内陸の自動車工業

かつて養蚕業や絹織物業が盛んであった群馬県栃木県は,繊維産業の衰退とともに広い工業用地や労働力を確保しやすくなり,第二次世界大戦中に臨海部を逃れて立地した軍需工場や,戦後過密化する京浜工業地帯からの工場の分散が進むようになった。高速道路網の整備とともに,部品や製品の短時間で陸上輸送が可能となり,輸入原料に依存しない組み立て産業である自動車工業や電気機械工業が集積した。バブル経済期の労働力不足を背景にした1990年の出入国管理法改正により,ブラジルを中心に日系外国人労働者が多く集まった。