にやらせてくれた。バイタルでも人数をかけられた。
後半、前から来るなら、名古屋ボランチの両サイドのスペースが使えるはず。
近藤は安井を見た。
尋常ではない量の汗を流し、下を向いて肩を上下させている。
無理もなかった。
左サイドの一番前から一番後ろ、何回アップダウンしたか。
安井は南野の指示を聞きながら、息を整え、体力を回復することに集中していた。
近藤 「安井」
安井 「・・・ハイ」
近藤 「お前んとこ、後半使えるぞ」
安井 「左ッスか?」
近藤 「おう。出来るだけ張って、SBと1対1にできるとこにおれ。出す」
安井 「ッス・・・」
奇しくも、大阪もサイドを起点にする戦術をとった。
名古屋のサイドが高い位置を取る。
その圧力で、大阪のSBが上がれなければ、大阪の人数が減る。
逆に、大阪のSBが上がり、そこでポイントを作れれば、サイドは大阪も名古屋も1人ずつ。
1対1になる。