入院中の患者さんの在宅復帰についてご相談を受けることがあります。

病状が落ち着いているから自宅に戻る・・・というケースなら、退院前カンファレンスを開き、介護保険認定とか、住宅の状況調査とか、福祉用具の調達とか、色々と準備をし、準備万端で家に帰ることを目指します。

 

しかし、終末期の患者さんでは、そうもいきません。

早く退院して家に戻らないと、間に合わないケースがあるからです。

 

私が延岡で開業する前、病棟で入院患者さんを受け持っている時にもそんなケースがありました。

明日が退院・・・という晩に亡くなった方もいました。

退院当日に「迎えの車が来ましたよ・・・」と病室に呼びに行ったら、息が止まっていた方もいました。

 

「家に帰りたい」「帰らせたい」という思いを抱いたまま病室で亡くなってしまうのは、ご本人はもとよりご家族にとっても悔いが残ることです。

 

なので、延岡で開業して在宅医療に取り組みようになってからは、出来るだけ早く、それも文字通り一分一秒でも早く家に帰ることが出来るよう、受け入れることが出来るようにと考えてきました。

 

実際、退院当日に亡くなった方もいましたし、退院翌日という方もいらっしゃいました。

一番短かった方は、ご自宅について3時間後に息を引き取られた方もいらっしゃいました。

 

しかし、ご家族にとっては「かけがえのない3時間」だったと思います。

特に最近は、「感染対策」と称して面会制限をしている病院が多数あります。

人生の最終段階で、家族にも会えず、一人寂しく病室の天井を見上げる方の気持ちを考えるとたまりません。

 

「病状が落ち着いてから」

いえいえ、終末期ですから、落ち着いてなんて言ってられません。

 

「家の準備が整ってから」

そんな悠長なことをしている間に、間に合わなくなります。

 

「まだ紹介状が出来てない」

そんなもの後からでもいいですから、早く帰しましょうよ。

 

今この瞬間にも「家に帰りたい」「帰したい」という思いを抱きながら、退院が間に合わず病院で最期を迎えている方もたくさんいらっしゃることと思います。

私たちも、出来るだけ早期に(当日でも)動けるようにと考えています。

 

なので、回復の見込みが薄く、ご本人に「自宅に戻りたい」という思いがあるのなら、出来るだけ早く主治医や地域連携室にその希望を伝えてください。

一分でも、一秒でも早く。

でないと手遅れになるケースがたくさんあります。

 

自宅以上の”特別病室”はありませんよ。

 

医療法人あつきこころ 大貫診療所(外科・内科)

理事長・院長 榎本雄介

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