臨死体験については医師、哲学者、ジャーナリストなど、さまざまなジャンルの人たちが研究しています。

臨死体験には個人差がありますが、共通のパターンがあります。
それは私も経験した「体外離脱」と「幻覚的な体験」。
夢とも異なる感覚なので、言葉で説明するのは難しいと思います。

子どもの臨死体験は「体外離脱」「トンネル」「光」の三つの要素があり、大人よりもシンプルだそうです。
また、アメリカ人の臨死体験者は「愛」や「神」などの宗教的な背景があり、日本人は「光」といっても自然な光で、三途の川やお花畑がよく登場します。
昔は「閻魔大王」がよく登場したらしいのですが、こういった話を聞くと、やはり文化的、宗教的な影響が大きいのだと思います。

代表的な科学的仮説はやはり「脳」の作用です。
脳に変化が起きて、そこで見る幻覚が臨死体験であるという「脳内現象説」。
死ぬ間際には、脳内で機能する神経伝達物質「エンドルフィン」の分泌が増加するとのことですが、低酸素症患者を対象にした実験で、血中の酸素濃度が下がるほど、エンドルフィン値が上がることが証明されています。
立花隆氏は、臨死体験の要素のうち「幸福感」や「恍惚感」についてのみ「エンドルフィン」が関わっているのではないかと推測していました。

実は私の高齢の母も数年前、臨死体験を経験していますが、母の臨死体験は「幸福感」「恍惚感」とは全くかけ離れたものだったのです。

高齢で一人暮らしだったのですが、夜中に突然胸が苦しくなり、自分で119番通報して救急病院に運ばれたのですが、危険な状態だったと医師から告げられました。

懸命な処置によってその後、蘇生したのですが、後日、母にその時のことを尋ねると、気がついたら真っ暗なところを一人で歩いていて、周りには動物の死骸や骨が散乱していたそうです。
あまりにも恐ろしくて、気持ち悪いところだったため、引き返してきたら意識が戻ったとのこと。もう二度と思い出したくないと言っていました。
現在も元気なのは、その恐ろしい残像が脳裏に焼き付いて離れないからだと思います。

私の場合、これまでの価値観を変えてしまうような臨死体験ではなかったのですが、心と体のバランスについては、確信を得たように思います。

常に「一心一体」であると意識すること。

 

それに尽きます。