関東地方の自然環境

関東地方の大半を占める関東平野は,隆起する周囲の山地から供給された砂礫が厚く堆積した日本で最大の平野であり,利根川の流域面積は関東平野のほぼ半分を占める。北は阿武隈高地足尾山地が東北地方との,北西は三国山地,西は秩父山地から丹沢山地へと続く関東山地から中部地方との境となる。静岡県と神奈川県の境にある箱根山は三重式のカルデラを持つ火山である。秩父から奥多摩にかけて石灰岩が多く,セメント工業が発達した。太平洋岸気候で夏は暑く,梅雨前線や季節風の影響で降水が多い。内陸に行くほど気温の年較差は大きくなり,内陸の熊谷市ではヒートアイランド現象により,夜間でも気温が下がりにくい。北部の山沿いでは,昼過ぎに雷雨が発生することも多い。冬は三国山地を越えて水分を失った北西季節風が強い空っ風として吹きおりてくるため,乾燥した晴天が続く。