皆様お久しぶりです。
元ホストの歌舞伎のATSUSHIでございます。

既に皆様、ご承知のことと存じますが、私は2011年に刑事事件を起して懲役刑に服しておりました。
そしてこの度おかげさまで出所の運びになりました。
申し上げたき儀は数多くありますが、まずはご迷惑をおかけしました皆様にはこの場を借りて謝罪申し上げます。
申し訳ございませんでしたm(_ _)m

本来であれば関係者の皆様にはお一人お一人ご連絡差し上げて謝罪すべき所ではありますが、あれから既に4年以上の年月が立ち、連絡先が変わってしまった方も多くいらっしゃるでしょうから、まずはこちらに謝罪文を掲載すべきと思い至り、こうして筆を取らせて頂いております(正確には筆は使ってませんが)

被害者がいらっしゃる事件なので、事件についての詳細についてはこの場での発言は控えさせて頂きますが、全て私の不徳の致す所でございます。



さて、私が社会から隔絶されたこの4年間についてですが、一言で申し上げるなら、私にとっては『地獄』でした。
逮捕された時は、この先の人生に絶望し、自ら命を絶とうと思った事もありました。
あるいは私をこんな風にハメた連中を憎み「出たらあいつら絶対見つけ出して殺してやる」と憎悪に囚われていた時期もありました。
また、自己憐憫に浸り、自分の不運を呪い、社会を逆恨みし、腐ったこともありました。
正直、ホストになったことや、歌舞伎町に出向いた事を後悔したことは枚挙に暇がありません。


ですが私には守らなければならない家族がおりました。
また、数年ぶりの連絡(しかも捕まったと言う旨)にもかかわらず、面会に駆けつけてくれた友人、忙しい中手紙をくれた友人など、こんなダメになった私にも待ってくれる人達がおりました。中には弁護士になって、一般面会ではなく弁護士接見で来てくれた友人もおりました。また昼職時代の上司などは裁判の際に雇用の確約と情状証人として、弁護台に立ってくれた方もいます。
一度は人生を諦めた私ではありますが、持ち前の粘り強さでもう一度頑張ってみようと思いました。
そして家族や友人達の支えのおかげで、なんとか無事故無違反で勤めあげ、仮釈放での出所に至っております。

この4年での心境の変化には紆余曲折ありましたが、今となってはもう穏やかな気持ちになっております。
私をハメた共犯連中に対する憎悪もなくなっております。
結局は己の未熟さが招いたことだと理解しておりますから。


自由も物も何もない中で、私は失った人生を取り戻そうと必死で毎日勉強に明け暮れておりました。
このぐらいの勉強への情熱が学生時代からあって、もし経済的に余裕があり退学して就職しなかったら、今頃は弁護士ぐらいにはなれたんじゃないかと思うぐらいです(笑)
刑務所の中では受験出来る資格は少ないのですが、中で取れる資格は全部取り、将来的な目標も出来たため、その後も勉強を続けましたし、出所した今後も継続して勉強は続けていくつもりです。

私には当然失ったものは数多くあります。
むしろ残っているものの方が少ないでしょう。
家族に対しては家を失わせ、財産を失わせてしまいましたし、私が中に入っている間に仲の良かった従兄弟が亡くなり死に目にも立ち会えませんでした。
大好きなペットのフェレットも死んでしまいました。
私に残っているのは被害弁済で生じた借金ぐらいです。
それでも私は恥を忍んでこれからも生きていかねばなりません。
特に家族に対しては今後罪滅ぼし、恩返しをしていきます。



さて今後の去就についてでございますが、先にも述べましたが、私の昼職時代の上司が私を雇ってくれることになっておりますので、地道に働きます。
もう私がホストをすることはないでしょう。
そもそもホストの私の需要は皆無なのは皆さんがよくご存知でしょう(笑)
楽しい思い出もあるため未練が全くないと言えば嘘になりますが、やはり私はホストには向いておりません。

正直申し上げますと、この歌舞伎町で出会った皆さんに関しては、当初は「このままもう関わるまい、切ってしまおう、バックれてそのまま新しい人生を生きていこう」と考えていたのです。
ですが、私の中にはずっと後ろめたさと申し訳なさが残っておりました。
特にこの数年間で私は人と人の繋がりの重要さを改めて学びました。
一期一会と申してもいいでしょうし、合縁奇縁と言い替えてもいいでしょう。
良くも悪くも今の私は、皆様一人一人と出会った上で形成されております。
恐らく私に対しては怒りを抱かれている方もいらっしゃることでしょう。
既に私のことなど忘れている方も多くいると存じます。
ですが、やはり皆様には一言お詫びしようと決意いたしました。


歌舞伎町で出会った人達は、寂しがり屋な人、心が弱い人、ネガティブな人が多いと見受けられます。
これだけは今も自信を持って言えるのは、私はそういう人達に元気を分けてあげたいと思ってホストをやっておりました。
ホストは楽しませてナンボ。
悲しませるホストは私の最も忌むべき存在です。
未だに「あの子大丈夫かな?元気でやっているかな?」と心配になる人もいるぐらいです。
これを読んでいらっしゃる方の中にも「私は世界一不幸な人間だ」とか、自己嫌悪に囚われている人も多くいらっしゃるでしょう。
私も同じように「ああ、俺は不幸な人間だ~」と嘆いた経験のある人間だから多少は気持ちは分かるつもりです。
でもよく考えてみてください。
果たしてあなたは本当に不幸な人間なのか?
例えば、世の中には、一日1.25ドル(現在のレートで150円)以下で暮らす極貧困層は12億もいるってご存知ですか?
こんな平和な日本ですが、同じ地球には今も戦争紛争で毎日多くの方が亡くなっている国もありますよね。

少なくてもこれを読んでいる皆様は携帯やスマホといった文明の利器を持ち、1日150円以上で暮らしていることでしょう。
いきなり銃で撃ち殺されたり、地雷を踏んで足を失う可能性もほぼ皆無でしょう。
そう、上には上がいるように下には下がいるんです。
世界中の人に客観的に「幸福度ランキング」をつけるとしたら、私達はきっと上位にいることでしょう。
どうでしょう?自分よりもっと不幸な人がいると考えたら、自分の悩みや不安なんてちっぽけなものに思えてきませんか?
私はこれをネガティブ的ポジティブ思考と名付けました。
そうなんです、思い返してみれば私達は決して不幸ではないのです。
むしろ幸せと言えるでしょう。
私もずっと自分は不幸の星に生まれたと感じておりましたが、捕まって初めて「あ~、俺って本当は幸せだったんだな~」と気づきました。
幸せって失って初めて気づくものなんですね。
意外と幸せな時ほど、幸せは感じにくいものなんですよね。
皮肉にも私は今回の件でやっと幸せの正体が分かった気がしますよ。


話が脱線してしまいましたね、閑話休題。


私は皆様の幸せを心から祈っております。
私みたいに人生を踏み外すことはないとは存じますが、皆様にはこれからも素晴らしい人生を歩んでいってもらいたいですね、本当に。


最後になりますが、この度は本当に申し訳ありませんでした。
私から連絡つく方は少しづつ連絡させてもらおうと思いますが、連絡先変わってしまった方やヘルプでついていたお客さんとかの中には私に一言、文句の一つも言いたい方もいらっしゃるでしょうから、アドレス書いておきます。

atsushi2.1koto@gmail.com