そう。
あれは夏休みが間近に迫った日。
高校最初の期末テストを終えて
安堵しながら部活で漫画を描いているときだった。
アサミ:『うぅ~~、あつい~~』
茹だるような暑さの部室。
その中で私は汗をぬぐいながらも
夏のイベントへ向けて鋭意制作活動をしていた。
今度こそ売れ行きを上げたい。
その一身で部活仲間と一生懸命にペンを走らせていた。
でも、なかなかうまくいかないもので
汗をぬぐいながらは疲労を伴うものだ。
部員:『あ~~~だめ。
ちょっと、休憩しよう』
その言葉に私はホッとして
ペンを置いて
アサミ:『ありがと~~。
その言葉待ってたよ』
と告げる。
いったん全員がペンを置くと
部長はくすっと笑いながら
部長:『それじゃ、先輩として差し入れを』
そういってどうやって持ち込んだのかわからないけれど
ドド~~ンとクーラーボックスが出てきた。
アサミ:『ぶ、部長?!』
驚く私たちに部長は得意げに
部長:『いや~、この部室暑いじゃない。
去年も一昨年も同じでさ~。
先々代の部長がこういうのを持ってきてくれていたわけ。
で、部長だけが隠し場所を知っているわけ』
秘密だよ、といわんばかりに人差し指で
ウィンクをしながらいう。
まったく、ちょっとかわいいと思ってしまったじゃないか。
というのは私だけの秘密で。
開けられたクーラーボックスには
より取り見取りの飲み物が入っていた。
いったい、誰が買出しをしていたのか?と
疑問には思うけれど私はその中から
オレンジジュースを取り出して
アサミ:『いただきま~す』
と一言言ってキャップを開けて
グイッと喉を潤す。
一口だけでとめようと思ったけれど
とまるはずもなく半分近くまで飲んだ私。
アサミ:『ぷは~~~~!!!
おいしい~~』
満足げな表情を浮かべると部長は
ますます笑みがとまらないくらいに
ニコニコしている。
それに私はちょっとだけ恥ずかしいとおもいながら
次はチビチビ飲もうと思った。
そんなことをしている漫研に
いつもの来訪者が現れたのだ。
ガラガラガラ
朱未:『失礼しま~~~っす』
元気いっぱいの朱だ。
暑さをものともしていない感じが凄い。
ちょっとうらやましくもあるけれど
それが朱のいいところなんだろうけど。
部長:『いらっしゃい、朱未ちゃん。
ジュース飲む?』
ご満悦な部長は部外者である朱に
ジュースを勧める。
それに朱は遠慮をするはずもなく
朱未:『えっ?良いんですか?!
じゃ、遠慮なく』
そういってスポーツドリンクを取り出して
一口飲んだ。
ガブガブ飲まないのは喉が渇いていないからだろうけど
この暑さで凄いなって正直思った。
アサミ:『それで?
今日はどうしたの、朱?』
いつものことのように私は朱の来訪理由を尋ねる。
すると朱は思い出したかのように笑顔を向けて
朱未:『そうだった。
ちょっと面白いことを聞いたからさ。
ついてきてよ、アサミ』
そういって私の目の前に手をついて促す。
けれど、私は
アサミ:『無理~。
私、これからこれを完成させないといけないんだから』
と意気込みを語る。
けれど、今日の朱は違っていて
朱未:『じゃ、部長さん。
ちょっとアサミ借りていきますね』
なぜか拒否権もなく腕をつかまれて
席を立たされている。
アサミ:『えっ?!
ちょっと、朱!?』
ちょっとだけ力強く抵抗をするが
朱は関係なくグイッと引っ張り
朱未:『じゃ、すぐに戻りますんで』
そういって部室から出て行くことに。
考えてみれば凄いことなのだか部長はニコニコ笑顔で送り出し
ほかの部員はあっけにとられていたのを今でも覚えている。
世界は どこかで 繋がっている
世界は 大きく そして 小さい
けれど どこかで 繋がっている
