僕とウンサンはウンサンが少しの間暮らしていた所に来た
あの日海辺で座っている君の背中を
どれだけ抱きしめたかったことだろう
あの日僕を追いかけてくれた君を
出来ることならそのまま連れて帰りたかったことだろう
あの日雨の中全てが嘘のように流れてしまえばいいって思ったことだろう
僕たちはどれだけ苦しんだだろうか
今ではそれさえもいい思い出になってきた
でもちゃんといい思い出に変えたくて
海まで手を離さないで来た
あの時と同じように体が縮こまる程寒い
だけど繋いでいる手からは
確かにウンサンの温もりが伝わってくる
僕はウンサンと繋いでる手から
手袋を外してウンサンの手袋も外して
手を繋ぎ直して
僕のコートのポケットに入れた
「やっぱり繋ぐならこうだろう」
ウンサンはフッと笑うと
僕を見上げてうなづいた
「寒くないか?」
「私は平気だけど君は寒そうだね?」
「そんなことない」
「本当に?」
僕を下から覗き込むウンサンは
面白そうに口元を歪めてた
僕はその唇にチュっと音をさせて触れた
びっくりした顔のウンサン
僕はクイっと口角を上げて
ウンサンの唇にもう一度触れた
「お腹空いたな
この辺お店あるのか?」
「あ・・・・・あるわよ」
ウンサンは慌てて答えると
僕のポケットの中で繋がっていた手を外して
砂浜を歩き出した
「おい」
僕はウンサンの手を
さっきよりも少し強めに握って
ポケットの中にしまった
僕たちはいつもいつもこうして
手を繋ぎ今という時間を握りしめて
未来へと歩いて行くこれからもずっと
この時まではずっとそう信じていた

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