アメリカ合衆国の農業

アメリカでは,1920年代に気候・土壌・大消費地への距離などの諸条件に応じた,適地適作による農業の地域分化が進んだ。西経100°線とほぼ一致する年降水量500mmの線を境にして,西側の放牧地域と東側の農業地域に分けられる。

 

フィードロット

放牧地で育った仔牛はコーンベルトで肥育されるが,現在は放牧地域でもフィードロットを設け,濃厚飼料で短期間に肥育される。

 

等高線耕作

ゆるやかな起伏のプレーリーでは,土壌侵食防止のため,等高線に沿うように畝をつくる等高線耕作が行われてきた。しかし,大型の農業機械を駆使した大規模機械化農業は,風雨による土壌侵食を招いた。1970年代からコーンベルトや南部の綿花地帯で土壌侵食が深刻化していたが,その後グレートプレーンズなどへと拡大している。